niime 百科
Encyclopedia of niime
縫製チーム・鹿嶽が考える、飽きないモノづくりの理由。
Sewing Team member, Katake, explains why she is insatiable for creativity.
2021 . 11 . 20
「織りチーム」や「編みチーム」が創意を凝らした一点モノの素材を作品へと仕上げる役割を担う「縫製チーム」。社員スタッフ5名にパート・スタッフ6名の体制は、tamaki niimeの各チームの中でも一番の大所帯だ。
その「縫製チーム」で最も長いキャリアを持ち、冷静沈着な視点でその時々のチームの状況を的確に捉える鹿嶽(かたけ)陽子。ブランドへの深い想いがこもった、彼女の言葉の端々から、「縫製チーム」ならではのモノづくりの実際を知り、tamaki niimeのエッセンスを汲み取ってみたい。
鹿嶽「最近になってチーム内をふたつに分けたんですよ。デニムを自社で沢山縫うので「デニムチーム」というのを設けて、リーダーの川畑さんが管理して。私はカットソーを担当しています。」
― 役割分担ですね。
鹿嶽「近ごろこのチームについて色々と考える機会が多いんですけど、もともとここは社員スタッフとパートさんが半々くらいで、働き方とか価値観が異なる人がいっぱいいるから、いま会社はこうなんだよ、というところをその都度伝えていかないと意思疎通が難しい面があったんです。」
― はい。
鹿嶽「前回の「縫製チーム」の取材の時もお話ししたように、けっこう個性の強い人が多いから、それをまとめるっていうのがまず大変なんですね。逆に言えばだからこそ、昔からチームワークとかお互い助け合うってことを自然とやっていたというか。」
― そうなんですね。
鹿嶽「そこに川畑さんが入ってきてリーダーになってくれて、たぶん、色々と大変、ということを身をもって感じて、最近になってチームとして話し合いの場を持つようになってから、すごく皆んな自分の問題として自主的にすべて受け止めるようになって、それが行動になって現れてるのかな、って私は思いますけど。」
― やはり鹿嶽さん分析家ですね(笑)。
鹿嶽「(笑)。パートさんも年齢の高い方から子育て中のお母さんまでいて、働きたい時間帯も違うし…なんですけど、ここへ来て「縫製チーム」で働いていると、やりたいことそのものは皆んな同じなんですね。縫って良いモノを仕上げて、出来上がったモノに対して満足感を得る、というか。」
― なるほど。
鹿嶽「だから、仕上がりに関して「責任」があるってことにも皆んなが気づき始めて。自ら進んで取り組むように意識が変わってきたから。新しい小物のアイテムを創りたいっていうような提案も、パートさんからのアイデアなんです。」
― ただ決められた仕事をこなす、ということではなくて。
鹿嶽「それはやっぱり、ここにはアイデアをカタチにできる場があるから。それをどんどん活用しようと思う、そこがスゴイ変化で。」
― う〜ん…。なるほど。
鹿嶽「もともと私はパートの頃から、そういうモノづくりに関わりたいからここへ来てるから、何か思いついたらどんどん出してゆくっていうのは当たり前だと思ってたのが、そうじゃなくて時間で働きに来ているという感覚の人もいたわけですけど、今は積極的にというか、そんな空気が現れて。」
― はい。
鹿嶽「パートさんがそうだから、社員の意識も上がって、良い感じで引っ張り合う関係で。相乗効果っていうか。誰かがやりたいって言ったことに対して、じゃあどうすれば出来るか?を考えるようになって。やっぱり時間内で出来るようにしたいねってなるじゃないですか?」
― ええ。
鹿嶽「じゃあ、この今やってる作業を早く終わらせて、空いた時間を活用してその人が取り組めるように他のスタッフも協力するというような。当たり前のことなんですけど、これまでなかなか余裕がなくて出来てなかったことが、最近出来るようになってきたのかなと思います。」
― 鹿嶽さんのお話を聞いて、縫製・縫うことの総体的なクオリティが上がったのと、新しいアイデアの提案にも皆さん積極的になってる、そして作業効率も上がっているという…
鹿嶽「そうですね。」
― 良いことづくめみたいな。
鹿嶽「慣れてきたってゆうのもあるかもしれないけど、なんて言うんだろう、想っていることをもっとこう、声に出してやった方がいいってことに皆んな気づいたんですかね(笑)。」
「縫製チーム」で作品が完成した後、最終的な検品と仕上げには全スタッフが関わるのがtamaki niime流とのこと。一点モノの作品を一点ずつ撮影してゆく「とるチーム」とも連携しながらお客様目線で細やかなチェックがなされる。鹿嶽によれば、そこには一点モノならではの判断基準の難しさもあるのだそう。
