niime 百科
Encyclopedia of niime
玉木と酒井、「niime村構想」を語る。
Ms Tamaki and Mr Sakai talk about ‘The niime Village Concept’.
2021 . 10 . 28
〈前回からの続き〉
酒井「構想というか…僕が想うのは、niime村もブランド自体もそうなんですけど、tamaki niimeって、「固定的」じゃない方がよくて。」
― 流動性ですね。
酒井「そう!常にその、オブラートに包まれているような、全体像がはっきりとは見えない状態、いかようにも変化が出来るような状態っていうのを維持し続けるのが重要で。」
― はい。
酒井「それを積み重ねていく結果、niime村にも必ずその影響っていうのがあって。」
― ええ。
酒井「だから、「niime村構想」こうやって行くぞ〜ッ!ってゆうよりは、日々ずうっと日常を移ろいながら、結果、そんな風にカタチ創られていくんだろうなぁ〜〜…ってゆう。こうあるべきだ、こうしなければいけないってゆうんじゃなくって、」
― …おぼろげな。
酒井「そうなんスよ。すごい“おぼろげ”なんスよ。で、それが、もしかしたらここがゴールかも?でも、もしかしたら続きがあるかも??、みたいな状態だと思うんですよ。仮にniime村が出来上がったとしてもね。」
― エンドレスですよね。
酒井「そうなんですよ。それがtamaki niimeらしさかなっていう。どうしてもこうあらねばならぬとか、決めつけとか、なんでもカチッと固定してしまうのではなくて、もっともっとフレキシブルに。発信するのも受信するのもそうですけど、そこはやっぱり柔軟性を持たないといけないのかなぁ〜って、僕は思いますね。それが結果、「niime村構想」ってゆうか、良いniime村づくりに繋がるんじゃないかなぁ〜って風に思います。」
― スローガン的に「niime村宣言!」みたいなんじゃなくて。
酒井「なくて。」
玉木「しな〜っと。」
酒井「そう。」
― しな〜っと。…肩にチカラ入ってなくて。
玉木「なんかイイよね、ここ。…また来たいな〜ってゆう感じにしたい。」
― なんか知らぬ間に、niime村の一員になっちゃってた、みたいな?
玉木「で、変化がある、ってことがイイ。だからまた来たい、にしたい。次は何が始まってるんだろう?とか。なんかまた様子が変わってる、とか。…それに一番わくわくするから、私は。」
― なるほど。
玉木「ゴールが見えた時が一番面白くなくなる。それは個人的にも、会社としても。あ、この会社って10年後もこんな感じなんだろうな、って思った時がもう終わりなんですよね。」
― そうなるともう遊べないから。
玉木「うん。」
酒井「人間世界って、なんかスタートがあってゴールがあるみたいなそうゆう決め事ってゆうか、あるじゃないですか?そうゆう形式的なものって。でも自然とかって、川が流れてるとして、この水の粒子はここを流れなさい、ってないわけじゃないですか?流れ流れてどうゆうプロセスを経るかはわからないけども、結果的に海に行き着いて、その中で色んなものが育まれていくわけじゃないですか?」
― はい。
酒井「でもそれって僕らには予測不可能で。そうゆう不規則性とゆうか、予測できないところがウチの良さだし、そこがniime村にも反映されたら良いなと思います。」
― ある種“波のり”的な?
