niime 百科
Encyclopedia of niime
広報・藤本隆太が語る、
生地屋とTOKYO MACHIDA
Ryuta Fujimoto in Public Relations talks about the 'Fabric Store' and TOKYO MACHIDA.
生地屋とTOKYO MACHIDA
2021 . 08 . 16
今回の「niime百科」はtamaki niimeのモノづくりの心臓部=「織り」の現場でキャリアを積み、広報を担当する藤本隆太にインタビュー。
東京・町田の新店舗オープンに合わせて内覧会から1週間売り場に立ち西脇へと戻ってきた彼が、大きな新展開を魅せるtamaki niimeの現在地を澱みなく丁寧に語ってくれた。
取材に訪れたtabe room。藤本の傍、テーブルの上に並べられているのは真新しい生地とウェアのサンプル。播州織産地の織物職人たちが腕を競った個性溢れる布の数々は「tamaki niime TOKYO MACHIDA」で一般販売されているモノ。
機屋自慢のスキルとアイデアを盛り込んだ、これまでの作品とはひと味テイストが異なる生地の表情と質感が新鮮だ。
藤本「まずは玉木と石塚と僕の3人で「生地屋」のプロジェクトがスタートして、僕が窓口を担当してるんですけども。」
― はい。
藤本「そもそも、なんで「生地屋」を始めようとなったのか?と言いますと、播州織職人の西角博文さんにお話を訊く機会があって、その時に「tamaki niimeに求めること」を尋ねたら、「生地を売ってほしい。」と仰ったんです。玉木もまたその要望を知って。」
― それがひとつのきっかけとなって。
藤本「玉木は今、ウチの会社の外で西脇市や多可町という播州織の産地に対して何かできないだろうか?ということをすごく考えていて。生地の話もそうで、もともとウチは西角さん以外の播州織の職人さんたちとの交流自体が少なかったというのもあって。」
― 「織り」をはじめ自社のLab内でモノづくりが完結できる体制だというのもありますし。
藤本「それが今、色んな地元の機屋さんたちとのつながりが出来つつある中で、生地を販売することによって新たな提案が出来るんじゃないかと。あとは…播州織の産地自体がやっぱり縮小しつつあるじゃないですか?」
― ええ、そうですね…。
藤本「間違いなくこれから機屋さんの数はもっと少なくなると言われている中で、若い職人さんたち、今回この「生地屋」で一緒にやらせて頂いている大城戸織布さん、「Banshu-ori Next Japan(※)」の橋本裕司織布さんやコンドウファクトリーさんら、ウチのスタッフとも年代の近い方たちが頑張っていて、彼らと一緒にこの産地を盛り上げていきたいと取り組んでいるところなんです。」
※播州織の伝統を受け継ぐ多可町の若手織物職人6名で構成されるグループ。それぞれ独自の高い織りの技術を持ち、生地や製品の開発において切磋琢磨している、播州織の次代を担う仲間たち。
藤本「今回その3社にお願いして生地を開発していただき「生地屋」をスタートしています。先行で、町田にある「tamaki niime TOKYO MACHIDA」でウチの生地と一緒に販売してるんですよ。」
― まずは東京で。
藤本「全種類持って行って、実際に僕も内覧会から1週間売り場に立って、地元の町田の方とか都内〜関東圏の方々にウチの作品だけでなくしっかりと生地も観ていただいて、購入にもつながったというのがあって。」
― 購入は一般のお客様が?
