niime 百科
Encyclopedia of niime
「tamaki niime shima」始動! 玉木と酒井に訊く。
〈前編〉
“tamaki niime shima” has launched! Asking Tamaki and Sakai about their thoughts.
〈前編〉
2022 . 03 . 30
新店舗「tamaki niime shima」オープンから約1ヶ月。
西脇市の市役所やオリナスホールからも車で数分、幹線道路・国道175号線のロードサイドに出現した白い建物は、長年親しまれた喫茶店だった建物をリノベーションしたもの。
店内には、播州織の職人たちが技術と個性を競い合った数々の生地をはじめ、tamaki niimeお勧めの雑貨や食品がカジュアルに、かつスタイリッシュにディスプレイされている。
西脇・多可の豊かな風土と人の手で生み出された洗練された「おりもの・こもの・たべもの」が一堂に揃い、地域めぐりの起点、人と人の様々な出会いの場も企図した「shima」のあれこれについて、たっぷりと玉木と酒井に話を訊いてみた。
—— 今回「tamaki niime shima」オープンにあたって、私も本の棚の選書を担当させていただいた関係で、お店づくりの過程を観ることができたと言いますか。
玉木「うん、出来るまでをね。」
—— 建物が白く塗られた頃から開店までのメイキングを。それがすごく興味深くて。
酒井「建物の色を真っ白にしようと言ったのは僕ですね。これは先ほど玉木と話してたんですけど…玉木はまだロジカルに論理的に語れる人なんですけど、僕の場合、たぶんスーパー直感型やから、例えば、なぜこの場所を選ばれたんですか?と訊かれても、肌感でイイと思ったから、ビビッときたから、て。ボクらってけっこうそういうところがあって。」
—— ええ。
酒井「建物を白くした理由はなんですか?と訊かれても、いやだって、白がイイんやもん。白が一番映えるやん、と…」
玉木「(遮るように)いや、ちゃんと白だという理由があるんよ、いくつかは。そこを紐解いてあげないと。」
酒井「だから、どこの真似をしたかったわけでもなく、白にした理由は、今取り扱わせて頂いている色んな作品が絶対一番映えるから。」
—— はい。…ですよね。
玉木「あの空間自体もね。」
酒井「そう。ケンカせずに、それぞれの存在をちゃんと主張できるから。だから白にしたという理由はあるんですけど、ホント直感的に、白がイイと思ったという。」
玉木「確かに直感的やけど…(笑)。」
—— 結果、後付けということになるのかもしれませんけど、納品のたんびに中を拝見して、棚に色んなモノが増えていくごとに全体像が見えてきてお店が構築されている感じが…
玉木「愉しかった?」
—— 先ず、入って右奥の生地を置いたスペースを目にした時に、美しいなぁ…と思ったんですよ。窓にショールによるカーテンも掛けられて光を取り込んで、色分けされてきれいに並べられた生地が輝くように白い棚に映えて。一対になって柱に取り付けられた鏡も効果を生んでて。さすが!って思いました。
酒井「そこはこの社長ですよ。玉木新雌さんですよ。」
玉木「なんの話や(笑)。」
酒井「いやいや、そこのディレクションはさすがやなって思う。そう、なんか心地良いし、なんかストン、と腑に落ちるでしょう?」
—— そこはお客様も実感されてるのでは、と思うんですよ。
酒井「気を衒(てら)ったりせずに。ウチの白はあくまでも居心地の良さを追求した白なんですよ。」
—— ですよね。
酒井「そうなんです。そこは全然違うってゆうか。」
玉木「ま、体感してもらうのが一番良いんじゃない?」
酒井「そうそうそれそれ。だから、肌で体感してもらうしか…なんでも白に塗るからね、この人は。」
玉木「フフフ…。色って大事なんよ。」