鹿嶽「わかりやすく言うと、デニムのステッチひとつとってみても、「編みチーム」の山下さんのデザインって、なんか“ヘタウマな”ステッチって自分で言うんですよ(笑)。だからちょっと難しいじゃないですか。」
― その微妙なニュアンス、わかる気がします。
鹿嶽「機械で作られたみたいな真っ直ぐなステッチじゃなくていい、みたいなところもあるんですよね。だから、そこの基準は自分たちでつくっていて。」
― ふむふむ。
鹿嶽「社長がよく言うんですけど、自分がお客様だったら、どう思うか?という視点でまず観てほしいと。あと自分が縫製を担うプロの職人として、どう判断するのか?とか、数値にはしにくい基準ですけど。そこはひとつひとつ話し合って決めてゆくところはあります。」
― すべてが一点モノの、tamaki niimeならではの基準の設け方ですね。
鹿嶽「そうですね。そこが他のアパレルとは大きく違う点というか。」
― 一点一点観ながら判断するほかない部分もあると。
鹿嶽「そうですね、あります。だから「お直し」も私が主に担当してるんですけど、綺麗に直せることもあるし、一点モノなのでモノによっては元通りには直せなくても、着れるようにしてほしいというご要望もあって。だからマニュアル的な基準をつくれなくて。お一人お一人からちゃんとお聞きした上でやらないとご希望のようにはならないし。」
「お直し」のビフォー&アフターの写真を見せてもらう。必要な修復の程度にもよるが、どのように直すか、お客様には複数の提案をしながら相談させていただくとのこと。
鹿嶽「この時は裂けたパーツを全部取り替えてほしいって言われたんですけど、でも…おんなじ布がないんですよ。」
― 当然、一点モノですからないわけですよね。そこをどう対処されてるのか?
鹿嶽「それで棚の在庫からすっごい探して(笑)。グレーの落ち着いた布だったところに紺系の布を探してきて充ててみたんです。よく観ると全然違うんですけどね。」
― 本当ですね。でもパッと観て全然違和感なくて。素敵ですね。
作品はすべて一点モノゆえに、大きく破れたような場合の「お直し」に充てる全く同じ生地のストックはない場合がほとんどだが、不思議と別の生地であっても上手くフィットしてくれるのだという。
鹿嶽「そこがtamaki niimeの布のスゴイところなんですよ。(写真を観ながら)こんな風に出来ちゃう。パンツ地で選んで、ちょっと見た目はわからないけれど、実は色もトーンも全然違う。縦糸は黒だから同じなんですけど。」
― この場合は布選びから何から鹿嶽さんにお任せということなんですね。
鹿嶽「そうです。お任せで良いですか?とお聞きして。」
― ご要望を聞いた上で。技術が上がることによって、縫製で出来ることもどんどん増えてゆくわけですね。
鹿嶽「私は以前の勤め先がお直し屋さんで、でもこういうレベルの「お直し」はやってなくて、いつかやりたいなと、もっと経験がある人の仕事を観てたんです。」
― 目で観て盗んで。
鹿嶽「教えてはくれないから。で、実際にここに入って、出来る?って訊かれて、出来るかわからないけれどやってみるというところから始めたので。この布にならどんな風に直すのが良いかなって自分で考えて、やり方を編み出したってゆうか(笑)、そうしてやってるんですけど。一点モノなので、モノによってその都度判断しなきゃいけないから、他の会社のお洋服とかとはまた違うとは思うんです。」
― 同じ生地のストックがあって元のカタチを忠実に再現するというのとはまた違いますよね。
鹿嶽「ウチの「縫製チーム」のスタッフってほとんど経験者っていないんですよ。宮崎さんくらいかな?私も服一着縫う仕事をしていたわけではないですし。ここに入って教えてもらって自分でも色々勉強して。」
― 「織り」にしろ、未経験から始めているスタッフの方がほとんどですよね。
鹿嶽「今度は自分が教える立場になると、やっぱり学びたい意欲がないと上達しないから。その辺すごく考えたりしますね。それがさっきも言ったように、自分から色々とアイデア出したりとか、やろう、って気になってくれた人が増えてきてとてもありがたいし、嬉しいですけど。」
― 「お直し」についても、すごく創造的というか、「クリエーション」を感じます。何か見本があるわけではないですものね。一点モノの修復ということで逆に自由な発想で直せるみたいな。
鹿嶽「そうですね。宮崎さんの「お直し」もすごく面白いんですよ。破れてたか穴が空いてたのを模様にしてステッチをかけて馴染ませてゆくというお直しをしてて(笑)。わぁスゴイって思って。」
― 直す部分を逆手にとって活かすと。
鹿嶽「流石って思って。もちろん、そんな風に直して良いかをお客様に確認しての上ですけど。だから、確かに一点モノだっていうのは、「お直し」においても創造性を発揮する意味で大きいかも。」
― 「縫製チーム」の意識が変わったきっかけとか、他にもありますか?