藤本「はい。パワーのある生地なのは間違いないので、こちらでしっかりと説明することが出来れば。」
藤本と話すテーブル横に並んだ生地とウェアのサンプルに目を向ける。勧められて手に取って広げ、質感や手触りを確かめる。サンプルにはメンズのコートやジャケット、ワンピース…。
藤本「色々と取り組み始めていて、ウチの縫製チームが生地を縫ってサンプルを上げてくれてます。tamaki niimeの定番作品のカタチに機屋さんたちの生地を落とし込んでいるんです。ゆくゆくは生地の販売だけではなくて、ウェアとしての提案も必須だと思っているので。」
― 機屋さんの生地を使ったウェアについては現在試作中ということなんですね。
藤本「そうです。今回町田の直営店の売り場に立って感じたのは、生地を縫えるお客様というのは今はまだ限定的なんですよ。縫製が出来るので生地を買いたいという方はまだ少なくて、どちらかというと、縫えないけどこの生地面白い、なので買います!と。それは僕が1週間売り場で色んな方たちとお話しした中で、ほとんどの方がそうだったんです。」
― 生地自体の魅力を感じてくださっていると。
藤本「生地のチカラはすごく感じて頂いていて、でもこれどうやって使ったら良いの?というところから僕が説明してゆく流れになるんです。なので、生地で販売するっていうのはすごく面白い取り組みでありつつ、扱い方がわからないという方もいらっしゃるので、作品にも落とし込んで、両方提案出来るようにするのは重要なのかなと。」
― 具体的に作品に仕上がったカタチも観ていただくと。
藤本「それと、tamaki niimeの生地で創った作品と機屋さんの生地で創った作品、同じカタチのモノだとしても、着心地だとか風合いは全然違ってくるので、そういうところも感じてもらえる取り組みのひとつになるのかなと思います。」
― 生地をわかりやすく比べて愉しめそうですね。
藤本「あと、機屋さんの名前を生地の下げ札に印字してるんですよ。連絡先の電話番号や住所も明記したものを付けて販売してるんです。やっぱり単に生地を購入するだけではなくて、誰から買っているのかをわかるようにしたいなと考えているんです。」
― はい。
藤本「僕らが「生地屋」をやることで、機屋さんの情報もしっかり発信して、生地が面白いだけじゃなくて、面白い人たちが織っている。そんな面白い人たちが西脇や多可というところにいるんだよ、っていうのを発信したいんですよね。町田というところを兵庫県、播州織を発信するひとつの拠点として捉えて生地を置く。生地づくりのストーリーを一緒に東京まで持って行くことが出来れば、あとは回り始めれば、ウチを飛び越えて直接機屋さんに連絡が入るとかいうこともあり得ると思っていて。」
― そこは直のやりとりに発展してもらえればということなんですね。
藤本「はい。当初からそういう取り組みでやっていこうと考えています。逆に言うと、そのためには僕らがもっと頑張って発信をしていかないといけない。生地や生地を活かした作品の販売を回転させて行くことでどんどんと新しい企画を創っていかないと、というのがあるので、まずは3社の方たちとの取り組みでどう出来るのかを見ながら、今後また4社、5社…と機屋さんとの取り組みを増やしていこうと考えてます。」
― 「NEXT」のメンバーなど、それぞれに異なる技術や個性を持った生地づくりで面白くなって行きそうですね。
藤本「すごく僕らが持っていない技術を持っていて、また従来の播州織の職人さんっていうイメージとは違ったアプローチをされている方たちで、生地を自分たちでデザインするというのがひとつポイントになっているというか。」
― ええ。
藤本「やっぱりそれは何か、若い世代のこのままではいけないという危機感みたいなものも同時に感じつつ、そういう中で一緒にやってゆく取り組みというのは今後必須になってゆくと思うんですよ。この企画によって僕たちも機屋さんたちとつながって行きたいし、連携しながら新しい生地づくりをして、この産地に興味を持つ人を増やして行きたい。そこはすごく考えています。」
― 産地全体として。
藤本「あと社内的には、風合いの違う生地で特徴のあるモノがすごく上がって来るので、ウチのデザイナーがすごく喜んでいます。これで何を創ろうか?っていう意見交換をすごくしてくれてて、今回のサンプルなんかも、スカートに良いねとかこれだったらトップスだね、とかバァーッと話が盛り上がっていて。」
― すごい刺激があるというか。
藤本「そうですね。それによって同時にウチの生地の良さもわかるっていうか。機屋さんの生地の面白さと比較して、ウチの面白さってなんだろう?という。」
― なるほど。
藤本「お客様にしても、いま町田ではウチのテキスタイルにプラスそれ以外に機屋さんによる別注の生地も売っていて、それがミックスされてどちらも面白いねとなってゆく流れがしっかりと出来てくれば、僕らもこの産地で仕事を回せるというか。」
― う〜ん…。
藤本「逆に仕事を回せないとこの仕事をやってる意味がないので、ちゃんとビジネスとしても成立させて。僕らとしても、社内でもすごく刺激になるようにしたいというのがひとつ、ありますね。」