—— ある意味、最初に建物が真っ白に塗られた段階ではちょっと奇抜な印象もあったと思うんですよ。もともとの喫茶店のイメージの残像があったから。そこを再構築して、喫茶店だったアットホームさはそのままに…
玉木「そうそう。うん。」
—— 「shima」の新店舗は、よりカジュアルな場としての空気感を打ち出しつつ、作品の魅せ方のクオリティは損なわず…気取らず美しい、というか。そこはtamaki niimeの作品やブランドのあり方に通底しているところでもあって。
酒井「もともとの色合いやカタチもよかったんですけど、喫茶店だったこともあって、“懐かしさ”が漂っていたんですね。」
—— なるほど。ノスタルジックな。
酒井「田舎らしい懐かしさはボクも玉木も好きなんやけども、そういう方向性ではなくて、例えば“新たな道の駅”というテーマとするなら、あえてニュートラルな状態にしたかったんですよ。」
—— まずはそれこそ真っ白な状態に、と。
玉木「自分たちの想うニュートラルやろ?」
酒井「自分たちの想うニュートラルな状態にしたくて。そういう意味で白にしたところもあったし、白って必ず床とか、人が歩くので汚れてゆくから。」
—— はい。
酒井「経年変化もするし。」
玉木「床にペンキこぼしたからな〜(悔)。」
—— あれってアートペインティングじゃなかったんですか?
玉木「もともとはペンキを夜中にこぼしちゃったのよ…私が!」
酒井「で、白ってそういうハプニングも、許されるから。」
—— 想定外も受け入れる、みたいな。
酒井「そう。白ってそれ自体がキャンバスやから。」
玉木「なにしてもいいよね。アートやね、まさに。」
酒井「皆さんが創られている作品を置くもよし、ペンキをこぼしたとしてもそれがアートになるし。すべてがなんかその…」
玉木「足跡もね。」
酒井「すべてが、ジーンズの経年変化のように美しく変化してゆくという意味で、白ってやっぱスゴイっすよね。」
玉木「そこを際立たせることで…」
酒井「そうそうそう。“軌跡”というか、履歴として残ってゆくというか。」
—— 今回、本の納品のたびに感じたのは、棚のアイテムが増えてゆく、そこには織りものもあり、食べものもあり、小もの・雑貨もあり、次第に全体像が見えて来て。でも、決してオープン時点で「完成形」ということではないと思うんですよね。
玉木&酒井「うん。」
—— これからまたどんどん変化してゆくにせよ、オープンに向けて色んなモノを受け入れつつ、だんだんと店の棚が構築されてゆくその感じが…あ、白って色の持つキャパってスゴイよな、と。
酒井「いやキャパすごいですよ、マジで。」
—— その意味でも白を活かしている。そこはすごく伝わって来ましたね。
玉木「もうだって、昔の駄菓子屋さんくらいゴチャゴチャさせたいもん。」
—— ああ〜…。だけど白なら…
玉木「許される。まだ行ける、ってねぇ?(笑)」
酒井「うん(笑)。」
—— 生地にしろ、雑貨にしろ、本のスペースもそうですけど、それぞれの小部屋みたいな雰囲気がまた良いですね。
玉木「それぞれの世界観があるよね。」
—— モノとゆっくりと対面できる感じ。
玉木「対ひとりでモノと向かいあえる。その“小部屋感”良いよね。」
酒井「うん。」
—— そこも狙いとしてあったのかなと思ってしまうんですけど。…意図的にですか?
玉木「結果的にやな?」
酒井「そうそうそう。そこが最初の直感的に、って話につながるんですけど、ボクらって最初に論理的に導き出してこうしようねじゃなくて、それを現場々々でその場その場でこうした方がいいかな〜って。」
—— フレキシブルに。
酒井「どうするかをその場で直感的に選んでゆくから。最初に図面を描いてこういう規格にしてああしてこうしてってゆうのはあんまり描くことってないんですよね。」
—— ええ。
酒井「どっちかってゆうと、リアルタイムに変化してゆくのが好きやから。」
—— 白く塗った建物にtamaki niimeのロゴを投影して描いた外観のデザインについてはどうだったんですか?