鹿嶽「去年、マスクをたくさん創って販売出来たことで新しいお客様が増えて、コロナ禍の中ではあったけれども、良い循環が生まれた。「縫製チーム」は最終的なモノづくりの場なので、自分たちで考えないと誰も考えてくれないですよね。皆んなそこに気づいたんじゃないですかね。」
― なるほど。
鹿嶽「宮崎さんなんかはもともと仕事としてやってきてたけど、普段ミシンとか使っている自分たちで何か創ってみて、これがいい、ってモノを出したら、お客様にも買い求めてもらえて歓んでいただけるというシンプルなことだと思うんです。こんなん出来るんちゃう?とか、この布こうすればどう?とかの発想が出やすい環境なんだというか。」
― 実際に面白いモノを産み出す現場だというか。その場でアイデアをカタチに出来て、オンラインですぐ反応が返ってくるし、やり甲斐というか、やってみよう!という“冒険心”を出しやすいというか。
鹿嶽「そうですね。でも無茶苦茶ハードルは高いんですよ。そのアイデアが日の目を見るまでには。何回もここが駄目とかそれはちょっと違うとか、しょっちゅうなんですけど。」
― それは社長チェックとか。
鹿嶽「とか、ショップのスタッフとか、色んな人の意見を聴くから、そこを突き抜けるモノって限られてはきますね。皆んながいいって言ったモノが良いとは限らないわけですけど、特にウチの場合って、コアなお客様って多いじゃないですか?」
― ええ。
鹿嶽「世の中の人がいいって言わないモノをいいって言ってくださるお客様もいらっしゃるので。」
― 山下さんからも同じようなことを聞きました。
鹿嶽「必ずしも皆んながいいって言ったモノが売れるというわけでもないんですけど、少なくとも小物とかは日常使いするモノだからやっぱりハードルが高い。」
縫製を手掛けている生地についても聞いてみた。「染め」「織り」「編み」、あらゆる工程で日々新たなモノづくりを試行しつつ素材の質を追求しているLabで、「縫製チーム」が扱う生地には、他所にはない独特の“クセ”があると鹿嶽は言う。
鹿嶽「tamaki niimeの生地ってすごく縫いにくいんですよ。柔らか過ぎて(笑)。」
― それはショールに限らず?
