niime 百科
Encyclopedia of niime
tamaki niime × 大地の再生講座
〈前編〉
tamaki niime × Earth Regeneration Lecture
〈 Part 1 〉
〈前編〉
〈 Part 1 〉
2019 . 02 . 15
tamaki niimeのShop&Labを最近訪れた方なら、建物の周囲に回廊を巡らせるように土が現れ、様々な木や植物が植えられているのを目にしていることだろう。
1月28日〜30日の3日間、「tamaki niime × 大地の再生講座」と題した催しが行われ、代表の矢野智徳さんをはじめとする一般社団法人「大地の再生 結の杜づくり」とtamaki niimeのスタッフ、そして各地から集まった参加者たちによって、体験講座を兼ねた、Shop&Labの土の再生を目指しての作業が実施された。
山と川に囲まれた日本の中心点=「日本のへそ」に位置するShop&Labの場所にはかつては染色工場があった。播州織の歴史を踏まえてのモノづくりに加えて、大きな視点に立ち地球の環境を考えての取り組みを開始していた玉木にとって、矢野さんとの出会いは“邂逅”と呼べるものだった。
玉木「そもそものきっかけは、ウチの農業スタッフの佐藤から紹介されて去年の10月くらいに横浜であった「大地の再生」の講座に行って来たんですよね。面白そうだなと参加して、その時に何が新鮮だったかと言ったら、まず代表の矢野さんの講演があって、「大地の再生」とはどうゆうことなのか、今の日本の土地の状態はどうなのかとか、災害はどうやって起きるのかという仕組みを教えてもらった時に、え、マジ!?って思って。目からウロコってゆうか、そうかそんな概念があったんだ!と、初めて聞いて面白いと思ったんですよね。これはヤバイ、とも思ったし。危機的だというか、このままじゃいけない地球は!って思ったから。午前中は座学で午後からは実際に体験をして来たんですね。それでまず面白かったのは、ほんと土木工事じゃないですか、穴掘ったり炭を入れたり木の剪定屑を入れたり、それらを埋めて水の流れ・水脈を作っていくという作業って。なんというか泥遊びじゃないんだけど土に塗れて作業するってゆうのが…極端に言えば子供時代以来やってないでしょ?農業としてはやってるんだけど。なんというか“うわべ”の事しかしてなかったから私なんか特に。ファッションとか服づくりとか。」
― ある意味対極ですよね。汚れますし。
玉木「キレイなモノをつくる、というところでこれまでやって来たわけだけど、真逆の体験を、お金払ってするってゆうのがすごく楽しかったの。」
― 座学も含めた有料の講座ですものね。
玉木「ただ学ぶだけじゃなくて体験出来たのが新鮮で、わぁこれ面白い!って思って。女性参加者もけっこう多くて、帰って早速やってみます!的な内容が多かったんですけど、帰って来たらウチは全部コンクリートじゃないですか?ウチの状況どうなんだろう?と不安になって佐藤に聞いたら、ここを診てもらう事も可能だということで、それだったらとすぐにお願いして、11月頃に矢野さんが来てくださったんですよ。実際にここを観てどういう土地なのかどうゆう改良をしたら良いのかを診断してもらおうと。で、話しをお聴きしたら、その時に盛り上がっちゃって。」
― どんな風に盛り上がったんですか?