酒井「あれは玉木が考えたんやな?」
玉木「アイデアはね。外壁にアートをやりたいとは言って。どうゆう方向が良いだろうかって色々案は出したけど。デザインは完全に久保くんですよ。」
酒井「今までは、ほぼほぼ玉木とボクが決めたのをスタッフが指示を受けて進めるって感じやったのが、さっき玉木も言ったように、「shima」の場合はボクらもアイデアは出すけど、デザインは久保くんが考えるとか、ほんと皆んなで創って行ったよな。」
玉木「うん。どうなってゆくかは流動的な部分もあるし、オープンに向けた完璧なゴールを目指すよりは、過程が大事だと思ったから。皆んなでやる。」
—— ポン、と投げかけたことに対してすごく、こう…
玉木「勝手にそれぞれが。」
—— 臨機応変に反応してくれた、と。
酒井「そうそう。だからクリエイティブな部分についても今回スタッフがガッツリ絡んでるし。」
—— はい。
酒井「だからほんとに皆んなで創ったという。これからもたぶん皆んなで創ってゆくし。」
玉木「これから整えていかなきゃいけない仕組みとかも…もう、投げてる!」
酒井「うん。」
玉木「自分たちがやりやすいように。かつ、売り上げも取りつつ。」
—— とっかかりのヒントだけ投げ掛ければ、それに対して…
玉木「あとはやるしかないからね、皆んな(笑)。」
—— なるほど。
玉木「やっぱり0から1を創り上げる、“ゼロイチ”って大事だなって思って。町田店もそうだし、私たちふたりがブランドを立ち上げた時もそうだったけど、普段の時とスタート時って使うエネルギーが全然違うから。」
—— はい。
玉木「tamaki niimeでも何回かイベントをやって来てるじゃないですか。それって“ゼロイチ”のパワーが使われるから好きで。やっぱり人間として、考えて・行動して・失敗して・もう一回更新することの質は、イベントの開催時とかの方がキュッと上がるんですよね、経験値も。」
—— 「ハレ(非日常)」と「ケ(日常)」でいえば「ハレ」。
玉木「そうですそうです。そこが…コロナで全く無くなったでしょ?大きなイベントごととかが。」
—— “おまつりごと”とかが。
玉木「だから、そうゆう意味ではスタッフのクオリティを上げるための方法として“ゼロイチ”を自分たちがやる、ってゆう体験が大事だな、と。」
酒井「“ゼロイチ”はなんせ集中力要るしな。」
玉木「要るな。やっぱり期限が決まっている、通常よりも一度に色んなことを同時進行で考えていかなきゃいけないじゃないですか?そこがすごく…エネルギーも使うけれども、達成感もあるし、やり甲斐にもつながるから。スタッフを伸ばすためにもそこを体験させたい。」
酒井「でも、全然愉しかったと思いますよ。」
玉木「必死やったけどな…(笑)。」
酒井「必死やったけど、色んなスタッフがいて、玉木も含めて色んな人間がいて、色んな脳を使って“ゼロイチ”をこう、やり切ったというか。」
玉木「一番何が大変かって、私たちふたりは気心知れてるし、今まで何回もそんな機会は経験してきてるから、もう全然“ゼロイチ”も“平時”なんですよ。でも何も立ち上げた経験のないスタッフにしたら初めての“ハプニング”って感じだから。スケジュールが詰まってきた頃、必死だからシンドそうなんだけど、その状態がすごく…3ヶ月前くらいだと全然スイッチ入ってないわ、って感じだったけどね。」
—— でもオープン目前になって棚がグワワーッて出来上がってきてて。
玉木「その最後の追い込みのエネルギーが出て。」
—— 追い込み、すごかったですよね。
玉木「やっと本気でつながったなって。それまでは皆んな気を使いあってるし、まだまだ誰かやってくれるだろう的な感じだったけど。」
—— もうやるしかない、ってなる、その…
玉木「スイッチが、やっぱり。」
酒井「まさにそれ。」
—— 死に物狂い的な。
玉木「うん。そこがすごく…そのエネルギーが一番大事!」
酒井「こうして大きな組織になると、やるしかないって意識が薄れがちだと思うんですよね。」
—— どこか人任せ的な。
酒井「そう。でもそこをほんとの意味でのやるしかないって場面に関わることで…緊張感というか、全然違うよな?」
玉木「「shima」がスタートしてオープニングイベント5日間、やっぱりすごく良いテンションだったもんね、皆んなも。」
—— それぞれが、もうやるしかないモードに入って。
酒井「そう。」
玉木「入って。」
—— 今後さらにどんどんと品揃えも充実してゆくでしょうから「完成形」というのではなく、オープンの日をスタート時点として見た時に、「shima」の出来上がりの映像というのは玉木さんの中にあったわけでしょうか?
