niime 百科
Encyclopedia of niime
niime年越し対談
玉木&酒井による、原点回帰宣言。
〈後半・元旦〉
niime’s crossing into a new year talk
back to the beginning announcement by Tamaki & Sakai
〈part 2・on New Year’s Day〉
玉木&酒井による、原点回帰宣言。
〈後半・元旦〉
back to the beginning announcement by Tamaki & Sakai
〈part 2・on New Year’s Day〉
2020 . 01 . 01
新年明けましておめでとうございます!
原点回帰した玉木と酒井が2020年に向けて語り尽くす年越し対談、その〈後半〉! 対談の最後には、正月3日から5日まで、装いも新たに開催されるtamaki niimeの新年会イベント「めでたま」の紹介も。 新しい年に向けて放つふたりの熱い本音トークを、このお正月ごゆっくり、たっぷりとお楽しみください。
〈前回からの続き〉
酒井「なんか、“カネ”じゃないんすよね。かつての所得からすれば10倍以上にはなってるんですけど、それも違うくて。その当時、8万5千円だろうが2万4千円だろうが、お金じゃなくて、只々やることがもう、楽しくてしょうがなかったんですよ。それがここ最近違うかったよな?」 玉木「“カネ”の話ばっかりやったよな?」 酒井「う〜ん、だから義務。会社を大きくしなきゃいけないとかそんな話ばっかりで。」 玉木「売り上げを何十倍にするには?とか。」 酒井「そのためにはどうしたらいいんやろな?とか。」 玉木「もう“カネ”、”結果”の話ばっかりやったね。」 酒井「そこを求めてるわけじゃないんですけど、そうしなければいけない、というのがあって。」 ― う〜ん…。
酒井「でも極論で言うと、そこじゃなくてやっぱり原点は、お金じゃなくて、ただただ楽しいことをただただやり続ける。それだけなんで。」 ― はい。
酒井「そこに戻そうと、僕は思ったんですよ。」 玉木「(感慨深げに)やっと戻ってきてくれた…。」 酒井「先日、今年最後の全体ミーティングをしたんです。最近はほとんど発言してなかったんですけど、その時は違ったよな?」 玉木「久しぶりに酒井さん主導で最後締めくくってもらうというスタイルに戻したの。私も言いたいこと言うけど。」 酒井「自分で言うのもナンやけど、やっぱり盛り上がるよな?」 玉木「コミュニケーション能力は抜群にあるんですよ。」 ― 酒井さんが本気で話し始めると、どんどんと引き寄せられますよね。
玉木「ヤバイよね。」 酒井「でも誰かとマンツーマンとか苦手なんですよ。」 玉木「“多”の方がいいよね。」 酒井「“多”をブワーッて沸かすのが好きなんです。」 ― 聴衆の心を鷲掴みにするみたいな。
酒井「最初はアレなんですけどだんだんとヒートアップしてきて。」 玉木「止まらなくなるねんな?」 酒井「止まらなくなる。そこって、もう“プライスレス”じゃないですか。お金じゃ買えないし。そう、何でもそうなんですよ。お金で買えるものには興味なくて。“情熱”とかってお金じゃないでしょう?」 ― う〜ん、、そうですね。
酒井「お金で買えない部分て、すげェ重要で。最近そこを取り戻したから。」 ― 何かしら自分の中から産み出る熱量ってお金に換算できないですしね。
酒井「だから“個”として持ってるものが、“皆”になったとたん、玉木が言うようにそこを抑えていかなきゃならないんで。そこはそうせざるを得ない状況になってくるんですよね、なんか。組織となると、良くも悪くも。なぁ?」 玉木「ヘンな感覚になるね。」 ― そんな葛藤がずっとあったわけですね。
酒井「暴れられないし。」 ― もがいてる感じ?
酒井「そうです。」 玉木「すっごい重たいヨロイ着せられた人みたいな感じかな。」 ― う〜ん…なるほど。
玉木「ひとりだったとしたら、私ならニワトリ飼いたいと思ったら、今日即飼ってるんですけど。なんか色んなこと考えたら…皆んなに確認してOKもらってからじゃないとダメかみたいな。だから大企業かいッ??って感じになってきたんやな?」 酒井「物理的大きさで言えば、“個”の方が小さいでしょう?“皆”の方が大きいわけじゃないですか?でも個の方が精神的自由なスペースがすっげぇ広い…」 ― 自由度が高いと。
酒井「そうそう。それが“皆”になったとたん、一畳一間くらいしか身動き出来ないみたいな。なるよな?」 玉木「そんな感じよね。気分的にはね。」 ― 畳の上からはみ出せねェ、、みたいな?