玉木「ここが山の際にあることと川の縁にあることと、川は県の所有で公園である岡之山は市の所有で、その間にあるの、ウチって。従来の日本の土木事業の考え方ではこれからの時代立ち行かないと民間で活動してきている人たちだから、もしこの場所で、tamaki niimeで土地再生の良いモデルケースになれたとしたら、行政に話がしやすくもなるだろうし、ぜひやりたいって矢野さんが言ってくれて。こっちも、あ、そうか、それなら“日本の縮図”だねここは、って言って。じゃあ“実験”しようと。ここで出来ることをやって良くなれば今後県や市も動いてもらえるかもしれないし、と。」
― Shopの周囲を中心に植栽もしましたね。
玉木「植栽も最初から大地の再生のプランに入ってて。水脈づくりの条件の中々厳しいところには、地中に木材を入れると。というのは、根っこの代用なんですって。土の中に空気を通すのに一番活躍するのは植物たちで、植物の根っこがしっかり生えて、そこから空気と水分を循環させることで土の中がキレイに、活きた土になってゆくから、本来植物が無いところなんてあってはならないんだと。植物との共存が地球のキーワードという考え方なので、人間が木を抜き過ぎちゃった処に、水脈・水の流れを作ってあげて、根っこがない所に木材を入れるんだって。それで植物を植えた処に根っこ同士が繋がって行くから、地中でみんなが繋ぎあって循環が生まれるという発想なの。いくら水脈を作ろうとしても植物がなければ何にもならないし、どこを起点にどう水脈を繋げるかが大事ってお話だった。それで、来月はもっと植栽をしてくださいというお願いをしたの。」
― 今は寒い時期なので低木を植えていますと「大地の再生」のスタッフの方からは聞きました。
玉木「2月にまた繋がってない水脈を繋げますね、ってゆう話だったんだけど、2月末の時点ならもうちょっと温かくなって来てるから、ある程度高い木でも耐えられる時期になってると。じゃあ少しでも早く水脈を繋げてゆくためには、なるべく早く植栽をしてもらった方が良いから、全箇所のうち最低限水脈を繋げなくちゃいけない処には植栽をお願いしたの。だから2月末にはもうちょっと増えるかもしれない。」
かつては染色工場だったこの場所の片隅には、使われなくなった排水処理施設がある。土の回廊はその周囲も巡っている。まだShop&Labが移転して来る以前、玉木が最初にここを訪れ古い施設の佇まいを目にした時に、何か惹かれるものを感じたのだという。今回の講座実施に当たり、矢野さんに玉木はその存在を伝えた。
玉木「最初に来た時にすごく素敵だと思ったの。わぁここすごい、直感的にこれを活かせたらカッコいいって思った。それから長い間足を向けたことがなかったんだけど、先日急に思い出して。誰に相談しても染工場跡地で排水処理施設なんていうのは負の遺産だから直ぐ壊した方がいいし、ともすれば、そんな土地は買っちゃいけないっていうのが当時の周囲の評価だった。でもそれでも私があえてここを買ったのは、播州織の歴史の上に今の私たちがあるし、かつて播州織の発展に伴って化学染料を使うようになったかもしれないけど、それは別に悪い事をしようとしてやったわけじゃなく、この地域が栄える為に必要で、良かれと思ってこれまで皆んながやって来たことを、今になってそれが“負の遺産”だと言われたって、じゃあ誰が責任取るのよ?って思ったの。ここを誰も買っちゃいけません、この土地なんて価値がないです、って言っちゃったら、今までやって来た播州織を否定していることになっちゃうし、周囲の住民の人たちにとっても次の世代にとっても、何ら前向きな話にならないじゃない?でも私はここに来た時にカッコいいと思ったし、活かせると思ったから、ここだからこそ、ここでしか出来ないことを、仮に負の遺産が残っちゃったとすれば、それを改善してゆく動きになれたら嬉しいなとその時に思った。矢野さんが来てふとそのことを思い出して。話を聞いて彼が今回の作業が全て終わった日に排水処理施設を観に行ったの。矢野さん興奮して戻って来て、あそこ確かにすごいですよ!って言い出して。すごいでしょ!って返したら、絶対あれは壊すべきじゃないし、活かすべきだ!とまた興奮し始めて。」
後日、許可を得て私も古びた排水処理施設に行ってみた。貯水に落ちない様に気を付けつつ階段を上部まで登れば、施設が経て来た播州織の歴史をも感じながら、川があり山があり、田畑や家屋がある周囲の穏やかな風景をゆったりと一望することが出来た。
玉木「矢野さんがあの施設を活かすプランを練ってくれるんです。誰もがあれを壊して新しいものを建てましょうというプランしか持ってない中で、彼は初めてあれを良いものだ、あれを活かすべきだ、って構想を練り上げて次に来る時に持って来てくれそうだから、やった!と思って。」
― それは楽しみですね。
玉木「あれは播州織ならではものだし、それを活かしてtamaki niimeで何か出来るなら、新築で何か建てるよりよっぽど意義があるから面白い!って思って。そっちにシフトしそうな感じよこれから。」
― 素晴らしいですね。播州織の様々な歴史を、丸ごと踏まえながら進んでいくというか。
玉木「大地の再生に関して面白いのは、11月にここを診に来てもらって依頼した時から、色んなことを徹底的に調査するの。古代からの西脇の歴史や地形や土地利用や水脈がどうなってるかとか、それらを踏まえた上で今のベストなかたちを提案して下さるから、面白いと思って。」
― 酒井さん的にはどうですか?