玉木「ん?…ないね。」
酒井「ないね。」
玉木「…あ、その、店舗の魅せ方とかイメージはある程度あったね、私の中で。たぶんね。全然口にしてはないけど(笑)。」
—— そこはスタッフとシンクロしたみたいな。
玉木「自分の中ではこんなイメージが良いなとは思ってるけど、そうして、と言うわけでもなく…なんだろう?」
—— そこは玉木さん個人のイメージとは異なる部分もあるけど、これも良いじゃない、とか、そういう感じでしょうか?
玉木「どうだろう?…イメージとは違いもあるし、思うようにはいかなかった部分を現場で“どないしょう?”と、私が修正していくこともあるけど、結果的に私がやるのが向いてないなってところは丸投げする。私、ショール飾るんヘタクソやごめん、ちょっと美緒さんやってって(笑)。」
—— ふうぅ〜ん…。
玉木「そしたらいい塩梅いい塩梅…ありがと!って感じになるとか。その、ざっくりと空気感はこんなにしたいというのはもちろんあるんですよ。それが、パーツパーツがチグハグな感じに並べられているとすごく違和感があるから気持ち悪く感じるんだけど、でもここの置き方はこうでなきゃ嫌って思ってるわけではない。」
—— はい。
玉木「だから総体として美しいかどうか?居心地がいいかどうか?がすごく大事で。」
—— そこさえ押さえておけばと。
玉木「パーツに問題がある場合は私もそこをさわるけど、なんか観て、良いんじゃない、それはそれでってなる時もあるし、私がやってみたけどあんまり位置的にお客様が手を伸ばしにくいのなら自由に動かしてって言ったら、行くたびに置き方を変えてくれてて、あ、確かにこの方がよくなったね、って日々思う。」
—— やっぱり、玉木さんのお店の見方というのは、最強のお客様目線だという。
玉木「そうそう(笑)。」
—— 最も要求の高いお客様ですね。
玉木「そうそう。ちょっとこここうした方がいいんじゃない??と言ったら直してくれたり。」
酒井「それは常にあるよな。クリエイティブの絶対的な価値観、基準みたいなのはお互いにあるよな。」
〈つづく〉
播州織産地の新たな可能性の芽を育む拠点「tamaki niime shima」には、ブランドの一環した哲学が、よりオープンなカタチで息づいていると感じる。
次回・後編では、「shima」という場が地域にそしてブランドそのものにもたらす、多様な“意味あい”について、玉木&酒井がさらに深掘りしていきます。どうぞお愉しみに!
書き人越川誠司
One month has passed since opening the new store, ‘tamaki niime shima’.
Just a few minutes from Nishiwaki City and Olinas Hall via car, a new white building appears along National Route 175. It is a renovated coffee shop that was a long time favorite.