酒井「そうです!そうそう(笑)。波待ちしてて、いつ波来るかわかんね〜……あ!、来た来た来た!!みたいな。」
― 同じ波は二度来ねぇ、みたいな(笑)。
酒井「そうそうそうそう。それ、自然の醍醐味じゃないですか。」
玉木「そらそうやな。自然はそういうもんだもんね。」
酒井「そうゆうもんそうゆうもん。ウチって同じ波…同じことを繰り返すのがこの人もボクも嫌いなんで。」
玉木「確かになぁ。」
酒井「常に、何かこう、新しい波みたいなものを…」
玉木「起こしてるよね。」
酒井「そうそうそう。」
― 起こしてるし、キャッチしてるし。
酒井「そうそうそう。でもホントそうで。niime村の構想もというか。」
― ある意味、「niime村構想」という波にのっていこうぜ、という。それが何かははっきりとは見えてはないけど、と。
酒井「はい。先日僕の東京の友だちにウチのShop&Labの3D映像を見せたんですよ。別に前情報入れてないんですけど、それを観るなり、tamaki niimeさんてもう完全に“村”だね、と。」
― う〜ん…。すでにそう感じてる人もいるわけですね。
酒井「もうすでにそうなり始めていて。だからいわゆる“村”っていうとこう、自然があって、家があって、例えば牛がいて…そんな“村っぽい”イメージってありますけど、必ずしもそうじゃないんですよね。」
玉木「だから波を毎日起こして発信し続けていれば、それに気づいた人は乗りに来てくれるし、それにハマった人は毎日のように乗りに来てくれるんだろうなと思うから、明確化というよりも…」
酒井「うん。」
玉木「ずっと言ってるんやな?ビジネスするってなると、効率化する方がいいと言われるけど、私自身がその効率化されたビジネスモデルに対して何の魅力も感じないから…私が変わってるから、世の中のマス目にハメられないんだな、それに対してごめんなさい、っていう気持ちもあったけど、ここにきて、やっぱり意地でもそれで良かったんだな、と。人の意見に流されて、ビジネス志向の論理で効率化重視でやってきちゃってたら、今のtamaki niimeはなかったと思うし、(周囲を見ながら)こんなムダがいっぱいの「niime庭」づくりは出来てない筈だし。」
― 手間暇かかる、“めんどくさい”ことをやって来てますものね。
玉木「そう。皆んながやらないことが愉しい、と思ってやってるから。そこに一本筋が通らないと、なかなか。それを理解できる人たちが集まって来るんだろうなぁって。これからはね。」
― tamaki niimeのベースにある「織り」にしても、自ら手を動かして織ってみる、それも従来の播州織のアプローチに逆行するように、一点モノで手間暇かけるやり方で、という。その延長線上に「niime村構想」というものがあると思うんです。
玉木「ある…。」
― そこを簡単に言葉で説明というのは難しいかもしれませんけど、これまでに積み重ねてきたモノづくりに限らず、一緒に戯れているうちに、感覚的に、じゃあ私はこれやろう、となるのかなと。
酒井&玉木「うん。」
― 酒井さんがさっき仰ったように、そこを設計図をガチッと描いてしまうと、その時点でつまんね〜って。
酒井「そうそうそう。」
― 確かにヒツジもいたりするけど、別にそうじゃなくてもアリで。ラクダいてもいいし、みたいな。
酒井「そうそう!」
玉木「難しいよね、それをスティーブ・ジョブズみたいに完璧にプレゼンしようと思ったら(笑)。」
― なんでもアリですけど、なんでもよいわけではないというか。
玉木「うん。何というか、じゃあ皆んな私の周りに寄って来てね、ってゆうのとも違うんですよ。だから難しい…。私は、皆んなが集ってほしい、って心から思ってるからコミュニティは創りたいんだけど、その輪の中に自分がいなくても別に構わないのよ。」
― …それはすごく玉木さんを表してる気がしますね。
玉木「創るまでがすごく愉しいから、例えばここで夜皆んなで焚き火してね、って思うんだけど、私は全然そこにいなくてもいいのよ。だから…そこが難しいのよね?」
酒井「うん。」
玉木「でも愉しくなりますよこれから。さっきも言ったんだけど、アニメでいうと、『チャーリーとチョコレート工場』と『もののけ姫』と『天空の城ラピュタ』を混ぜた感じのやつね。」
酒井「『天空の城ラピュタ』?」
玉木「あ、違う、『風の谷のナウシカ』!」
酒井「でも『千と千尋の神隠し』も面白いけどな。」
玉木「あ、それも面白いな…その4つで!宮崎駿は全部オモシロイからな。全部その世界はもらいたい。」
― …何かまだ「niime村」について訊いておきたいことがまだあったような…。
玉木「訊いてちゃんと。あ、そう、エネルギーのことを動画で言ってたじゃない?あれが一番わかりやすい…」
― …かもしれないですね。中身については話してませんでしたから。
