niime 百科
Encyclopedia of niime
「わチーム」×「とるチーム」オンライン発信3人衆トーク
〈前編〉
Online outbound team discussion: Wa and Toru
〈 part 1 〉
〈前編〉
〈 part 1 〉
2022 . 06 . 08
本岡寛子。橋本訓典。久保翔平。現在、本岡は「わチーム」、橋本と久保は「とるチーム」にそれぞれ所属、オンラインでの発信を通してお客様とtamaki niimeを結ぶ大切な役割を中心となって担う3人だ。 新型コロナ禍以降、多彩な一点モノ作品の販売面でも、ブランドの多様な魅力を伝える配信面でも重要度を増すtamaki niimeのオンライン・コンテンツ。まずはそのスタート時から今に至る流れを、時系列で振り返ってもらった。 —— 本岡さんはずっと「わチーム」ですよね? 本岡「はい。」 —— 橋本さんと久保さんは現在「とるチーム」で。両チームはオンラインのコンテンツ制作で絡んでいると。 久保「そうですね。」 —— 前回・2年前のインタビュー記事を読み返して来たんですけども、当時は皆さん同じ「わチーム」の所属で。それが、取材して間もなく新型コロナの緊急事態宣言が出て… 本岡「うん。」 —— 実店舗での作品販売が出来なくなったタイミングで、世の中のマスクを求める声にいち早く応えた「タマスク」の誕生と相乗して、ちょうどその年の初頭からスタートしていたOnline Shopが一気に、爆発的に動き始めました。 久保「うん、あん時、“ゴチャゴチャ!”ってなりましたね。」 本岡「(笑)。」 橋本「あの時に、会社としてはまとまりつつ、各チームがいったん解体されたような感じがありましたね。僕も「縫製チーム」に行ってたし。」 —— ああ〜、そうでしたね。マスクづくりに全社体制で取り組んでおられて。 橋本「いろんな部署に行って。…裁断もしてたし。」 本岡「裁断してたの?」 久保「オンラインやりながら裁断。」 本岡「まぁでも、加工や仕上げ手伝ったりしてたっけ。」 久保「そうそう。してたしてた。とにかくマスク創ろう!ということで。」 —— 緊急事態を受けてスタッフの役割がいったんシャッフルされたみたいな。 久保「なにしろ生産が追いつかなかったんですよ。」 新型コロナ禍で直営店の販売や百貨店での催事が困難になる中、切実なマスク需要に応じた「タマスク」の開発と生産、そしてネットを通して作品のダイレクトな購入を可能にするOnline Shopの登場は、tamaki niimeに新たなフェーズをもたらした。 危機的な状況下、モノづくりにおけるtamaki niimeならではの柔軟でスピーディーな発想と対応力、組織力が発揮され、ブランドをより高い次元へと導いた、まさに転機だったと思える。 —— この2年間の、Online ShopとLINEを核とした発信の充実と蓄積にはものすごいものがあるわけですが…コロナ以前からオンラインに関しては取り組んでいたわけですね。 本岡「はい。2019年の秋くらいから準備を始めていましたね。2、3ヵ月かけて「B to B」=卸し先向けのサイトのリニューアルをして、11月くらいに完成して。それをベースに、次に一般のお客様向けのOnline Shopを立ち上げて行って。合わせて3、4ヵ月くらいです。」 —— 緊急事態宣言があって、お客様の来店が見込めなくなった時点で、Online Shopはもうすでに稼働していたと。 本岡「2020年の2月2日にオープンしたから、その時点ではまだ日本には新型コロナが入ってきてはなかったけど、2月の終わりくらいにはもうマスク売らな、ってなって。たしか2月中には「タマスク」が出来てて。」 久保「そうです。」 本岡「3月にはOnline ShopにUPすると即完売して。予約受付を開始したのが4月。」 橋本「そうか、5月にはもう予約専用ページつくってたんや。」 久保「マスクが出来上がったらすぐ撮影してオンラインにUPしてはSOLD OUTという状況が続いて、じゃあ、受注生産にしようと。だからもう、スタッフ全員で加工して撮影して。」 —— その当時の心境はどうだったですか? 本岡「Online Shopの稼働がまだ手探りの頃にそういう状態になったので、それ以前とは比較ができないんですけど、やっぱりマスクを販売したことで、tamaki niime自体を全くご存知ない方からの注文がすごく来るな、という感覚はとてもありました。」 —— 全く未知のお客様ってどうやってOnline Shopまでたどり着かれたのでしょう? 久保「プレスリリース出したからかな?」 本岡「普通のSNSの投稿もしてた。」 橋本「してたしてた。」 本岡「インスタとかは色んな方がご覧になってるから、マスク販売日の告知を見て皆さんマスクに飛び付かれていた時期もあって。」 久保「取材も入って。」 —— テレビの番組で取り上げられたのも観ました。 久保「本当に切実にマスクを求める層に新聞の取材記事が届いた、というのもありますね。」 —— 「タマスク」をきっかけにOnline Shopのコンテンツがどんどんと充実していった感がありますが、マスク以外の作品についてはどうでしたか? 本岡「最初に立ち上げて、この時期にこの作品をUPしてと、計画的に始めようとした矢先にマスクが入って来て、それを挟んで、落ち着いてきた段階でまだ出してなかったモノを載せていきましたね。」 橋本「マスクで知ってもらえたお客様にウチを好きになってもらえて、マスク以外の作品も買っていただけるという、そんな機会になったと思うんですよ。」 本岡「その時はとにかく創って販売するのに必死だった(笑)。」 —— その時は販売戦略云々は度外視して。 本岡「当初Online Shopとしては、徐々に知ってもらえて伸ばしていけたら良いな、と思っていたので。」 —— 結果的には「タマスク」が呼び水となってたくさんの新しいお客様の層とつながり、色んな作品を知っていただけた。tamaki niimeのファンになっていただけたということでしょうか。 久保「「マスク」ってゆうアイテムなのが大きかったですね。口元という敏感な部分に触れる作品なので。肌触りが直に伝わる。他のアイテムだったらこうはなってなかったかも知れないし。」 —— tamaki niimeの作品特有のふんわりと心地よい肌触りを体感していただく得難い機会になったと。まさに“肌感”でわかると言いますか。そこは当然他のアイテムにも通ずるわけで。 LINE配信について。日々更新されてゆくモノづくりや作品紹介はもちろん、玉木と酒井の語り、各チーム・スタッフの日常の一コマ、畑や田んぼの様子、「いどばたまき」などイベントの告知…はたまたこの「niime百科」まで、tamaki niimeの豊富なコンテンツを日替わりで届け、益々充実の一途を辿る。 —— LINEでの配信はいつからでしたか? 久保「毎日配信始めて1年以上経ちましたね。」 —— tamaki niimeの日常をありのままに伝えるツールとして、最初の構想ではあえて創り込まずにノー編集でというようなお話もありましたね。 久保「最初はそうでした。でも皆んなおしゃべりが上手な人ばかりじゃなかったので。最近ようやく、ですね。」 橋本「皆んな撮られることに慣れてきたよね。」 久保「愉しんでくれてるスタッフも中にはいる。谷口啓二というね、ウチのジャニーズが(笑)。」 —— 貴重なキャラですよね。 久保「最初、社長と酒井さんの二人語りみたいなのから始めて。だんだんと機材を揃えてもらって。」 —— 最初YouTube先行で、次にLINE配信へと。 橋本「(久保に)同じ「とるチーム」やけど、その時はYouTubeは完全に一人やったよな。」 —— 橋本さんはその頃は何を? 橋本「僕は「ブツ撮り」の方ですね。作品撮影。」 久保「LINE始まって半年くらいは一人でしたよ。毎日配信ってなった時に、やっぱ撮影できる人とちゃんとコンテンツ考える人がセットじゃないと立ち行かないな…と。で、普段から撮影に慣れてるというところで橋本くん、東郷さん、当時新人で稲垣さん、この4人で動画チームが進行していったという。」 —— LINE配信でいこう、となったきっかけは? 久保「社長の方からですね。