They mainly display various fabrics in the store where Banshu-ori weavers compete for their skills and individualities. In addition, the goods and food items that tamaki niime recommends are displayed casually yet stylishly.
All the ‘gifts, accessories and foods’ are on display, produced by the people of Nishiwaki and Taka in their rich land. I asked Tamaki and Sakai about many things of ‘shima’ that they have plans to become a base in the region and a meeting place for people.
—— In the opening of ‘tamaki niime shima’, since I was involved in selecting books, I could see the process of preparing a store.
- Tamaki
- Yes, you could see it through.
—— I did see from the process of the building being painted to the opening of the store. It was fascinating.
- Sakai
- I was the one who first started saying that the building should be painted white. I just talked about it with Tamaki. She is the one who could explain it logically, but I am a super intuitive person. For example, if you ask me why I chose this place, I would say because I felt it’s good. We are like that.
—— I see.
- Sakai
- Why did I choose to paint the building white? I just thought, because I like it. White is the best, I would say.
- Tamaki
- (interrupting) There should be some reason you wanted to choose white. We have to analyze it.
- Sakai
- We choose white not to copy someone else, but white is the best colour to go with various products we have now.
—— I see. I understand.
- Tamaki
- It goes with all the space in the building.
- Sakai
- Yes. Without mixing up, each one could appeal to each existence. That is why I think we chose white, but we just felt that choosing white was the best.
- Tamaki
- Indeed. It was intuitive, though. (laugh)
—— You might have added some reasons afterwards, however, I see the view each time you put new items and more products on the shelves are added, I can see a whole picture and feel like completing a store…
- Tamaki
- Did you enjoy it?
—— First, I got the impression that it was beautiful when I went in and saw the fabrics section on the right-back, having curtains of shawls on the windows with sunshine, neatly displayed fabrics that are divided by different colours are shining on the white shelves. The mirrors as a pair on the poles are producing effects, too. I thought, “wow! They are great!”.
- Sakai
- That’s how the boss, Ms Niime Tamaki, did it.
- Tamaki
- What are you talking about? (laugh)
- Sakai
- Well, your direction is outstanding. Seriously, it is comfortable and persuasive.
—— I am sure customers feel the same way.
- Sakai
- Not trying to attract people’s attention; our colour, white, is the one that pursues comfort.
—— Indeed.
- Sakai
- Yes, that’s what it is.
- Tamaki
- Knowing it with your feeling should be the best way.
- Sakai
- That’s it! There’s no other way except knowing it through feeling. She paints everything white.
- Tamaki
- Hahaha. Colours are essential.
—— In a way, you may have gotten an outstanding impression when the building was painted white since it originally had the image of a coffee shop. Then you remodel it, keeping the at-home feeling that the coffee shop used to have.
- Tamaki
- Yeah, we did.
—— The new shop, ‘shima’, has a more casual atmosphere, but does not lose the quality of product attractiveness…they are relaxed and beautiful, being particular about the products, which is also the way of ‘tamaki niime’ is presented.
- Sakai
- The original colours and shape were perfect, and it also kept that nostalgic feeling of an old coffee shop.
—— I see. It is nostalgic.
- Sakai
- Tamaki and I like rustic, but that’s not what we want for this building. For example, if our theme is ‘new Roadside Station’, we want to make it a more neutral one.
—— So you started off painting it white.
- Tamaki
- A neutral feeling that is in our mind? Right?
- Sakai
- We wanted a neutral state from our mindset. That’s one of the reasons we painted it white. White certainly gets dirty on floors if people walk on it.
—— Yes.
- Sakai
- It will change over the years.
- Tamaki
- I spilled paints on the floor… (sorry)
—— It was not an art painting, was it?
- Tamaki
- Actually, that’s the one I spilled paint at midnight. I really did!
- Sakai
- So, white is okay in any event.
—— It could be acceptable when it comes to expectations.
- Sakai
- That’s right. Because white itself is a canvas.