鹿嶽「そうですね。薄くて柔らかい。だから慣れないうちはなかなか思うように出来ないというか。例えば一般的な播州織のメンズシャツの生地だと、もちろん縫うのは難しいんですけど、ミシン運びはしやすいんですよね。でもウチの布は独特の“クセ”があるってゆうか。それはたぶん、わざと糸に撚りをかけてないからだと思うんですけど。慣れないと変なシワが付いちゃったり、加減が難しくて。ウチの生地はひとつひとつ独自の“クセ”があって、他所の生地とは全然違う。」
― そんな扱いの大変さがあるわけですね。
鹿嶽「それをもっと技術を上げていって、縫える範囲を広げて、未経験からスタートした人でも高い技術を持つ職人的なレベルで出来るように、っていうのが目標なんですけど。ひとりひとりがもっと実力を上げて行きたいなっていうのをこの間チームで話し合ってました。」
― 新しいアイテム的なモノや作品開発についてはどうですか?デニムのスカートとかありますよね。
鹿嶽「宮崎さんのデザインによる、デニムのカッコイイフレアスカートですね。これまでスカートの作品ってあまりなかったんですけど、これは裾がとっても広がって、普通の一般的なデニムでなら、すごい重たい感じになっちゃうんですけど、ウチのデニムは柔らかくて軽いので生地の分量が多くてもキレイに見えるのではと。やっぱり生地を触ると、宮崎さんは色々と想いつくので。」
― オモシロイ生地に触れた瞬間、閃くと。
鹿嶽「私たちもデニムの柔らかさを活かして可愛く出来るんじゃないかと、ちっちゃいたまふくろうのバッグを創っていて。それは「縫製チーム」の遊びゴコロってゆうか、一人一人がそれぞれの生地を観ながらその色とかに合う面白いステッチのカタチを考えて、一個ずつ全部違うように縫い込んでいるんです。」
― へぇ〜!!面白そうですね。
鹿嶽「名前は「たまふくろう 帳」というんですけど、袋の全面をキャンバスに見立てて、ラクガキするみたいな、そうゆうコンセプトで。で、“帳”はラクガキ帳の“帳”なんですよ。皆んなでアイデア出し合って。だから隣の人がどんなステッチしてるのか気になって見たらわぁ、すごい!ってゆう(笑)。それが面白くて。」
― (Online Shopの「たまふくろう 帳」の画像を眺めつつ)確かに色んな“ラクガキ”が面白いですね…。
鹿嶽「なんか最近よく思うんですけど、ショールでもなんでも、縫ってる時間があって、そこにステッチする時間があって…時間を刻み込んでいるみたいな。その刻んだ時間が残って、それが作品になって、さらにお客様のところに行って、そこでもお客様との時間が刻まれて。…すごく良い仕事だな、と思います。」
遊びゴコロのあるステッチは自由なモノづくりの痕跡。モノづくりの軌跡が刻まれる。
鹿嶽「実用的なデザインにしてるんですけど、遊びゴコロのある部分も欲しいよね、という。」
― そこはそれぞれ自由にラクガキする感じなんですか?
鹿嶽「人によって、いいっていう線も違うし、インスピレーションも違うから。それをそのまま作品に落とし込めばオモシロイねって。宮崎さんの発案だったと思うんですけど。」
― 最後の段階でステッチでラクガキするわけでしょ?
鹿嶽「だから失敗したら台無しになるから、チョー緊張するんですけど。」
― ですよね。自由と言いつつも(笑)。でも、“えいっ!”ってやっちゃうところがないと、ってゆうのもあるだろうし。
鹿嶽「そうですね。デニムもニットもそうなんですけど…“えいっ!”ってゆうところ、ありますね。その時々の気持ちがやっぱり作品に入る。」
― はい。
鹿嶽「なんか…tamaki niimeならではじゃないですか。」
― そこで、一点モノの作品に生きてる感じが現れるというか。生命を吹き込むみたいな。
鹿嶽「だからこそ愛着が湧きやすいから、破れたりだとか、そういうことがあっても、直して使いたいってゆう声が多いのかなって思います。なんかもったいないですもんね、そこで無くなっちゃったら。」
― もったいないですし、ゴミにならないように使って行って欲しいっていうのは玉木さんの想い・皆さんの想いとしてあるでしょうし。「お直し」についても、作品が新しくまた生まれ変わるような、そんな印象を受けました。そこにもtamaki niimeの独自の色・姿勢が現れているんだなと。だから今のお話で、すべてまるっと繋がってよかったです。
鹿嶽「東京の町田店に一週間出向いて接客したんですけど、オモシロイ作品一点一点それぞれに意味があるってことを伝えられる機会がある・場所があるのがいい。私たちが当たり前にやってることは当たり前じゃないというのが愉しいから、大変な時もあるけど、縫製してて飽きないです。ウチの作品て、おんなじカタチで創ってても、毎シーズン生地も違うから本当飽きない。お客様も同じカタチのパンツでもまた違う素材ので替えられて。安心感もあるのではと。」
― 一点モノである時点で、飽きることが出来ないですよね。
鹿嶽「ショールも飽きないし服も飽きないけど…何が一体飽きさせないのかな?って考えたら…」
― そこはすごく深い、核心的なテーマですね。
鹿嶽「だからずっとやり続けられる、というところがありますね。作業自体は縫製って淡々としたものがありますけど、tamaki niimeのモノづくりが、本質的に飽きないようになってるから。」
― パターン化しないわけですね。自然とそうなので無理がないでしょうし。「染め」から「織り」から「編み」から、それぞれに色んな試みがあって、それを掛け合わせると可能性は無限で。」
鹿嶽「ほんと無限です。」
書き人越川誠司
The sewing team’s role is to make the final product using one-item materials that the weave and knit teams ingeniously created. The group consists of five full-time and six part-time staff, the largest of the ‘tamaki niime’ teams.