他のSNSと違って、一対一のコミュニケーション感がすごく強いじゃないですか?“届ける”みたいな。“届けるメディア”としてのLINEという。」 —— 毎晩20時にスマホに通知が届きますね。 久保「たまたま20時配信が何日か続いて、そのまま固定しただけやったとは思うんですけど。」 —— 決まった時刻に通知があることで、受け取る側としてもtamaki niimeに触れることが毎日の愉しみ・習慣になっている気がします。本岡さんはその頃「わチーム」でずっとOnline Shopの展開を色々と取り組んでおられた感じですか? 本岡「そうですね。まだOnline Shop一年目やから、ネット上で何がどれだけ売れるのかが全然わからないので。それを予測しつつ、「特集」であるとかのコンテンツを組んだり。売ってゆくということ自体に私も慣れてないし、オンラインで販売するってことをまだウチの誰もやったことがなかったから、手探りの時期が一年くらい続きました。」 —— パッとshopのページを開いた時に、色とりどりの作品が鮮やかに並んでいるのにまず目が奪われるというか。それもひとつひとつ一点モノで。 橋本「ページの冒頭にある「News」欄も手探りで、最初はテキストばっかりやったんですよ。文字だけで「新色UPしました!」みたいな。」 本岡「最初それしか上げてなくて。」 —— カテゴリーの、「色から選択」というのはいつ頃からでしたっけ? 本岡「ここは以前は力織機・シャトル織機・レピア織機…と機械から選ぶにしてて。」 —— ああ〜そうでした。 本岡「一年半経ったくらいから色別にしたので、けっこう最近ですね。」 —— 「わチーム」としての、お客様と創り手であるスタッフを結ぶ役割というところはどうですか?オンラインのデータをもとに売れ筋だったりが明確に直ぐに把握できるでしょうし。 本岡「そうですね。売れた色とかね。」 —— それを製作スタッフに還元できるという。 本岡「Online Shop開設に向けて、一点一点作品を撮影するというのを、橋本さん中心にその一年前から積み上げてくれてたのが実っているというか。」 —— そうだったんですね。 本岡「それまでは卸し先だったり百貨店だったり、実店舗にしても、売り上げの数字的には掴めるんですけど、具体的にどんな色のどういうアイテムがどれだけ売れたのかわからなかったので。オンラインによってそこをスタッフ皆んな把握できるようになったし、そのシステムを利用することで、リアル店舗でもどんな作品が売れたかが詳細にわかるようになったのはすごく大きかったと思いますね。」 —— なるほど。 本岡「売れた作品の一覧をプリントして皆んなが見れるように張り出してたりして、そこは一日ごとの進捗なんですけど、この色の作品がなくなったので創ってほしいとか、去年のこの期間に売れた色はこんな感じだったけど、今年はどうする?とか、けっこう長期的にも利用可能なデータになってきていて。それで製作のスタッフとコミュニケーションを取ってます。」 —— データを読み取り、アドバイスすると。 本岡「放っておいても自然に売れてゆく色とこちらが推すことによって魅力をわかって頂いて売れる色とがやっぱりあるんですよ。そこは一覧を見るだけではわからないので、それをモノづくりの創り手の側に伝えるというのをやってます。」 『産地から興す新しいものづくりのかたち』。播州織産地に根ざした多様な活動の総体が評価され、tamaki niimeの取り組みは2021年度のグッドデザイン賞に輝いた。5分間の紹介動画にはブランドのエッセンスが美しく・心地よくパッケージされている。 —— 播州織のモノづくりに留まらず、多面的なブランド「tamaki niime」を映像として表現出来たのがグッドデザイン賞を受賞した際の紹介動画だったと思うんですが。 久保「最初に藤本さんが応募のお話を受けて。その時はやろうかやるまいかみたいな感じだったんですけど、もう、やりましょう!と。映像創るんで、って言って。」 —— そこは久保さんが手を挙げた感じですか。 久保「ってゆうか、もうひと息で踏み出す感じだったので、いきましょう!と(笑)。」 —— 背中を押したと(笑)。 