玉木「太陽光と小水力。小水力発電のエネルギー効率が80%で一番なんですって。だからそれを実現できたら良いなという話をしてて。川じゃなくてウチの中でやるんですよ。古くてもう使われてない浄化槽があるんですけど、それを利用してやってみたいなというのと、あと太陽光発電とで電力を自給自足できたら良いなぁと。」
― 素晴らしいですね。
玉木「なんか当たり前になっちゃってるしね、電気があるということも。」
酒井「まぁなぁ。」
玉木「水があるってことも。」
酒井「すべてにおいて当たり前になってるよな、今。」
玉木「だから、それを自分たちで創る術を知っておいた方がいいし。創って使うっていう意識を持てた方がいいなぁと思うから。そこはやっていきたい。」
― 地域通貨のことも。
玉木「「niime玉」ね。ショップで使えるとかその辺りから始めて、最終的には色んなカタチで回していきたいけど。創ることで使い道は出来て来ると思う。」
― 今日お話を聞いて、「niime村構想」ってゆうのは不定形のものなんだなってわかりました。
酒井「はい。」
玉木「うん。何でもいいのよ別に。もちろん食べることは大事だから、農業は絶対主でやっておかないといけないと思うけどね。…“ゴール”って持ちたくはないけど…」
酒井「うん。」
玉木「…“持続可能”だと思えた時だね。私の中でミッションだと思えているのは、今ここに入って来てるスタッフが子どもを産んで、その子どもたちが、次の仕事に就いた時かな、この“村”の中で。」
― 次の世代に受け継がれる…
玉木「このniime村の中で、新たな生きる術を見出した時が、循環してる、とある種思える時だと思うから。」
― つながってゆく…
玉木「つながってゆく。そしたら、その子たちがまた子どもを産んで、次の世代を育ててゆくんだなと思えるだろうから。産まれた時から見てるスタッフの子どもたちも今は小さくて小学校もまだだったりするけど、その子たちがtamaki niimeで働きたい、って言ってくれて、また働いて、自分の特長を知って、自分を活かせる仕事を自分で見つけ出せるかどうか。そこに皆んなでサポートして、お互いを支えあって循環してゆく仕組みが出来た時に…」
― はい。
玉木「本来ならお金って必要なくて、給料ってカタチだけが答えじゃなくて、家もごはんもタダだとすれば、今日何しよう?って時にそこの地域が良くなることを何かすれば良いだけだと思うし、それがしゃべることが得意な人はしゃべれば良いし何かつくるのが好きな人はつくったら良いと思う。それで支え合っていたのがたぶん、昔々の村のあり方だったと思うから。」
― う〜ん…
玉木「だから概念的なところだよね、どちらかと言うと。「何をするべきか?」ということじゃなくて、「どうあるべきか?」。ほんとにそれを皆んなで感覚的に考えれるってゆうかね。議論して勝ち取っていくんじゃなくて、やってみて気づいてゆくことってゆうか。あ、僕はしゃべることが得意だったんだ!やっぱり販売に行こうかなとか。命令されてやるんじゃなく、自分を自分で知って、自分を活かしてゆくってゆうのが、本来の人間らしい姿だという気がするなぁ。」
― ある意味、村の中での自分の役割をオートマチックに感じ取って、あ、これ私がやろう、みたいな。
玉木「うまく回ってて、皆んなやることがない時は寝てたら良いんだもん。極論はね。毎日働くことが、8時間労働することが美徳なわけじゃないし。必要な時に必要なことが皆んな出来さえすれば。20時間働きたい人もいるかもしれないけど(笑)、人によってそれぞれ個性があって、やりたいことやってたら夢中になるんだから止める必要もないと思う。」
酒井「うん。」
玉木「それを…何だろう?ルールだとか、皆んな平等であるべきだとか、変な概念で、得意じゃないことを皆んなにやらせるとか…」
― 皆んな一律に…
玉木「一律なやり方では、やっぱり人は育たないし、得意不得意はあるもんだから。そこを無理矢理矯正するのは無理があるなぁって。」
― 先ほどのお話で、「niime村構想」のあり方のひとつの完成形というものが見えた気がします。それはゴールでも終わりでもなく、次の世代にちゃんとサイクルがつながった、循環がカタチになったところが観れたらというか、引き継ぎが完了したら、という感じでしょうかね。
玉木「うん。私が力織機を触らなくなったのもひとつの引き継ぎだと思ってるし。」
― はい。
玉木「その人が次のバトンを誰に渡すのか。そのバトンがまた次の人に渡ってゆくってゆうのがすごく大事だと思う。人が変わればまた発想も変わるし、創るモノも変わってゆくけど、それはまたそれで面白いと思う。」
― 引き継ぎながら変化もしてゆくと。
玉木「別に私が創り続けなきゃいけないとも思ってないし、色んな人がやることが、可能性を広げると思うから。」
― そういう意味では「niime村」ってゆうのは、仮にここに集ってなくても「niime村」に参加してたり…
玉木「うん。全然あると思う。」
― そんな概念的なところもありますよね。