Yoko Katake has the longest career amongst the sewing team. She could get right to the point of each situation with a calm and collected perspective. Her words convey a deep passion for the brand, and I would like to know what about the sewing teams manufacturing process was so unique and explains the essence of ‘tamaki niime’.
- Katake
- Recently, we have divided our team into two groups. We made a ‘denim team’ since we sew a lot of denim in the company. The leader, Ms Kawabata, is taking charge while I oversee knit material tops.
—— You divide the roles.
- Katake
- I have been thinking about this a lot. We have half of the full-time employees and a half of part-time workers whose work styles and ways of thinking are all different, so I need to explain the company’s situation every time. Otherwise, it’s hard to communicate.
—— I see.
- Katake
- As I told you in the last interview, we have staff with strong personalities, so it’s not easy to bring them together. In other words, that’s why we have been naturally working on teamwork and helping each other.
—— I see.
- Katake
- And then Ms Kawabata came in and became a leader, and we truly felt we had many problems. We recently had discussions as a team. I think they came to understand and take action.
—— I knew Ms Katake was an analyst. (laugh)
- Katake
- (laugh) We have a range of part-time workers. From older people to working moms who want to work at a different time of day, but as they come to work here on the sewing team, their desires are the same: to make good products and be satisfied with what they make.
—— I see.
- Katake
- That’s why they became aware of their responsibility for the final product, and they are changing their mindset by making an effort on their initiatives. Making new accessories came from one of the part-time workers.
—— Not just doing given tasks.
- Katake
- It’s because we have a place to make ideas into reality, and they want to take advantage of that, which caused a significant change.
—— Hmmm. I see.
- Katake
- When I started working here as a part-timer, I wanted to get involved with such things. I took for granted getting my ideas and making them. On the other hand, many workers just work some hours to get money. However, now, they work on their initiatives, that’s the atmosphere here.
—— I see.
- Katake
- Part-time workers’ spirits influence the other staff’s awareness, creating good relationships that pull from both sides, bringing a synergistic effect. When someone says something that they want to do, they start thinking of how to do it, and then they naturally want to finish up within certain limits, right?
—— Yes.
- Katake
- So we try to finish the work early that we are doing and use the spare time to help staff who want to work with a new project. It’s not surprising, and we can do the work that we couldn’t do before because we couldn’t afford it.
—— Listening to what Ms Katake said, your whole sewing quality has improved, and everyone has become more active in proposing new ideas, and your works became more effective.
- Katake
- I think so.
—— It looks like everything goes well.
- Katake
- Maybe because we are getting used to what we do, and I think we are aware that it’s better to speak up and take action. (laugh)
After completing the products, the final inspection and finishing touches were completed by everyone, which is the way of ‘tamaki niime’. Working with the ‘Toru Team’ that takes pictures of each one-item product, the inspection is done in detail from the customer’s perspective. But, according to Ms Katake, it isn’t easy to make judgments because of the uniqueness of one-item products.
- Katake
- Simply put, the denim stitches are one example. Mr Yamashita of the knitting team calls his design ‘poor good’ designs. (laugh) So it’s hard to judge.
—— I kind of understand what you mean.
- Katake
- He values that it’s all right that the stitches aren’t straight like machine-made. So we could decide the style by ourselves.
—— I see, I see.
- Katake
- Our boss often says she wants you to think from customers’ perspectives and make judgments as a professional worker. It is hard to express judgement in numbers. We need to discuss each case and decide on it.
—— It’s the way of setting values in the uniqueness of ‘tamaki niime’, one-item products.
- Katake
- You are right. That’s a different point from other apparel products.
There is no other way. However, sometimes you need to judge one by one.
- Katake
- Right. We sometimes do. I am in charge of ‘repairing’, which is sometimes well done nicely, but the customers understand it’s difficult to fix because of one-item products, but they request to restore them to be able to wear even though it’s not like the original. That’s why I can’t make standard manuals. I can’t fix them as they desire until I listen to what they want.