― お話を訊いて、「生地屋」という新たな事業、素晴らしい取り組みの全体像が見えてきました。藤本さんが出張して来て生地の販売もされた町田のお店の様子についてもお聞きしたいのですが。
藤本「町田店の建物は30年くらい前に建ってるんですけど、やはり印象的な建築なので、電車の窓から見てましたとか、通勤でそばを通ってたとか待ち合わせ場所に使ってたとか…地元の方たちにとっては特殊な場所なんですよね。」
― なるほど、そうなんですね。
藤本「オープンして3・4日間売り場に立ってて、地元の方のご来店がすごく多いんですよ。一度中に入ってみたかったというので、内部を見学してもらっててお話をして、こちらはどんな会社なんですか?あ、洋服やってるんですね、というところからtamaki niimeを知っていただくという流れになっています。すでにウチをご存知の関東圏の顧客様には作品をお買い求めに来ていただいているんですが、ほとんどは地元の方で、建物の中を見たくて子どもたちと一緒に来ましたであるとか、そんなお客様がすごく多かったですね。」
― 初めてで建物への関心が先行のお客様の反応はいかがでしたか?
藤本「僕がいた数日間は1時間の入場制限をかけていたので、試着の時間もなかなか取れない状態ではあったんですけど、今日は帰るけどまた来ます、というお声が多くて、その後実際にリピーターの方もけっこう来られているようなので、tamaki niimeというブランドの雰囲気を知ってもらって、それはすごくポジティヴな印象になっていると思うんですよ。」
― なるほど。
藤本「ほとんどの方はtamaki niimeを知らない新規のお客様なんですが、その中でもウチの魅せ方、ディスプレイだったりカラーリングだったり、印象には残っているのではと思います。」
― イシヅカマコトさんによる「tamaki niime TOKYO MACHIDA」の動画がYouTubeに上げられてるのを拝見したんですが、柔らかな曲線によるフォルムの、白い室内になされたディスプレイがとても印象的でした。あのカラフルな作品たちが吊るされている…
藤本「鹿の角ですね。」
― それによってtamaki niime独特の軽やかな浮遊感も表現されてるようで、素晴らしいなと思いました。“洞窟”という玉木さんの言葉もありましたけど、そんな空間の中で一点モノの作品と向き合い、対話が出来るというか。そんな雰囲気が動画からはすごく感じ取れて。
藤本「なんであの鹿の角なのか?ってゆうと、僕の個人的な解釈なんですけど、やっぱり、地元産の資材ですよね。多可町で鹿肉を使った事業の副産物としての角が今回ディスプレイのために使われているっていうのは、僕らが町田でやりたいことのひとつは、西脇だったり多可町だったり兵庫県のことを伝えるとか、播州織の地元のストーリーを伝えるっていう…」
― …地元の人間としてとてもありがたいです。
藤本「やっぱり、地元のストーリーを語らないといけないと思うんですよ。ディスプレイにしても、「生地屋」にしても、自分たちだけの空間ではないな、というのはすごく感じていて、あえて玉木がそうしてるんだと思うんです。」
― はい。
藤本「普通のディスプレイだったら多分あの空間に負けると思うんです。そもそもがすごい特徴的なデザインの建物なので。それが地下まであって、それだけでもうお腹いっぱいっていうか。」
― ええ、ええ。
藤本「その建築に対して、どうウチの作品を馴染ませていくか?それにはストーリー立てて繋げていくってことがひとつ大事なのかなと。玉木本人もあの空間の中にこちらの産地のイメージをしっかりと発信していきたいと言ってましたし、その空気感がストーリーとして伝わってゆく素材じゃないと、というのがあったのではと思いますね。」
― 地方の物産コーナー的な賑わいのアプローチではなくて、極限にシンプルなディスプレイで鹿の角を“フック”として作品があるという、すでにそこに物語がはらまれていると感じます。なんというか、押し付けがましくなくて、手に取る人が、そこからストーリーを紐解いてゆく。その傍らに案内人のようにスタッフの方が寄り添っていらっしゃるというか。そんな観る者の好奇心を掻き立てる、シンプルなアプローチを動画と藤本さんのお話から感じました。
藤本「中の空間自体はほとんど手を加えてないんですよ。生地屋の生地の部屋なんてもともと寝室で、据え付けのベッドがあって、その上に生地を並べているんです。空間自体を壊さずに、どうやってディスプレイを馴染ませるか?そこを玉木本人はすごく考えていて、東京まで車で何度も往復してディレクションをして。オープニングの直前までディスプレイの変更とかあってどんどん変化して、おそらく想い描いていたところにかなり近づいてフィニッシュしたのではと思います。」
― 「tamaki niime TOKYO MACHIDA」を訪れるのがとても愉しみですね。
次回も引き続き藤本隆太登場。「織り」の現場でtamaki niimeのモノづくりを肌身で感受・体得し、広報の立場から俯瞰の視点でブランドを観る彼との対話を通して、tamaki niimeの現在地と本質にさらに迫ります!
書き人越川誠司