玉木「あるある。ここにいるからでもなくて、考え方だったり思想だったり。」
― 志しを同じくする人のコミュニティというか。
玉木「以前ウチの「織りチーム」にいたスタッフから最近連絡が来て。どうしてもという事情があって辞めたんだけど、自分で織機を家に入れてやりたいと。織った生地を玉木さんに持って行きますから、って言ってて、できるかな…って感じで思ってたのが、実際出来たから持っていきたいって。」
― へえぇ〜…。
玉木「だからそういう関わり方もあるなって。モノづくりをする者同士として、お互いにモノづくりについてディスカッションして、それが私たちの作品に仕上がっていけばベストだし。この場じゃないと創れないというわけじゃなくて、色んな場所で創れてゆくな〜、ってゆう感触はある。」
― tamaki niimeのあり方に触発されて自分でなにか始めた、その人もniime村の一員かもしれないし…
玉木「あると思う。なにかしらの影響があってくれれば良いなとも思うし。なんだ、自分にも出来るじゃん、と思ってもらえればね。」
酒井「うん。」
玉木「それが行動のきっかけになってくれればいい。だから学生もどんどん受け入れるし、ツアーで見学もなるべく受け入れて、観てもらう・知ってもらう・感じてもらうをどんどん広げてゆく。」
― なるほど。
玉木「学生たちが就職どうしようと考える時にこの社会の現実をほとんど見えてないわけだから…あ、こんなオモシロイ働き方もあるんだとあらかじめ知っておくか知らないかで全然違うと思うし。それで全く可能性は変わるだろうから。播州織の産地だと謳うなら播州織がどんなものかを子どもたち皆知っておくべきだと思うし、この街を離れるならその知識を携えて都会に出て行ってほしいし。」
― はい。
玉木「その種まきを藤隆(藤本隆太)中心にコットン体験やLab見学をやったり本当に地道にやってくれてるおかげで、きっと今にその子たちがウチに就職したいって来てくれるんだろうな、って。」
酒井「現に今もインターン生3人来てるしな。」
玉木「そうそう。だからありがたい。ウチのスタッフの橋本君っているじゃない?昔西脇でアート「GAW展(※)」やった時にウチの展示に来てたんだって。」
― へぇ〜、、そうなんですね。
※「ゴールデン街アートウェーブス」の略で、全国からアーティストが集まり空き屋や街角にさまざまな作品を展示するという企画展。新宿から始まり、第7回目として2010年夏に西脇で開催された。地元の作家としてtamaki niimeも参加。
玉木「だから巡りめぐるというかね(笑)。別にその時は彼もウチに来るなんて思ってなかったわけだけど、やっぱりそうゆう縁ってあるんだな、タネを蒔いといて損はないというか。」
― 確かに。
玉木「どんな縁になるかわからんな〜って最近思ってます。」
― そんな意外な展開がある方が好きでしょ?
玉木「うん。」
― 予想どおりってつまらないというか。あ、そんなniime村の捉え方もあるのか!みたいな。
玉木「そんなんがあってくれたらオモシロイね。思ってもみなかったけどそれも良いんじゃない?みたいな。でも最近スタッフからアイデア上がって来てるよね、けっこう。」
酒井「ちょいちょいあるよな。」
玉木「若い子たちから提案がけっこう出て来てて。」
― niime村についても。
玉木「あんなんしたい、こんなんしたいみたいな。もちろんモノづくりであろうが、販売に関してであろうが、なんか、こうゆうことやってみたいんですけどいいですか〜?いいよ、って言って。」
― 今回、あなたにとっての「niime村」とは?を問いかけて終わるのもいいかもですね。
玉木「お考えください!みたいな。1分以内に10案出してくださいみたいな(笑)。」
― 最後に読み手の皆さんに対して“課題”が出ると。
玉木「考えることに正解・不正解なんてないからね。「自分がどう想うか?」だけだと思う。」
あなたにとってのniime村とは?
真っ白なtamaki niimeのキャンバスに、どんな絵を想い描きますか?
書き人越川誠司
〈 continued from the previous interview 〉
- Sakai
- Concept… Well, I think it’s better for The niime Village and the ‘tamaki niime’ brand not to be static.
—— You mean like liquid, right?
- Sakai
- That’s right! It’s always essential to keep the state of being unable to see a whole picture, which is like wrapped by wafer paper, being able to change to any shape.