She showed me the pictures of the before-and-after. Then, depending on how much repairs they need, she discusses with them, suggesting some options.
- Katake
- One time, I was asked to repair all the ripped parts, but we didn’t have the same materials.
—— I understand you don’t have them because of the one-item product. How do you cope with that?
- Katake
- So we looked on the shelves in the stocks. (laugh) After searching, we put navy blue cloth instead of the original material was a calm grey one. If you look at it well, they are very different.
—— Really, they are. But it doesn’t look feeling out of place at all at a glance. It looks nice.
Because all products are one-item, there are no exact matches in stock for repairing large ripped parts in most cases, but they could mysteriously fit well with other materials.
- Katake
- That’s the greatness of ‘tamaki niime’ cloth. (Looking at pictures), it gets done well like this. Picking up from pants materials, you can’t tell the difference at a glance, but colours and tones are all different. The vertical threads are black, which is the same.
—— In this case, Ms Katake decides everything from materials and the rest, right?
- Katake
- Yes, I ask them if it’s ok to have me do everything.
—— You do it through consultation. Improving your skills extends what you can do with sewing.
- Katake
- I used to work at a repair shop, but I didn’t do this type of work and was hoping to do this someday while watching experienced workers results.
Watching and learning their skills.
- Katake
- Because they didn’t teach me. After I started working here, they asked me if I could do it, and I started trying to do it even though I didn’t know if I could do it or not. Wondering how to fix it with certain clothes, I invented the way. (laugh) Because of the uniqueness, I have to think about it every time. I guess it’s all different from other companies clothing.
—— This is different from fixing them with original materials in the stock.
- Katake
- There are no experienced workers in our sewing team staff. Maybe Ms Miyazaki is the only one. Even me, my job wasn’t to sew a piece of clothing. So after I started working here, I was taught and studied a lot by myself.
—— Even the weaving, most staff started working with no experience.
- Katake
- And then, when teaching, I found out that you won’t improve yourself if you aren’t passionate about learning. I think about that a lot. However, as I told you previously, I am glad and thankful that we have increased our inspired staff and motivate themselves.
—— I feel ‘repairing’ is creation. It is creative because there are no samples for it. It’s a restoration for one-item products that you could repair with your free inspiration.
- Katake
- That’s right. Ms Miyazaki’s repairing is also very interesting. She makes designs with stitches with holes or tears to fit in well. (laugh) I think it’s great.
—— She conversely makes use of the torn parts.
- Katake
- I think she is even a genius. We certainly make sure that customers are all right with fixing their clothes like this. So I guess one-item products weigh a lot to express creativity in repairing.
—— Do you have any other opportunities to make changes to the sewing team’s motivation?
- Katake
- Last year we made many masks and sold them, which helped us increase customers. Even we were in the pandemic, we made good circulation. The sewing team is the final stop to finish up the products. No other team can replace us to think about the final products. I think we became aware of that.
—— I see.
- Katake
- Ms Miyazaki was originally sewing as a job. As we use sewing machines regularly, we try to make something pleasing to customers. It’s just a simple idea created for customers who may be happy to have them. Our workplace may be a more accessible environment for concepts like “we may be able to make this” or “how about using this cloth? “
—— It is a place for producing exciting products. They could make ideas, create tangible objects there, and get quick responses from the online store. So it’s easier to motivate and try more challenges for further adventures.
- Katake
- I think so, but it’s tough to make our ideas come true. We are denied often, or it’s not right, which happens all the time.
—— Ms Tamaki checks on you?
- Katake
- Yes, and the shop staff and others’ opinions to listen. The products that pass through everyone’s view are minimal. However, it’s not true that everyone agrees on what they like. Specifically, within our customers, there are many enthusiasts.
—— I see.
- Katake
- We have customers who like the things that many others don’t like.
—— Mr Yamashita told me the same thing.
- Katake
- It’s not always true that the products they all like will sell well. But small accessories used daily are high hurdles to pass through a small number of people’s preferences.
I also asked about materials they are sewing. At the factory where all the dyeing, weaving and knitting processes are completed, the pursuit of material quality is maintained during experimentation daily. Ms Katake mentioned unique characteristics in the materials’ the sewing team is taking care of.