I interviewed Ryuta Fujimoto, who has built his career on weaving, which is the core of ‘tamaki niime’s’ creation, and he is also in charge of public relations.
He returned to Nishiwaki after working on the sales floor for a week to preview the opening of the brand new store, Tokyo Machida and spoke to us thoughtfully about the current movement of new ‘tamaki niime’s’ development.
I visited the tabe room for an interview. Beside Fujimoto were samples of new fabrics and clothing, displayed on the table. Many unique materials are made by skilful weavers and are sold at ‘tamaki niime’ TOKYO MACHIDA.
With their skills and ideas, fabrics look fresh because of the look and feel are different from other previous products.
- Fujimoto
- Ms Tamaki, Ishizuka, and I started the Fabric Store project initially, and I am in charge of it.
—— I see.
- Fujimoto
- I will tell you why we started the fabric store. I had an opportunity to ask Mr Hirofumi Nishikaku, a Banshu-ori artisan, if he wanted us to do something. He answered, “I want you to sell fabrics,” and Ms Tamaki considered his request.
—— That’s one of the reasons you started.
- Fujimoto
- Ms Tamaki has been thinking a lot if we could do something for the Banshu-ori areas outside our company, like Nishiwaki and Taka. She also considered fabrics. We haven’t had much communication with Banshu-ori artisans other than Mr Nishikaku.
—— Because you have a complete system to manufacture in your own factory. Weaving is part of it.
- Fujimoto
- But now we are connecting with local weavers, and share new ideas to sell fabrics. I am concerned that the scale of Banshu-ori is being reduced.
—— Yes, I am, too.
- Fujimoto
- Although it is undoubtedly assumed the numbers of weavers would decrease in the future, young weavers from Ookido Shokufu, who work with our Fabric Store, Yuji Hashimoto Shokufu from *Banshu-ori Next Japan, and the staff of Kondo Factory are working with our young team to make this product region more exciting.
*It consists of 6 young weavers who take over traditional Banshu-ori in Taka. Each of them has unique high-level weaving skills and works hard to develop fabrics and products. They are Banshu-ori next-generation weavers.