—— I see.
- Sakai
- As a result of those efforts, The niime Village should have a positive influence.
—— I see.
- Sakai
- Rather than focusing on making ‘The niime Village Concept’, it should be natural as we live with what we like to do daily. There shouldn’t be any rules that we have to follow.
—— Vaguely.
- Sakai
- Yes, it is. It should be very vague. It’s like the state that seems the end of a goal or may keep going further, even if The niime Village builds up.
—— It sounds endless.
- Sakai
- That’s right. That sounds like more of ‘tamaki niime’. It is more flexible, free of rules, not being one-sided in both sending and receiving messages. So I think we have to have flexibility, which would make the excellent niime Village, which would make ‘The niime Village Concept’ as a result.
—— You don’t have to declare the ‘niime Village’ slogan.
- Sakai
- No, we don’t.
- Tamaki
- We make it happen gradually.
- Sakai
- That’s right.
—— It should be happening eventually; you don’t focus on doing that.
- Tamaki
- I would like to have our place where people want to come again.
—— You wish people find themselves to be members of The niime Village before they know it.
- Tamaki
- It’s a good thing to have changes. So I want people to want to come, be here or get excited to see something different next time because I am the one who is excited about seeing changes more than anybody else.
—— I see.
- Tamaki
- When I can see the goal within reach, I am not as excited individually or as a company. There’s no more fun when I can predict how the company will be in 10 years.
—— Because you can’t have fun anymore.
- Sakai
- Our human world seems to have start and end goals, which look more like a system. But in nature, things like rivers, there’s no rule that certain types of water have to run to a specific place. So without knowing what happens, it ends up running to the ocean, in which many things are nurtured, right?
—— Yes.
- Sakai
- But we cannot predict that. Our advantage is such unpredictable instability, and I hope it is reflected in The niime Village.
—— Like surfing the waves?
- Sakai
- That’s it! That’s it! (laugh) It looks like waiting for waves, and you don’t know when it comes…and oh! Here it comes!
—— It looks like the same wave would never come. (laugh)
- Sakai
- That’s right. That’s the real thrill of nature.
- Tamaki
- You are right. That’s what nature is.
- Sakai
- That’s how it is. Tamaki and I don’t like to repeat with the same waves.
- Tamaki
- Exactly.
- Sakai
- We always expect to have something like a new wave.
- Tamaki
- We try to get it.
- Sakai
- Yeah, yeah.
—— You are trying to make it happen and catch it.
- Sakai
- That’s right. You are right. ‘The niime Village Concept’ is one of waves.
—— In a sense, you try surfing the wave of ‘The niime Village Concept’, even though you don’t see it.
- Sakai
- Yes. The other day I showed our Shop & Lab’s 3D film to my friend from Tokyo. Even though I didn’t explain it beforehand, he said that Ms Tamaki owns a ‘village’ as soon as he saw it.
—— Hmm. Someone already gets it.
- Sakai
- It’s already started happening. The village has this rustic feel where there is nature, homes, cows, but it isn’t always like that.
- Tamaki
- If we keep surfing the waves to send messages, the people who are aware may come here, or people who get hooked may come surfing every day. We don’t have to be so specific…
- Sakai
- Right.
- Tamaki
- I have been telling you, right? Generally speaking, when it comes to doing business, it’s better to do it efficiently, but I am not attracted to standard business models. Because I am so different that I can’t fit within the world’s expectations. I used to feel sorry for that, though. Now I think what I insisted on doing was right. If we had gone with the logical, effective business methods while examining others’ opinions, the present ‘tamaki niime’ wouldn’t exist, and (looking around) we wouldn’t have made the ‘niime garden’, which looks like an absolute waste.
—— I know you have been doing so while accepting difficulties.
- Tamaki
- Yeah, we have been enjoying doing what people typically don’t. It would be hard to do if you don’t believe in what you do. So from now on, I think the people who like our ideas will gather here.
—— Even ‘weaving’, which is the base of ‘tamaki niime’, you weave with your hands manually, and on top of that, you take a lot of time to make one-item products, which is contrary to the traditional Banshu-ori business way. So I think ‘The niime Village Concept’ is an extension of that.
- Tamaki
- That sounds right.
—— It must be hard to explain, but you don’t want to limit to what you have manufactured so far. I wonder if people would find what they want to make by using their senses while working with you.
- Sakai & Tamaki
- Yeah.