久保「で、社長も「やってみ。」って。社長からの注文は全くなくて、本当に自分が想っていることを、藤本さんが書き上げてくれたテキストに沿って、映像化してゆくという作業でしたね。」 —— なるほど。想う存分に…。 久保「それ以前に、ちゃんとしたブランド・ムービーみたいなのを創りたい、っていう想いはずっとあって。」 —— はい。 久保「なので、タイミング的に無茶苦茶良い機会になったんですけど、「グッドデザイン賞」用にこしらえたというよりは、制作の締め切りが賞の応募だった、という感じです。」 —— そうでしたか。tamaki niimeを5分間の映像にどう落とし込むか、表現するか?その制作のトリガーになったのが「グッドデザイン賞」だったというか。発表の場になったといいますか。 久保「そうですね。幸いにも賞を頂いて。」 YouTubeチャンネルでも観ることができる受賞動画は、tamaki niimeの多彩な取り組みが、全編を通して柔らかな映像美によって綴られてゆく。スタッフによる「niime米」の田植え風景から始まり織機の機を織るリズムが心地よく時を刻む。様々な“モノづくり”に携わるスタッフの「手」の表情が美しく描き出されているのも印象的だ。 久保「そこは心がけてました。賞味期限が短いようなモノは創りたくないので。」 —— ですよね。 久保「一回目観た時に、カロリーはそんなに高くないけど、ずっと観てても大丈夫みたいな。」 —— 何度でもいただけるという。 久保「そこは考えましたね。」 —— 身体にやさしいというか、ほんとに滋味があって。 久保「あんまり意味性とかメッセージ性とか、そういう感じじゃなくて、只々ある日の風景を映した、というような。」 —— 10年後でも30年後でも色褪せない、時を超えた普遍性を感じさせます。 久保「今後新たな取り組み・活動が生まれたなら、あそこに載っけていける。」 —— 映像を追加してゆけると。そういう意味でも、「ベーシックなtamaki niime」像を表現出来たわけですよね。 声高にメッセージを発するのではなく、ブランドのミッションとして掲げる「地球のゆがみを整えるものづくり」という核心部分も含めてナチュラルに伝わりやすい、一編の映像作品として仕上げられている印象だ。 —— 橋本さんもかなり制作に絡まれたわけですか? 橋本「今まで撮った映像を素材として使ってもらったくらいですね。」 久保「リアルタイムでは撮れなかった素材もあるので。丸一日かけて撮って。なので、「tamaki niimeの一日」というムービーです。」 —— オープニングの田植えシーンも含めてすべてがつながっている、ほんとtamaki niimeのある一日の、日常風景になってますよね。 この2年間の活動を凝縮した、密度の濃いエピソードが続く“オンライン3人衆”とのトーク。次回、後編はtamaki niimeのブランディングの中核を担ってゆく3人の現在地やこれからについて。遊びごころたっぷりに、毎日の業務をクリエイティブに愉しむ素顔も伺えます。どうぞお愉しみに!
書き人越川誠司
Online outbound work is done by Hiroko Motooka, who currently belongs to the Wa team, and Kuninori Hashimoto and Shohei Kubo on the Toru team. These three people are essential in connecting ‘tamaki niime’ and customers online.
Since the pandemic, tamaki niime’s online content has been crucial in sales of colourful one-item products and delivery of the brand’s variety of charms. So I asked them to reflect on the timeline from the beginning to now.