- Fujimoto
- This time, we asked the three companies to develop fabrics and have started the Fabric Store. In advance, we are selling them with our product materials at ‘tamaki niime TOKYO MACHIDA’.
—— You started in Tokyo.
- Fujimoto
- We brought all kinds of fabrics to Tokyo, and I worked on the preview for a week. We had customers from Machida, Tokyo and Kanto to see not only our products but also fabrics, and they could be sold.
—— The public bought them?
- Fujimoto
- Yes, they did. The fabrics indeed had some power. I hope we can explain it well.
I looked at the fabrics and clothing displayed by the table where I was talking with Fujimoto. He asked me to take them in my hands, spreading them to ensure quality and feel. There are men’s coats and jackets, and dresses…
- Fujimoto
- We are starting to work on various things. Our sewing team made the samples of the fabrics. They are sewing to make our original clothing with the fabrics from weaving companies. In the future, we want to sell them, not just to sell the materials.
—— Currently, you are still on the trial stage to make clothing with others fabrics, right?
- Fujimoto
- Yes, that’s right. The impression I had while I worked at the Tokyo Machida Store is that there are still limited people who can sew fabrics to make clothing. I found out that not many people want to buy fabric because they don’t know how to sew. Instead, they would rather buy them because fabric attracts them. The majority of customers I talked to when I worked for a week are like that.
—— They felt how attractive those fabrics were.
- Fujimoto
- They fall in love with those fabrics, but don’t know how to make them. So my job is to start explaining it. That’s why it’s exciting to sell fabrics ourselves. On the other hand, many customers don’t know how to handle them. So we need to suggest both.
—— You show them finished samples of the fabrics.
- Fujimoto
- The same clothing with ‘tamaki niime’ fabrics and the other weavers have different feels and textures, although they have the same shapes. One of our aims is to get people to understand those differences.
—— That sounds fun to be able to compare fabrics so easily.
- Fujimoto
- We put the weaver’s names, phone numbers, and addresses on the fabric product tags. Not only getting fabrics, but we also want to make it clear for customers to know whom they buy from.
—— I see.
- Fujimoto
- As we sell fabric, we want to give information about the weavers to customers because we want to tell people that those fabrics are not just attractive, but they are made by engaging individuals who live in Nishiwaki and Taka. We make Machida as a source for gathering information on Banshu-ori from Hyogo prefecture. If we could also bring fabric concepts together in Tokyo, all the data would start going around, and that would make it possible for weavers to get called directly from customers, skipping over our connections.
—— So that’s where you are hoping that they develop into direct access.
- Fujimoto
- Yes, we want to start working to make it happen from the beginning. Putting it another way, we have to work harder and send more information. We need to create new projects by rotating sales of fabrics and products with those fabrics. As we see how the works with three companies go, we will decide to increase to 3, 4, or 5 more weaver companies to work with.
—— It appears interesting that you work with the members of NEXT, or people with unique skills and personalities.
- Fujimoto
- They have skills we don’t and have different ways than weavers in the past. One of the characteristics is that they design fabrics themselves.
—— I see.
- Fujimoto
- I think that they feel repeating the same things as the current generation is risky, and I think we need to work together from now on. With this project, we want to connect with weavers, make new projects together, and increase interest in this region. That’s how I often think.
—— That’s what you wish for the whole region.
- Fujimoto
- As we can develop different textured fabrics in our company, our designers are excited about that. They have been exchanging their opinions on what they should make, like “this would be good for a skirt, or that would be for a top?”.
—— It really excites them.
- Fujimoto
- Yes, it is. At the same time, we also understand the quality of our products. That makes us think what’s our fabric’s attractiveness compared to the others.
—— I see.
- Fujimoto
- At the Machida store, we sell our fabrics and the weaver’s that was special ordered. We can do business well in this region by creating a steady flow of customers who find both materials interesting.