酒井「そうなんですよ。」 玉木「これ出ちゃダメなん?なんでなん?あかんの??みたいな。がんじがらめになってって。エッ?ここから出たらアカンと言われたら新しい発想なんか出るわけない…って感じになってくるんやな?」 酒井「そうそう。」 玉木「でもウチらの間でやっとそんな現実に気付けて、あ、そうじゃないやん、ウチら愉しみたかっただけやし、お金なんかどうでもエエし、皆んなごめんなさい、万が一失敗してここがなくなったとしても、ハイ解散!でいいやん、みたいな感じの気持ちになれたの!」 ― 背負ってた重荷から解き放たれたと。
玉木「それはかつて私が初めて力織機を入れる前に思ったことと一緒で。力織機を買うにはお金がかかる、でもお金はない。頑張って借りてでも、買うことにした。これがもし失敗したとしても、命を取られるようなことはないだろう、一か八かやってみればいいじゃんと。それと同じように、今スタッフが100人いるとしても、“今”というこの時間を一緒に愉しむ仲間なんだから、私が皆んなを縛り付けておかなきゃいけないわけでもなければ、本人たちも一生ずっとここにいなきゃいけないわけでもない。明日の心配よりかは、今愉しむことに集中しようぜ、と思えるようになって、ニュートラルに、むっちゃ“陽”になってんな?」 酒井「そうそう。」 玉木「それでタマゴを食べたわけ。…ヴィーガンを宣言したからには、tamaki niimeを代表する立場で止めちゃいけないみたいな。納得して止めるにしろ、そこには理由が要るからとか色々考えてたんやな?」 酒井「考えてたな。」 ― でもそもそもは“実験”として始めたわけでしょう?
玉木「そう…でもね、タマゴは良かったんだけど、その後に食べた食事は、地獄のように身体がシンドくなった。だからそれはやっぱり…キレイになってたんだなと思う。」 ― チカラ弱くはなってたけど、身体がキレイにもなってたと。
玉木「そう、だからなんでも良いわけじゃない。3年前の、元の自分に戻したら、多分私は死んでしまう…(笑)。」 ― そうなると、食べものの選択って生き方の選択みたいに…
玉木「なる!だからジビエが良いなと思うし、元気に育ったエネルギーをいただくってゆうのは植物であれ動物であれ、いっしょだと。」 ― 例えば仙人のように暮らすのならヴィーガンが良いということなのかもしれませんね。
玉木「自分自身を高めて悟りを開いて、神のような存在に近づけてゆくというなら、ヴィーガンがベストだと思う。」 ― なるほど。
玉木「ただ、私がやりたいのはそこじゃなくて、商売をしていくのが自分の生きる糧だし、愉しみだし、それで皆んなを元気にしたいと思っているんだったら、やっぱりいただくものはいただいて、活力ある生き方をしないと、パワーが私から無くなったら誰もついてきてくれないでしょう?」 ― そうですね。
酒井「だから今までは自分が燃えてる炎だとして、皆んなにも火をつけなければいけない、だったんですけど、実は全然違うんですよ。」 ― …と言うと?
酒井「自分が燃えてれば、周りも勝手に燃えるんですよ。」 ― 自然発火するみたいな(笑)。
玉木「ボゥッて広がるねん(笑)。そのパワーが足りんかってんな?」 ― なるほどね。
玉木「だから気にせんことにしてん。余計な心配ばかりして…」 ― 火ィつけたろ、とか思わなくていい、と。
玉木「余計な策略とかいらんねん、ほっといたらエエねん、と思って。“放置”が一番やんな?」 酒井「いい。」 玉木「自分らが勝手に愉しんでやって、オモシロイ仕事が来たらポンポン振って、あとは自分らで考えろってするのがベストやねんな。」 ― そうすれば自然と、やろうとなると。
玉木「そうね。そこでついて来れる人はついて来るし、ダメな人は出て行くだろうし。そこをこっちが精査する必要もなくて。自ずとそうなるから…。」 酒井「だから結論言うと、“個”と“皆”といっても、結局は“個”なんですよね。」 玉木「そうなの。」 ― 深いですね。
玉木「私が、でいいねんな。」 酒井「そう!」 ― 私が×100人、という感じ。
酒井酒井「そうですそうです。それが結論やったよな、結局。」 玉木「でもそのスイッチ入ったとたんに…ヤバイ、すごいオモシロイ人たちいっぱい、次から次へとやって来るよね。」 酒井「来るなぁ。」 玉木「今まで一年間色んな情報集めて勉強してたでしょ?その中で何とかカタチにしていきたいことがいくつかあるんですけど、具体的な方法がわからなかったり、どうやって行くのか決まってなかったりする中で、それをやってくれそうな人がポンポンポンポン現れるの。」 ― やっぱり考える時間というのは芽が出るまでの期間という感じで意味があったわけですね。
玉木「結果、良かったと思いますよ。これまでは学ぶ時間で、2020年はこれを行動に移す年なんだ、って感じやな?」 ― それって必然性ある流れですよね。