- Motooka
- Yes, I have.
—— Mr Hashimoto and Mr Kubo are on the Toru team now. Both teams work together to make online content, right?
- Kubo
- That’s right.
—— I have reviewed the interviews from the past two years and found you all used to belong to the Wa team. But after that interview, the Japanese Government announced a State of Emergency Declaration for COVID 19…
- Motooka
- Yeah.
—— When you couldn’t sell your products at the store, you responded to the need for masks worldwide and ‘Tamask’ was born. Your Online Shop, which started at the beginning of the year, suddenly began working harder.
- Kubo
- Yeah, we got so confused at that time.
- Motooka
- (laugh)
- Hashimoto
- At the time, we were unified as a company, but each team looked like they were being disbanded. I used to be in the Sewing team.
—— Oh, yeah, that’s right. The whole company worked to make masks.
- Hashimoto
- I went to many teams’ sections. I also cut pieces of cloth.
- Motooka
- Were you cutting cloth?
- Kubo
- Yeah, I cut cloth as I worked for the online shop.
- Motooka
- Well, we were helping the process and finishing-up work.
- Kubo
- That’s right. I remember we were doing that. We were hurrying to make masks anyway.
—— With the Emergency Declaration, the company shuffled up our staff roles.
- Kubo
- Because we couldn’t catch up on the production after all.
When they had the most challenging time running their business, selling at the shop and having events at department stores during the pandemic, tamaki niime started a new phase in the creation and production of Tamask, responding to mask needs and opening online shops which made it available to sell products through the internet.
In critical situations, they showed tamaki niime’s flexible and speedy unique creations and organizational power, which looks like a great chance to take their brand to a higher level.
—— For the last two years, you showed us excellent results with Online shops and developments of LINE-based outbound messages. Did you work on using online even before the pandemic?
- Motooka
- Yes, we started preparing around fall in 2019. We took 2 or 3 months to renew the website of ‘B to B’, which is for wholesalers and finished in November. Then, having it as a base, we set up the online shop site for regular customers, which took about 3 to 4 months.
—— When you knew that you couldn’t expect any customers to come to the store because of the Emergency Declaration, you already started online shopping, right?
- Motooka
- We opened the online shop on February 2, 2020, when COVID hadn’t yet been discovered in Japan, but at the end of February, the situation became so urgent that we decided to sell masks. I remember we had already made Tamask in February.
- Kubo
- You are right.
- Motooka
- In March, we posted to sell the masks online, and they sold out instantly. We started to make reservations for them in April.
- Hashimoto
- Yeah, we already made a special reservation page in May.
- Kubo
- After making masks, we took pictures and uploaded online, and they sold out quickly. And we had situations like that for a while, so we decided to take reservations. Well, all the staff worked hard making them and taking pictures.
—— Do you remember how you felt around that time?
- Motooka
- We experienced this while still learning how to work the online shop. It’s hard to compare to before, but I was surprised by how many orders we received from customers who didn’t know us at all but came to know us through masks.
—— How did the new customers come to your online shop?
- Kubo
- I wonder if sending a press release worked?
- Motooka
- We also posted on SNS regularly.
- Hashimoto
- Yes, we did.
- Motooka
- Since many people have been following our Instagram, they knew when we would sell masks. There was a time everyone jumped on buying masks.
- Kubo
- We were even interviewed.
—— I also saw it featured on TV.
- Kubo
- The newspaper interviews reached the people who really wanted masks.
—— Triggered by Tamask, it looks like your shopping website’s online content is getting better. How were other products besides masks?
- Motooka
- We set up the website and planned to upload the products we liked. But as we were about to start it, we had to sell masks. So after that, when things settled down, we worked on uploading items that we still didn’t have yet.
- Hashimoto
- I think we were given an opportunity that we had customers who knew masks, and they started to like our shop and buy other products besides masks.
- Motooka
- We were desperate to make masks and sell them at that time. (laugh)
—— You couldn’t think of sale strategies or things like that.