- Katake
- The ‘tamaki niime’ fabrics are tough to sew. They are too soft. (laugh)
—— They are not just for the shawls?
- Katake
- No, not just shawls. They are thin and soft. You can’t sew well until you get used to them. For example, the general fabrics for Banshu ori men’s shirts are indeed hard to sew, but the movement of sewing machines is easy with them. But our fabrics have their own unique peculiarities. It’s probably because they are intentionally not putting twists on. If you are not used to handling them, you wrinkle them. It’s hard to work with them. Our fabrics have unique peculiarities, totally different from other companies’.
—— I didn’t know there were many difficulties in handling.
- Katake
- My goal is to improve our skills to sew more variety parts and make even those who start with no experience become a highly-skilled artisans. We have just discussed that each one wants to improve skills in the team.
—— How about getting new items or developing products? I believe you have denim skirts.
- Katake
- You are talking about neat denim flair skirts designed by Ms Miyazaki, right? We haven’t had many skirt products until now though, this skirt hem is spreading out, which makes it very heavy for the regular denim materials, but our denim is soft and light, making it possible to look nice even though it uses much fabric. Ms Miyazaki gets inspired to have ideas when she touches the fabric.
—— The moment she touches attractive fabrics, she gets inspired.
- Katake
- Taking advantage of the softness of our denim, we try to make cute products, and we are making small Tamafukuroo bags. That is our sewing team’s playfulness. First, they look at each fabric and find interesting shape stitches with colours. Then, we sew each with different stitches.
—— Wow! That looks fun.
- Katake
- The product’s naming is ‘Tamafukuroo-Cho’. Its concept is that the bag’s surface is the canvas, and we draw graffiti on it. “Cho” means the notebook for graffiti. We exchanged these ideas for it. It’s so much fun to see what kind of stitches a person next to you are making, and we find it surprising, “wow!” (laugh)
—— (watching the video of ‘Tamafukuroo-Cho’ on online shop), it’s so much fun to see various graffiti.
- Katake
- I have been thinking a lot recently that we spend time sewing shawls or other things, and there’s some time to make stitches, which looks like ticking time. The extra time spent becomes the products that go to the customers. And after that, the customers spend time with the product. I feel this is a beautiful job.
—— The playful stitches are evidence of free creations. Traces of creativity are engraved.
- Katake
- The bag’s design is practical, but we wanted to apply playfulness.
—— So everyone is free to stitch themselves?
- Katake
- Our preference and inspiration are all different in each person. It would be interesting to put all ideas into the products. I think that’s Ms Miyazaki’s idea.
—— You make graffiti with stitches at the last step?
- Katake
- So if I fail, I would ruin the product. I get so nervous about doing it.
—— I’m sure you do, even though it’s all free to do it. (laugh) But it would be best if you had the guts to do it, now or never.
- Katake
- That’s right. With denim or knits, we do it right away! As we know, our feeling is put into the products at each moment.
—— I see.
- Katake
- It’s all for the uniqueness of ‘tamaki niime’.
—— That’s where one-item products are alive, or you put life into them.
- Katake
- That’s why we get so attached to them, and many customers want to fix and keep them even after products are torn or damaged. It is too wasteful to lose them when they get damaged.
—— It is too wasteful. Ms Tamaki and staff want them to be used, avoiding becoming trash. I had an impression about repairing that the products are all renewed. I think there are ‘tamaki niime’s unique colour and concepts there. After hearing everything, it all seems to come together.
- Katake
- I went to the Machida store in Tokyo and served customers for a week. I have learned it is good to have an opportunity to tell customers that there is meaning in each exciting product. What we are doing every day is not routine, but it’s fun. Even though it is not easy, we never get bored as we sew. People don’t get bored with our products because even though they are designed with the same styles, we make different fabrics every season. So I feel the customers feel secure getting the same pants style with other materials.
—— They can’t get bored because they are one-item products.
- Katake
- They won’t get bored with shawls and outfits…but I wonder what else makes them not bored?
—— That’s very deep; it’s the core of the theme.
- Katake
- There’s one thing we can say that we can keep doing it. The sewing itself is a simple task, but the creativity of ‘tamaki niime’ won’t bore you.
—— So they don’t make patterns. It is just naturally like that in where there’s no force. Dyeing, Weaving, and Knitting all try various experiments, and if you multiply with them, there are unlimited possibilities.
- Katake
- They are genuinely unlimited.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.