—— As Mr Sakai said before if you make an exact plan, it isn’t as fun.
- Sakai
- Exactly.
—— It looks like it’s okay to have sheep, but it’s totally okay if you don’t have them. So instead, you can have camels.
- Sakai
- That’s right!
- Tamaki
- It’s hard to show it perfectly in the presentations as Steve Jobs did. (laugh)
—— We can try anything we want, but it doesn’t mean everything is good.
- Tamaki
- Yeah. How should I explain? I don’t mean that I want everyone to gather around me, so it’s hard. I want to make a community from the bottom of my heart because I want everyone to come together, but I am okay if I am not with them in their circle.
—— I think that describes you, Ms Tamaki.
- Tamaki
- I enjoy the process of making. For example, I would suggest they make bonfires at night, but I don’t have to be with them there at all, which may be hard for them to understand.
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- But it’s going to be fun from now on. As I told you before, if I use anime terms, it’s like a mixture of Charlie and the Chocolate Factory, Princess Mononoke and Castle in the Sky.
- Sakai
- Castle in the Sky?
- Tamaki
- Ah, no, I was wrong. It’s Nausicaa of the Valley of the Wind.
- Sakai
- But I think Spirited Away would be interesting.
- Tamaki
- Yeah, that’s interesting, too…I mean all four of them. All the movies of Hayao Miyazaki are exciting. I want to use all of them.
—— I think I have more questions about The niime Village I want to ask you…
- Tamaki
- Please ask. Ah, I remember I talked about energy on YouTube, which may be easier for people to know what we want to do?
—— It probably helps because you didn’t talk about the details.
- Tamaki
- I talked about Sunlight power and small-scale hydroelectricity. The effectiveness of energy of small-scale hydroelectricity is 80%, which works the best of all. I spoke about how it would be nice if we could use it. We may do it inside of my house, not in the rivers, and want to make use of our old unused septic tank, and also wish to supply electric power with Sunlight power self-sufficiently.
—— That’s wonderful.
- Tamaki
- We take for granted that we have electricity.
- Sakai
- Yeah…
- Tamaki
- We also take for granted water.
- Sakai
- We take everything for granted.
- Tamaki
- That’s why we should know how to make them and be aware of that. That’s why we keep making an effort.
—— You also want to have a local currency.
- Tamaki
- You mean ‘niime coins’. We could start using them at the shop, and ultimately we want to use them with other systems. We would find other uses after we make them.
—— Listening to you, I realised that ‘The niime Village Concept’ is an unstructured thing.
- Sakai
- Yes, it is.
- Tamaki
- Anything is okay. Eating is essential, which is necessary, so we have to do farming mainly…but we don’t want to have goals.
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- …when we can admit it’s sustainable, I think that’s our goal. I believe my mission is that our staffs’ children, the next generation, get jobs in this village.
—— Your jobs will pass on to the next generation.
- Tamaki
- I think our goal would be to see the cycle that people can find ways of new skills in this niime village.
—— Those skills will pass on.
- Tamaki
- They do. And then I could see that those children have their children and raise the next generation. The children I know from birth are still small, some are still not in elementary school yet, but when they want to work at ‘tamaki niime’, I wonder if they could find jobs that they can make the most of themselves. If we have a circulating system to help support each other in such circumstances.
—— I see.
- Tamaki
- Originally money is unnecessary, and salaries are not the only answer to make a living. If housing and eating don’t cost any money, we will try to do other things. In such circumstances, I think we need to do something that can help improve the community. The people who are good at speaking can speak up, and those who are good at making can make. I think people in the old days used to support each other in such ways.
—— Hmm.
- Tamaki
- If I had to say it, then it’s more conceptual. The point is not ‘what we should do’, but it’s ‘how it should be’, which means that we should be sensible about it, not getting it with discussion, but getting aware of it while doing it. You should be aware of your advantages, such as being good at talking or making sales, not being told by someone, but knowing yourselves and making the best of yourselves. I feel that’s a more human-like figure.
—— In a sense, you feel your role instinctively and start doing it, right?
- Tamaki
- In extreme terms, you can be asleep when everything is cycling well and have nothing to do. That they are working every day or working 8 hours are not a virtue. It is all right that we can do the necessary things when they are needed. Some people may want to work 20 hours, though, (laugh) each individual has personality, and there’s no need to stop working when people are crazy about the work they want to do.