酒井「体感的に言うと、施工前とはこの場所の「気」が変わった感じがします。僕が勝手に思うに、(Shop&Labの周囲の土を再生し植栽を巡らせたのは)“結界”やと思うんですよ、あれ。悪い「気」を遮断している気がするんですよね。一方で、ああゆう風に掘削して土の回廊を通すことで、僕らと外の土地だったり色んなものとを繋ぐ役目もしているというんですか。確かに、明らかに身体が楽になりました。体感として掘り始めた2日間無茶苦茶しんどかったですもん。もう初日なんか頭痛くて。3日目でようやくフッと楽になりました。俺、1日目無茶シンドイって言ってたよな?」
玉木「色んなもんが地中から出てたんだと思う。やっぱりやってた現場の人たちもコンクリート割ったらすごい出たって言ってたもん。ヘドロもそうだし臭いのキツイものが。で、まさに土砂災害が起きた場所とかだとヘドロで有毒ガスが蔓延してるから気をつけないとって。やっぱり、それだけ悪い空気がずっと土の中にいたということだから。」
-なるほど。密閉され押し込められていたというか。
玉木「工事に入る前に、実際どんなことをするのか、私たちもわからないから施工事例だとか色んなことを聞いたんだけど、矢野さんにとっての基準は、地球にとって、なんですよ。地球にとって良い循環になればという目線で、何が一番自然かを考えて施工して来たわけで、私としては今回あんまり自分のエゴは出さないでおこうと思った。いつもはtamaki niimeらしさとは何か?とか、モノづくりの場で自分のこだわりを伝えてゆくんだけど、最低限お客様がいらした時に不便がないようにというお願いはもちろんしてるけど、どういうデザインをするかどんな植栽をするか、ということに関しては、矢野さんが今回植物のために地球のためにプロデュースするのであれば、委ねてみよう、と。それが自分の思うデザインと違ったとしても、それがもし地球にとって本当にベストだったとしたら、私は受け入れるしかないし、そこで私だったらこうするとかエゴを言ったって、地球が喜ばないんだとしたら意味がないと思った。地球が喜ぶかどうか私にはわからないから、今の段階では。矢野さんが地球に喜ぶ事を知ってるならそれを見て盗もうと思ったから、今回私は黙ってたよね。」
酒井「うん。」
玉木「何するの?何するの?と思いながら(笑)、黙って見ていこうと。そういう意味じゃ、まだまだ学びの途中だけど。」
Shop&Labの周りを掘り起こして巡らされた土の回廊の植栽にじっと目を凝らすと、低木や植物が多様な取り合わせで植え込まれている様子が、あたかも小さな宇宙を形成しているかのように思え、観ていて飽きない。
所々に空気を通す小さなパイプが埋め込まれていたり、回廊を伝ってゆくと今回地面を露出させるために砕かれたアスファルトやコンクリートの塊が、剪定された枝や炭や土と一緒に混ぜ込まれ埋めてあったりもする。通常ならば廃棄物となるものが大地の再生の場で共存する様が、何か不思議な調和を感じさせる。
そこには、Shop&Labの片隅にある、あの壊されるべきと見なされていた無用の排水処理施設をもまた活かそうとする、矢野智徳さんの想いと思想が深く横たわっているのだと思えた。
私たちの住み暮らす地球のことを熟考し実践を試みてゆく「tamaki niime × 大地の再生講座」についての玉木と酒井のトーク、より話は深まりつつ、次回に続きます。
書き人越川誠司
If you have visited the tamaki niime Shop & Lab recently, you may have seen the soil around the building shaped like a corridor, and various trees and plants have been planted.
From January 28 to 30, a three-day event titled “tamaki niime × Earth Regeneration Lecture” was held. The staff of tamaki niime, including Tomonori Yano, the Earth Regeneration: Creating a Forest of Harmony representative, and participants from all over Japan worked to regenerate the soil of the Shop & Lab.
Surrounded by mountains and rivers, the Shop & Lab is located in the centre of Japan, the “navel of Japan”, where there used to be a dyeing factory. In addition to manufacturing based on the history of Banshu-ori textiles, Tamaki had started to think about the global environment from a larger perspective, and her encounter with Mr Yano was a ‘chance meeting’ for her.