- Motooka
- In the beginning, we hoped that the online shop would help people get to know us and we could develop gradually.
—— As a result, Tamask attracted people and made connections with new customers and let them know about other products, right? They became fans of tamaki niime.
- Kubo
- We made the masks, which brought a great deal. Because they touch a very sensitive part: the mouth, you feel how good the texture is. If we had dealt with other products, it wouldn’t have happened like this.
—— It was an excellent opportunity to help people experience tamaki niime and our specialty of soft and comfortable touch textures, which people can only tell by touch how good they are. But, of course, they could experience that with all the other products.
About LINE delivery: they deliver tamaki niime’s rich contents daily and have been developing daily-increasing in quality-creation; introducing products, talks of Tamaki and Sakai, scenes from staff’s daily life, rice paddies and fields, upcoming events and even this Encyclopedia of niime.
—— When did you start delivering on LINE?
- Kubo
- It’s been more than a year since we started daily delivery.
—— As a tool for promoting tamaki niime’s daily life, you told us that you dare not edit at all at the beginning of your plan.
- Kubo
- Yes, we did it at first, but we changed it because not all the staff were good at public speaking. Recently they have gotten better.
- Hashimoto
- They are getting used to being on video.
- Kubo
- Some of them even enjoy being on video. One of them is Keiji Taniguchi. He is called our ‘Johnny’s’ pop star of. (laugh)
—— His personality is essential to us.
- Kubo
- We started with talks of the boss and Sakai at first. Gradually we added the pieces of equipment arranged by the company.
—— You did it on YouTube first and then delivered on LINE.
- Hashimoto
- (talking to Kubo) Even though we belonged to the same team, you did YouTube all by yourself, right?
—— What were you doing then, Mr Hashimoto?
- Hashimoto
- I was in charge of object shooting and artwork photographs.
- Kubo
- I did it alone for about half a year after starting the LINE delivery. When we decided to deliver daily, we realized we needed someone who can shoot videos and another who determines the content…so we got Mr Hashimoto, who knew how to shoot, Ms Togo, and Mr Inagaki, who was new at the time. So the four of us have been doing it as the video team.
—— What made you decide to use LINE?
- Kubo
- The decision was made by the boss. Unlike other SNS, she likes it because LINE has the strength of communicating individually, which creates a closer connection to the message. We use LINE as a delivery media.
—— I receive messages on my smartphone at 8 pm every night.
- Kubo
- It is sent at 8 pm regularly, and it became routine to send it daily.
—— Getting messages simultaneously, I think people who receive messages make a habit and enjoy tamaki niime messages daily. Ms Motooka, at that time, you belonged to the Wa team and worked on developing the Online Shop, right?
- Motooka
- Yes, I did. It was just a year after opening our Online Shop, and I didn’t know how much we could sell online. So we guessed and tried to make content for a ‘special feature’. A year of struggling followed while I was not used to selling things; no one had ever experienced selling online.
—— As I opened your online website, I was first drawn to the colourful product lineup. Even more, each item is a one-item product.
- Hashimoto
- ‘News’ on the very first page was a struggle at first, which was only written with letters like “we uploaded new items!”.
- Motooka
- That’s all we did.
—— When did you add the “selecting from colours” to the category?
- Motooka
- That used to be the one you choose from the machine types of power looms, shuttle looms, or rapier looms.
- Motooka
- We made it choose from different colours after a year and a half, which is pretty recent.
—— What do you think of your role of connecting with customers and staff as you belong to the Wa team? You could see the sales data of LINE earlier, right?
- Motooka
- Yes, I could, such as knowing what colours to sell more.
—— You could tell the creative staff.
- Motooka
- For opening the Online Shop, taking photos of each one-item product was done, centring on Mr Hashimoto a year before the start, and the team fulfilled their efforts.
—— I see. That really worked.