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- But, what is it? The rules or odd ideas that we should all be equal make people do what they are not good at.
—— They make them do it evenly.
- Tamaki
- People won’t develop in the same way because each one’s strengths and weaknesses are all different. It’s impossible to force them to correct.
—— In our previous interview, I could see one of the conclusions of ‘The niime Village Concept’: there’s no goal or end, but you hope to see a cycle or some form of process for the next generation. Am I right?
- Tamaki
- Yeah, I think one thing is that I don’t weave with looms anymore.
—— I see.
- Tamaki
- I think it’s crucial to whom you pass the baton, and it’s also vital that a baton passed is passed on to the next person. When people change, their ideas change, and manufacturing products will change, which is interesting.
—— Things make changes while taking over.
- Tamaki
- I don’t think I have to keep making. Instead, we could expand possibilities by doing with various people.
—— In that sense, even if you don’t gather here, you could participate in The niime Village.
- Tamaki
- Yeah, it’s possible.
—— I get the feeling for the concept.
- Tamaki
- It does. You don’t have to be here, but you have shared thoughts and ideas.
—— It’s the community of people who share the same intentions.
- Tamaki
- A former weaving team member at our company who quit his job under unavoidable circumstances recently contacted us. He wanted to use a loom at his house and take the woven cloth to Ms Tamaki. He didn’t expect to be accepted, but he was allowed to do it and brought the fabric.
—— Really?
- Tamaki
- So I realised we could have such a connection. As people who manufacture products, we could discuss with them, and it would be best to help us make the ones we expect. Our products have to be manufactured only here, but I feel we could make products in various places.
—— A person who is inspired by the way of ‘tamaki niime’ to start doing something may become a member of ‘niime village’.
- Tamaki
- That’s possible. I hope we can influence something, wishing to give someone hopes to believe oneself, “Yeah! I can do it! “.
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- I would be glad if we could give them the motivation to start doing something. So we would expand opportunities and accept students to show them factory tours to let them feel and know us.
—— I see.
- Tamaki
- When students wonder what they should do to find jobs, they wouldn’t know the real world. If they already know there is such an exciting way of working, it would make a big difference. Their potential would be realised. If they declare this is the birthplace of Banshu-ori, all the children here should know what that is, and when they have to leave this town, I hope they go to the cities carrying that knowledge with them.
—— I see.
- Tamaki
- Due to diligent efforts with Fujiryu (Ryuji Fujimoto) working at the centre, we had the cotton field experience and the factory tour. I am sure the children will come to work in the future.
- Sakai
- Actually, we have three internships now.
- Tamaki
- Oh, yes! That’s why I am so thankful. You know one of our staff, Mr Hashimoto, right? I heard he came to our exhibition when we had the ‘*GAW exhibition’ in Nishiwaki a long time ago.
—— Oh, I see.
*GAW is the abbreviation of ‘Golden Town Art Waves’, a special exhibition where all the artists across the country gather and exhibit their works at the empty houses and on the street corners. It started in Shinjuku, Tokyo, and the 7th exhibition was held in Nishiwaki in summer 2010. ‘tamaki niime’ also participated as a local artist.
- Tamaki
- Things come and go. (laugh) When he went to the exhibition, we, even he, nobody knew he would come to work with us, but we were linked by fate. You never lose anything if you plant seeds.
—— Exactly.
- Tamaki
- I’ve been thinking lately that we never know what kind of luck we would have.
—— Don’t you like to have such unexpected developments?
- Tamaki
- Yeah.
—— It’s boring if everything goes expectedly. It’s exciting to find a new niime village aspect, “Wow! I never knew that”.
- Tamaki
- I would love to have opinions like “it would be interesting if we have one like that” or “I’ve never thought about it, but it must be good.” Recently we have had more ideas from our staff.
- Sakai
- We have them very often.
- Tamaki
- We have many ideas from the young staff.
—— They also give you ideas for niime village?
- Tamaki
- Yes. There are many opinions that they want to do this and that. They ask me if they are allowed to do whatever things in sales or manufacturing. I answer, “Yeah, sure!”
—— It must be a good idea to ask them, “what is The niime Village for you?”
- Tamaki
- I would ask them, “Think, please! Please give me ten ideas in one minute.” (laugh).
—— You give the readers homework.
- Tamaki
- There are no right and wrong answers in thinking. It’s all about ‘how you think about it.’
What is The niime Village for you?
What kind of picture do you imagine drawing on the white canvas?
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.