- Tamaki
- First, one of our agricultural staff, Mr Sato, introduced me to a lecture on the “Rebirth of the Earth” held in Yokohama last October. The first thing that struck me was the lecture given by Mr Yano, the president of the organisation. When he explained what the “Rebirth of the Earth” meant, the current state of the land in Japan, and how disasters occur, I thought, “Really? I thought, ‘Wow, really?’ It was the first time I heard of such a concept, and I thought it was interesting.’ I also thought, ‘this is bad. It is a crisis, and that the earth must not go on like this!’ That’s what I thought. We had classroom lectures in the morning and worked in the afternoon. The first thing that was interesting to me was that it was really like civil engineering work, digging holes, putting in charcoal and pruning debris, and then burying them to create water flow and water veins. It’s not like playing in the mud, but working in the dirt…to put it another way, you haven’t done that since you were a kid, right? I do it for farming, though. I’ve only been doing what’s on the surface, especially me, like fashion and clothes making.
—— It’s the opposite in a way. And it gets dirty.
- Tamaki
- I’ve always been in the business of making beautiful things, but it was enjoyable to pay for an experience that was the complete opposite.
—— It’s a paid course that includes classroom lectures.
- Tamaki
- It was refreshing to experience something instead of just learning about it, and I thought, ‘wow, this is interesting!’ There were quite a few female participants, and many of them said, ‘I’ll try it as soon as I get home! But when I came back, I found that all of our buildings were made of concrete. When I asked Mr Sato about it, he told me that it was possible to have the place inspected, so I immediately asked him for help. Mr Yano came to see us around November. He wanted to know the land and diagnose what kind of improvements should be made. And when I listened to him, I got really excited.
—— How did you get excited?
- Tamaki
- The fact that this place is on the edge of a mountain and a river, the river is owned by the prefecture, and Okanoyama, the park, is owned by the city, and we are in between. Mr Yano said that if we could make a good model case for land reclamation here at tamaki niime, it would make it easier for us to talk to the government, and he really wanted to do it. I said, “Well, in that case, this place is a microcosm of Japan, isn’t it?” So we said, “Let’s experiment. If we can do what we can here and make it better, maybe the prefectural and city governments will move in the future.”
—— You also did some planting around the Shop.
- Tamaki
- Planting was also part of the plan for regenerating the earth from the beginning. In places where the conditions for creating water veins are challenging, we put wood underground. This is because it is a substitute for roots. Plants play an essential role in allowing air to pass through the soil, and when the roots of plants grow firmly and allow air and moisture to circulate through them, the ground becomes clean and alive, and there should be no place without plants. The idea is that coexistence with plants is the keyword for the earth, so where humans have removed too many trees, they should create a water vein and water flow and put wood in where there are no roots. The idea is that where plants are planted, the roots will connect with each other, and everyone will be connected to each other underground, creating a cycle. He said that no matter how much you try to make a water vein, it will be nothing without plants, and it is essential to know where to start and how to connect the water vein. So I asked him to plant more plants next month.
—— The staff of the ‘Earth Regeneration’ told me that they are planting shrubs now because of the cold season.
- Tamaki
- We talked about connecting the unconnected water veins again in February, but at the end of February, it would have been a little warmer, so even some of the taller trees would have been able to withstand the weather. So I asked them to plant trees in all the places where we need to connect the water veins. So hopefully, by the end of February, there may be a few more.
In the corner of this former dye factory, there is a disused wastewater treatment facility. A corridor of soil runs around it. When Ms Tamaki first visited this place before the Shop & Lab moved here and saw the appearance of the old facility, she felt something that attracted her. Ms Tamaki told Mr Yano about it when she decided to hold the lecture this time.
- Tamaki
- I thought it was cool when I first came here. I thought, ‘Wow, this place is amazing, and intuitively I thought it would be cool to make use of it.’ I hadn’t been to the site for a long time, but the other day I suddenly remembered. Whoever I talked to, the people around me at the time said that a wastewater treatment facility on the site of a former dyeing factory was a negative legacy that should be destroyed immediately and that, if anything, I shouldn’t buy such land. We may have started using chemical dyes in the past as Banshu-ori developed, but it was not because we wanted to do anything wrong. I thought to myself, ‘who is going to take responsibility for the things that everyone has done for the good of the region, and now they are being called a ‘negative legacy’?’ I also thought, who’s going to take responsibility? If we said that no one should buy the land or that the land was worthless, we would deny the Banshu-ori that we had done so far. It would not be a positive story for the surrounding residents or the next generation. But when I came here, I thought it was fantastic, and I could make use of it, so I thought it would be great if we could do something that can only be done here because it is here, and if there is a damaging legacy left, I would be happy if we could make a move to improve it. When Mr Yano came, I suddenly remembered this. When Yano-san came to see me, I suddenly remembered what he said. Yano-san came back all excited and said, “That place is really amazing!” He said, “Isn’t it great! Isn’t it amazing!” I replied, “Isn’t it amazing? He got excited again.”