—— Hmm.
- Fujimoto
- If we cannot create a steady flow of customers, there’s no meaning to this business. We want to do this successfully. As one of our desires, we want to motivate the company.
—— As I listened to you speak, I came to understand the whole picture of your incredible work for the new fabric store project. I would also like to hear about the Machida store that you went to sell the fabrics.
- Fujimoto
- That Machida building was built 30 years ago. It’s an imposing structure, it is so special for the locals that they have been watching from the train windows; they see it when they pass by going to work or using it as a meeting place.
—— Oh, I see.
- Fujimoto
- After opening, I worked there for 3 or 4 days and found that many locals visited the store. I gave store tours to customers who wished to see inside once, and they asked me what kind of company we are. I answered we sell clothes and educate them about ‘tamaki niime’. The customers who already knew us in Kanto came to buy our products, but most were locals, who wished to see inside with their children.
—— How were customers’ responses who came to the store because of their curiosity about the building?
- Fujimoto
- During the few days I worked there, we limited customers to one hour inside. Many could not have enough time to try on clothes in that situation, but they said they would come back again. After that, I heard many customers were returning to the store. I think many people got to know the ‘tamaki niime’ brand and had a good impression.
—— I see.
- Fujimoto
- Many people were brand new customers who didn’t know ‘tamaki niime’, but we left a good impression with our attractive displays and colouring.
—— I watched the ‘tamaki niime TOKYO MACHIDA’ by Makoto Ishizuka on YouTube. It was impressive to see the displays on the soft curved shape in the white room where those colourful items are hanging on the …
- Fujimoto
- The deer antlers?
—— I thought it was so wonderful that Ms Tamaki expressed the feeling of unique light floating by it. As she said, it was like ‘the cave’; we could face one-item products in such space, making conversations about them. I could feel such messages from YouTube.
- Fujimoto
- Why do we use those deer antlers? Because they are a local product, which is my only explanation. The deer antlers are the local sub-products out of main deer meat in Taka, and we use them as our displays. One of the things we want to do in Machida is explain Nishiwaki and Taka in Hyogo or tell stories of the history of Banshu-ori.
—— As a resident, I appreciate that.
- Fujimoto
- I think we need to tell our local history. I feel that the space of displays or selling fabrics is not only ours, which I believe Ms Tamaki dares to do.
—— I see.
- Fujimoto
- Regular displays wouldn’t be any better because the building design is so unique. We feel overwhelmed just by seeing the building, and the basement.
—— I agree.
- Fujimoto
- How do we let our products blend into the building? To do that, it may be essential that we need to link them together in the story. Ms Tamaki also says she wants to display images of our local place in the atmosphere of the building. So she may think that we should use our regional materials in the construction to create an atmosphere.
—— It is not the way of hectic local product store sections. There are straightforward displays that products are hooked in the deer antlers, that we feel there is a history to suggest. I don’t know how to explain, but it was not aggressive, but the people who see the products in their hands begin to read into a story. And next to customers, the staff feel closer to them as their guides. So from YouTube and Mr Fujimoto’s explanation, I thought they had such a simple way of making people interested in seeing the products.
- Fujimoto
- The space inside is almost unchanged. The room we placed the fabrics in was originally a bedroom, with a bed installed, and we have just placed fabrics on the bed. Without destroying the image of space, how can we blend our products? That’s what Tamaki put a lot of thought into, essentially. She made many trips to Tokyo to make decisions. We changed the displays until right before the opening day. I believe it was done as close as she envisioned.
—— I am looking forward to visiting ‘tamaki niime TOKYO MACHIDA’.
Ryuta Fujimoto will continue the next time. He has experience and studied the manufacturing process of weaving in tamaki niime. We will get a closer look at ‘tamaki niime’s’ current state and search for their essence through a conversation with Mr Fujimoto, who has a bird’s eye view of the brand from his public relations standpoint.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.