玉木「昔ね私、呼ばれて西脇の商店街で講演会をしたことがあるの。その時に話したことをふと思い出して。「西脇はもったいない」と。こんなに宝物が眠ってるのに、皆んな西脇なんか播州織なんか、とか、いいとこないとか、マイナスのことばっかり口にするのは間違ってるって。」 ― 素晴らしいですね。
玉木「皆んなが西脇は良い・播州織は良いという言葉を、ひとことふたことでも言い続ければ、この市は絶対良くなるって講演をしてるの、私。」 ― なかなか地元の人間が気付かない・言えないことですよね。
玉木「その時は私はよそから来たばかりだから、全然それを堂々と言えてたの。なのに、ここ最近私けっこうマイナス思考になってて。力織機を入れて自分でやろうと決めてやってきたにも関わらず、この街だって播州織だってどうせ良くなるわけないとか。で、市としてはどう考えてるんですか?市長さん何とかしてくれるんですか?とか。“してもらう”ってスタンスになってたの。でも、かつて講演した時の私は、誰かにしてもらおうじゃなくて、自分が変えてやろうと思ってたの。」 ― はい。
玉木「だから、西脇市を元気にするのは市長じゃなく私だ!と思って。」 ― …。
玉木「だから私が出来る、元気になる、だってこれ愉しいもん、と思うことを、もうオニのようにやれば良いだけやと思った。」 ― …。
玉木「と思ったら、ドンドン来るんですよ、オモシロイ人が。」 酒井「西脇に限らずどこでも、ポジティブなところにはポジティブなチカラが集まるし、ネガティブなところにはネガティブなものがってゆう基本原理は一緒やから。」 玉木「うん。」 ― なるほど。
酒井「なんせ皆んな元気になろう、と。発言にしても、おはよう!とか、あいさつひとつにしても、こんにちは!でも良いし、当たり前のことですかね。それが出来れば、何かしら変わるし、良くなっていく気がするよね。なのに段々段々アタマで考え過ぎて、システマチックってゆうか、論理的になり過ぎると、物事ってもうネガティブな方向に行くと僕は思ってて。そこを咀嚼してポコッとシンプルなものにした方が物事はポジティブに捉えやすいよな。」 玉木「単純な方が良いってこと?」 酒井「単純な方が絶対いい。」 玉木「確かに。私なんか根は単純やからな。」 酒井「ポジティブイコール、単純やもん。ネガティブイコール、複雑やからさ。思考が交錯してるから。」 玉木「じゃ、シンプルでエエねんな。」 酒井「シンプルでいい。だから“シンプル・イズ・ベスト”ですよ、今日の答えは。」 ― ですね。
玉木「だから2020年変わりますよ、tamaki niime!ねッ? 実感としてすでに変わってるけど。」 酒井「変わるというか、今までの自分であり続ければいいんやからさ、別に変わるも何も、変わらない自分で貫き通す!」 ― なるほど。
酒井「それを忘れかけてたところがあるから。」 玉木「そこに戻るねんな。」 酒井「原点回帰。シンプル・イズ・ベスト。」 玉木「そうゆう意味では、ふと、たまたま久しぶりに行ったあの喫茶店での話からこういう展開になったのも偶然から来る必然というか。まぁ、何も考えなくていいってことや。」 ― なるようになってると。
玉木「そうゆうこと!」 ― (笑)。
玉木「なるようになっていて、この1年間は私たちの勉強期間で、地に足をつけて考えてみたら上手いこといくかもしれないと色々考えてみたけど、やっぱり考えるよりはまずやってみようってことだな、というんで着地してんな?」 酒井「うん。」 ― 2020年のtamaki niimeが楽しみです。
玉木「取材これでいいの?」 ― 良いけど…「めでたま」の話が…
玉木「めでたま」の話全然言ってない!“事件”は現場で…何だっけ?」 酒井「会議室じゃなくて…」 玉木「“事件”は現場で起きている!…これ私たちが考えたんじゃなくてスタッフが考え出したんだけど。」 ― 良いですねぇ。
玉木「まさにそうだなって思ってね。」 ― はい。
玉木「だからtamaki niimeってオモロイことしてるって私は自負してるし、ただそれをちゃんと届けられているかって言うと、なかなか日本人の特性なのか堂々と胸を張って伝えられてないところもあって、拡散出来ていないところを、こういうイベントの機会に、ウチらがどうこだわってるのか、ウチの何がオモロイのかってゆうのを、それぞれの部署の人たちが、しっかりと伝える場としては、このやり方が一番面白いんじゃないかなと思って。」 ― まさに現場に入ってもらって、現場で…
玉木「事件が起きてるから…」 ― 目撃してね、と。
玉木「うん、見て見て。」 酒井「事件ってやっぱりさ、昨日でも明日でもないでしょう? “今”じゃないですか。」 ― そうですね、just now。まさに今、ですね。
酒井「するとやっぱ、リアルやし。そこを感じてもらえたらいいかな?」 玉木「うん!」 ― まだ中身はどうなるか言えない感じですか?