- Tamaki
- It’s all right to do with anything. It is art, indeed!
- Sakai
- It is good to display your products, or even spilled paints can be art. Everything is…
- Tamaki
- Even footprints.
- Sakai
- Just like jeans change beautifully while time goes by, I really think white is great.
- Tamaki
- We make it a highlight.
- Sakai
- That’s right. We make ‘traces’ to leave our history.
—— Every time I delivered the books, I could gradually see a whole picture while increasing more items on the shelves, such as books, food, accessories, and miscellaneous things. But that is not ‘complete’ when the store opens.
- Tamaki & Sakai
- Yeah.
—— As you go changing in the future, you accept many things for opening stores, and you see gradually your bookshelves made up…you feel amazed at the capability of white.
- Sakai
- That’s true. White has excellent power. Really!
—— You really make the white work. I really understand now.
- Tamaki
- Because I really want to make things jumble up like an old mom-and-pop candy shop.
—— Yeah…, white can be…
- Tamaki
- It can be possible to add more and more with white, right? (laugh)
- Sakai
- Yeah. (laugh)
—— It is terrific that it gives you an impression like small cozy rooms of fabrics, miscellaneous things, or book sections.
- Tamaki
- Each has its world.
—— It gives you a feeling that you can talk with them comfortably.
- Tamaki
- We could face items comfortably. I like the feeling of small cozy rooms.
- Sakai
- Yeah.
—— That was one of the aims?
- Tamaki
- It just ended up that way as a consequence, I guess.
- Sakai
- That’s right. It connects with the first conversation that we chose it intuitively. Our way is not logical to bring it to a decision. We just come to pick what we believe to be the best case by case.
—— You are flexible.
- Sakai
- We intuitively know what to do in situations. We don’t make plans first…and not really to decide to do this and that.
—— I see.
- Sakai
- We prefer to make changes in that moment.
- Sakai
- How did you decide on the exterior design with the ‘tamaki niime’ logo projected and drawn on the building wall?
- Sakai
- That was Tamaki’s idea, right?
- Tamaki
- I just gave them an idea that I wanted to have artwork on the wall outside. I shared some guidelines and thoughts, and Mr Kubo did the design that completed the concept. That’s for sure.
- Sakai
- Tamaki and I had been deciding most things, and the staff worked with our directions so far in the past. However, as Tamaki mentioned in the case of ‘Shima’, we gave them ideas, and Mr Kubo did the design, so everyone created together.
- Tamaki
- Yeah, it is unsettled to see the progress because there are many elements to happen, but I think all the works for processes are more important than works aiming for a perfect goal for opening. That’s why everyone got involved in doing it.
—— To the assignments to be given, they responded…
- Tamaki
- Everyone worked on it.
—— They responded flexibly.
- Sakai
- That’s right. That’s why our staff got involved with creative works this time.
—— I see.
- Sakai
- We have really created together this time and will probably continue doing it.
- Tamaki
- I already throw them a way of organizing systems we have to put into order!
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- I hope they would have a comfortable way to handle and even get some profit.
—— You give them hints to get started and…
- Tamaki
- All they have to do is doing it! Right, everyone? (laugh)
—— I see.
- Tamaki
- I think the ‘zero-one’ concept, I mean a start from scratch, is essential. During both times opening the Machida store and launching our brand by Sakai and me, the energy levels we used were completely different from those in our regular times.
—— I see.
- Tamaki
- ‘tamaki niime’ has been having events many times. I like to have events because we have a chance to use our ‘zero-one’ power. Our human quality of thinking, acting, failing-trying-again-power gets higher in the opening events and improves our experiences.
—— ‘the unusual’ has more power than ‘the usual’.
- Tamaki
- That’s right. However, we haven’t had significant events because of the Pandemic.
—— Such as fun events like festivals.
- Tamaki
- So, that means, we need to do such experiences of ‘zero-one’ to improve our quality.