- Motooka
- We knew how much sales were made at wholesale stores or department stores but didn’t figure out exactly what colours, what items, or how many different items each sold, but because of the Online Shop, everyone was able to know them now and using that system we can learn all the details of what kind of products are sold even at the physical stores. That was great.
—— I see.
Even though it’s a little effort, we post the printed-out chart of good sales items so everyone can see, and we could request sold-out colours or discuss if we should make the popular colours from the same time of the previous year for this year. So it provides us with important long-term beneficial data. Using this data, we have been communicating with the creation staff.
—— You read the data and give them advice.
- Motooka
- There are types of colours to be sold naturally without effort, and potential colours to be able to sell in making our efforts needed to be understood and appreciate their beauty. Knowing such colours is hard in just reading the data, so we tell the creation staff about it.
In the award event; ‘The new creation from producing land’, tamaki niime won the good design award in 2021 for all their efforts, evaluated highly for the totality of diverse activity on the land of Banshu-ori. Moreover, the video comfortably introduced the essence of the beauty of the tamaki niime brand in 5 minutes.
—— I think the introduction video of the award tells that tamaki niime is a diverse brand, not limited to Banshu-ori products.
- Kubo
- When Mr Fujimoto was asked to apply for the award, we didn’t know if we should do it or not, but I suggested going for it: “I will make a video.”
—— So, you are the first one to raise your hand?
- Kubo
- Well, we were almost one step toward making a decision, so I said, “let’s go for it!” (laugh)
—— You push their backs, right? (laugh)
- Kubo
- And the boss said, “try it!” The boss didn’t order us at all. Mr Fujimoto wrote down the story I thought of, and we made a video along the story.
—— I see. You fully expressed your thoughts.
- Kubo
- I had been thinking of making a brand video before that.
—— I see.
- Kubo
- So it was great timing to be able to apply. I didn’t mean to make the video to get ‘the good design award’, but the timing was the deadline for the award.
Is that so?! How do you put the charms of tamaki niime into five minutes of video? Or express it? I think applying for ‘the good design award’ was a good chance and an outstanding performance.
- Kubo
- Yes, it was fortunate to get the award.
You can see the video showing the award ceremony on the YouTube channel. It shows tamaki niime’s colourful work throughout the video with soft and beautiful pictures. The video starts by showing the staff’s rice planting scene for making ‘niime rice’ and weaving machines ticking rhythms comfortably. It’s also impressive that the video shows many hands beautifully working to create various products.
- Kubo
- I have been trying to make the one you could enjoy anytime in the long term. I didn’t want to make one for temporary enjoyment.
—— I understand.
- Kubo
- I tried to make the one that may not be overly impressive the first time you watch, but people could still enjoy watching it again and again.
—— You mean the one people can enjoy watching many times, right?
- Kubo
- That’s what I was trying.
—— It must be suitable for your body, which stays in your heart.
- Kubo
- I didn’t mean to include the meaning of our messages. I just projected sceneries of a day.
—— It makes me feel that it has a universal appeal that would not fade away even after 10 or 30 years.
- Kubo
- I could add it after we have more work and activities.
—— You could add more shootings! In that sense, you did express the ‘fundamental tamaki niime’ in the video, right?
Not loudly telling the message, but I got the impression that the video was well done explaining the core of the brand’s mission, which is “Making things to align earth distortions”. —— Mr Hashimoto, did you get involved in making this video a lot?
- Hashimoto
- He used the videos I took in the past.
- Kubo
- Since there were some scenes I couldn’t take in real-time. It took a whole day to shoot. So, the title is ‘A Day of tamaki niime’.
—— Everything is connected to the rice planting scenes in the opening. It shows an ordinary day of tamaki niime.
The three people in charge of the online works continue sharing rich episodes from 2 years of activities. For the following interview, work on the brand’s core and how they do it and talk about the prospects of tamaki niime. You can see their real faces having fun and enjoying creativity in daily work. Please look forward to it!
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.