玉木「どうなるか?全然わからない(笑)。」 ― でもそこがいいんじゃないですか?わからないというのがそれこそ“事件性”をはらんでますよね。
玉木「そう。もう、その日の、“現場”になってみないとわからない。」 酒井「事件は目撃してナンボやわ。情報だけじゃリアル感ないやん。」 玉木「そうだね!」 ― 自分たちもどうなるのか、全くわかんなくて愉しみなんですと(笑)。
玉木「そう。自分たちが精一杯愉しんでるから、絶対オモロイよね。」 ― フタ開けてみないとわからない。
玉木「もう来てもらって愉しんでもらうしかないよね?」 酒井「うん。」 玉木「だって私たちもわかんないもん。私たちですら“事件”はどこで起きるんだろうとワクワクしてるのに(笑)。」 ― 私たち知りません、みたいな(笑)。
玉木「けっこう準備からしてワクワクする、初めてだよね?もうタイトルとかも、DMの写真撮影にしても基本的にスタッフ主導でやってるけど、どんでん返ししておもんないとか言ってダメ出しもして(笑)。皆んなエーッ??、ってなって、グニョグニョになったけど何とか漕ぎ着けたという。でもやっぱりメンバーが変わってきて、思考できる人たちが増えてきたんやな?」 酒井「うん。」 玉木「だから面白くなってきた。“事件”は起きてるよ、いつも。」 ― “ダメ出し”自体が“事件”というか。面白いですね。期待してます。
玉木「2020年、tamaki niimeがどうなるか? 乞うご期待やね。」
書き人越川誠司
Happy new year!
The last part of the crossing into a new year talk 2020 was held with Tamaki and Sakai who set their sights on returning to their roots! At the end of the discussion, they’ll introduce the new year event “Medetama” which will be held from the 3rd to the 5th of January. Please enjoy their passionate discussion for this new year.
——Ummm.
——I see.
——We greatly admired Mr Sakai’s talent when he starts speaking seriously.
——You must be good at grabbing people’s hearts?
——Ummm. That’s right.
——The passion or energy you produce cannot be something in terms of money.
——You are conflicted with yourself, correct?
——You have been struggling?
——Ummm…I see.
——The level of individual freedom is immense.
——You want to shout out, “Please help me! I can’t get out of this tiny space!”
——You have finally allowed yourselves to alleviate this burden.
——Originally, you started being a vegan as an experiment?
——You didn’t have energy but your body became clean?
——You could say food choices are equal to living options.
——For example, if you want to live like a hermit, you could say, being a vegan might be the best choice.
——I see.
——You are absolutely right.
——What do you mean?
——They ignite spontaneously? (laugh)
——That makes sense.
——You mean, you don’t have to think of transferring your fire to others?
——Without your suggestions, they naturally try to create something.
——It’s deep, isn’t it?
——Individual x 100, right?
——After all, the time you took to ponder about it was meaningful for coming up with a way towards success.
——It is an inevitable flow.
——Your speech was impressive.
——Your comment must have been the thing that the local Nishiwaki people couldn’t say because they were too close to see.
——I see.
——….
——….
——I see.
——I agree with you.
——I see.
——Whatever will be will be.
——(laugh).
——I’m looking forward to seeing your development in tamaki niime 2020.
——I think we have…wait! We haven’t talked about “Medetama” yet.
——That sounds nice.
——I see.
——You let customers in the factory…
——You would like to let them watch.
——You are right. Things are happening right now.
——Can’t you tell us what the events are yet?
——Wouldn’t it be interesting? Incidents are the unexpected.
——You want to tell people you are amused, yourselves, because you don’t know what’s going to happen. (laugh)
——No one knows what will happen until it happens.
——Like… Sorry! We don’t know yet!
——‘A rejection’ is an ‘incident’. It sounds interesting. I can’t wait to see your event.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.