- Sakai
- ‘Zero-one’ experiences need a lot of energy for concentration.
- Tamaki
- Indeed. Because we have deadlines. We have to do and think to multitask, where we use a lot more energy than usual, but they give us a sense of accomplishment and motivation. That’s why we want our staff to have those experiences to improve them.
- Sakai
- But, overall, I think they enjoyed it a lot.
- Tamaki
- Even though they worked it in a cold sweat… (laugh).
- Sakai
- They worked, but they completed the work from ‘zero-one’ with the use of various minds, including Tamaki and other staff.
- Tamaki
- Sakai and I have known each other well and gone through such experiences many times, so ‘zero-one’ working is ordinary for us. For our staff, however, who never experienced starting-up-a-business, it was the very first hard challenge. When our schedule got tight, they looked painful…which was much different from 3 months ago when they looked not switched on.
—— Right close to the opening day, we completed the shelves.
- Tamaki
- They were energized at the final push.
—— Their final push was amazing.
- Tamaki
- I had a feeling that we were truly connected. Until that time, they were careful with each other and depended on someone to do their jobs.
—— They concluded that there were no other choices except they had to do it, which was…
- Tamaki
- They switched on.
- Sakai
- Exactly.
—— They were desperate.
- Tamaki
- Yeah. That energy is the most essential!
- Sakai
- When you belong to a big organization, you don’t have much choice but to do it.
—— You are more likely to depend on someone.
- Sakai
- That’s right. But, when you get involved with the situations, you have to do it with true meaning. So you would have a feeling of tension. That makes you act very differently, right?
- Tamaki
- Since the five days of an opening event at ‘shima’ started, everyone was tense.
—— Each one had the feeling of “I have to do it.”
- Sakai
- Yes.
- Tamaki
- They did.
—— In the future, you will have more products, so the opening is not ‘complete’. When you see the store as a starting point, do you already have an image of a complete picture of ‘shima’ for you, Ms Tamaki?
- Tamaki
- Well? No.
- Sakai
- Me, either.
- Tamaki
- …Well, I had some image of how to show the store’s attractiveness in myself, probably. I didn’t say it, though. (laugh)
—— That was like teamwork with your staff.
- Tamaki
- I had an image that I like to have but didn’t ask them to do it…what was it?
—— Even though there is a different image that Ms Tamaki has, it would be good. Is that what you feel? Correct?
- Tamaki
- What did I feel? I sometimes fix some parts with different images and need some corrections, or I sometimes end up asking someone to do something that I am not very good at for my job. Like, I ask Mio saying, “Will you do this? I am not very good at decorating shawls.” (laugh)
—— Hmm.
- Tamaki
- Then, it goes well. I am thankful for that! There are vague images I want to have. If each piece displays unmatched, I feel uncomfortable with them, but I am not inflexible that everything has to be set in particular ways.
—— I see.
- Tamaki
- So it’s imperative to keep beauty overall, or you feel comfortable being there.
—— As long as you keep such points, it would be good.
- Tamaki
- If there are some problems in some parts, I fix them, but I sometimes don’t make any changes because of feeling all right with them. If I set up but the customers have a hard time reaching products afterwards, I ask the staff to place them in better ways. Then I found them replaced every time I saw them. I think daily that they look much better after they changed them.
—— I think Ms Tamaki is concerned more about customers in running stores, focusing on how they feel.
- Tamaki
- You are right. (laugh)
—— You are the most demanding customer of all.
- Tamaki
- Yes, I am. If I suggest better ways, they fix them.
- Sakai
- It always happens. Each one believes own values and standards in our creativity.
〈 continued 〉
In ‘tamaki niime shima’, a base for developing new potential in the Banshu-ori district, I feel their brand has a consistent philosophy with a free and open mind.
For the following interview, part 2, I will ask Tamaki and Sakai about more meanings that ‘shima’ brings to the district and brand. Please look forward to it.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.