Later, with permission, I also visited the old wastewater treatment facility. As I climbed up the stairs to the top, being careful not to fall into the water reservoir, I was able to enjoy a relaxing view of the surrounding peaceful landscape with rivers, mountains, fields, and houses while feeling the history of Banshu-ori that the facility had passed through.
- Tamaki
- Mr Yano is coming up with a plan to make use of that facility. While everyone else only had a plan to tear it down and build something new, he was the first to come up with a plan that said it was good and that it should be used, and he was going to bring it to me the next time I came. I thought, ‘yes!’
—— I’m looking forward to that.
- Tamaki
- That’s something only Banshu-ori can do, and if we can do something with it at tamaki niime, it’s much more meaningful than building something new, so it’s fascinating! That’s what I thought. I feel like I’m going to shift to that from now on.
—— It’s terrific. It seems to me that you are taking the various histories of Banshu-ori into account as you proceed.
- Tamaki
- What’s interesting about the Earth Regeneration is that I asked him to come and examine this place in November. He did a thorough investigation of many things. I thought it would be interesting to see how he would propose the best solution based on the history of Nishiwaki since ancient times, the topography, land use, and water circulation.
—— What do you think, Mr Sakai?
- Sakai
- To put it into perspective, I feel that this place’s ‘spirit’ has changed from before the construction. I think (the reclamation of the soil around the Shop & Lab and the planting of trees) is a kind of ‘spiritual barrier’. I believe it blocks out the bad ‘spirit’. On the other hand, excavating and passing through a corridor of soil like that also serves to connect us to the land and other things outside. My body indeed feels much better. The first two days of digging, I felt like I was on fire. I had a headache the first day, and it finally eased up on the third day. Didn’t I say that the first day was tough?
- Tamaki
- I think a lot of stuff was coming out of the ground. The people working on the site also said that many things came out when they broke the concrete. There was sludge too, and things with a pungent smell. They said that they had to be careful because the sludge was spreading toxic gas in the landslide area. After all, that’s how bad the air was in the ground for so long.
—— I see. It’s like it’s been hermetically sealed up and squeezed in.
- Tamaki
- Before we started the construction, we didn’t know what they were going to do, so we listened to many examples of that type of construction. He has been working with the idea of the most natural way to create a good cycle for the earth, so I decided not to show too much of my ego. I usually think about what is the essence of tamaki niime. I usually tell people what I think is unique to tamaki niime and what I’m particular about at the creating stage. Still, of course, I ask for the minimum to ensure that there will be no inconvenience for the customers when they come, but as for what kind of design and what kind of planting, since Mr Yano is producing for the plants and the earth this time, I’ll leave it to him. But as far as what kind of design or what kind of planting is concerned, if you produce something for the plants and the earth, I think I should leave it to him. Even if the design is different from what I believe, if it is the best for the planet, I have no choice but to accept it, and if the earth is not pleased with my ego, then there is no point in saying what I would do. I don’t know if the planet will be happy or not, at this point. If you know something that would make the earth happy, I’d like to see it and steal the idea from him.
- Sakai
- Yes.
- Tamaki
- I was thinking, ‘what are you doing? What are you going to do? (laugh), and I was going to sit back and watch it. In that sense, I’m still in the process of learning.
If you look closely at the plantings in the earthen corridor around the Shop & Lab, you will see various shrubs and plants that seem to form a small universe, and you will never get tired of looking at them.
There are small pipes embedded in the ground to allow air to pass through, and as you walk along the corridor, you can see chunks of asphalt and concrete that have been crushed to expose the ground this time, mixed in with pruned branches, charcoal, and soil, and buried. There is something strangely harmonious about how things that would typically become waste coexist in a place where the earth is regenerating itself.
It seemed to me that Mr Tomonori Yano’s thoughts and ideas of making use of the useless wastewater treatment facility, which had been considered to be destroyed in the corner of the Shop & Lab, lay deep in this place.
In the following article, Ms Tamaki and Mr Sakai will talk about the “tamaki niime x Earth Regeneration Lecture,” which attempts to think about and put into practice the earth we live on.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.