niime 百科
Encyclopedia of niime
「まくチーム」、全てが循環する“農的暮らし”のビジョンを語る。
〈後編〉
Maku Team discusses their Vision: The cycles of Farming Life.
〈後編〉
2022 . 11 . 07
〈前回からの続き〉
柳 「映画『ビッグ・リトル・ファーム』で観た、循環のもとになるものは植物、虫、果樹とか土壌細菌とかはもちろんあるけど、“動物”っていう存在がすごいキーになってくるんですよ。」
—— ふぅう〜ん。。
柳 「たぶん、ウチの社長の内にはもともと漠然とあったのではと思うんですよ、そういう生き方とか暮らし方というものが。ただはっきりとしたカタチ、ビジョンとしては現れてなくて。たぶん、僕が送った『ビッグ・リトル・ファーム』という映画に触れて、同じような景色を観ることが出来て…そこからガーッて進んで行き出して。ヤギを飼い始めたのも、その第一歩というか。僕らの方から、ヤギを飼わせてくれませんか?って言って提案させてもらって。」
—— そうだったんですね。
柳 「まずは自分たちで飼育してみないと。『生きものを扱う』ってことをわかってないままで進んでゆくのも難しいからと。まずは除草。ウチの農地は法面がたくさんあって、傾斜の草刈りが大変なんで、ちょっと手伝ってもらえるかなというのもあって、ヤギを飼わせてもらったんですけど。」
—— はい。
柳 「飼い出して…なんて言うんやろう、単純に物質的な豊かさがこの子たちを飼うことによって得られるというわけではないんですけど、気持ちが癒されるし、心がすごく豊かになった気がするんですよ。生活としても『まくチーム』の仕事としても、この子たちと一緒に働くってゆうのは。最近思うのは、これが無茶苦茶大事なんじゃないか?って。」
—— 心のゆとりや豊かさを与えてもらってると。
柳 「もちろん『まくチーム』は物質的な循環も創ってゆくチームだとも思ってるんですけど、この子たちがいるから明日も頑張れるな、明日も面白い一日になるな、とか。そうゆう生きる上での精神的な循環も、『ビッグ・リトル・ファーム』のような農的暮らしを目指す上ではすごく大事で。それこそが豊かな暮らしかな、って僕は思って…無茶まとまらんな、ビジョンが(苦笑)。」
—— いいっすよ。まとめるのはこっちの役目なので。
柳 「(笑)。」
福森「…想いがわかる(笑)。」
柳 「で、動物って分野でこの冬、来年の初めくらいかな?」
福森「うん。年明けくらい。」
柳 「いよいよ走り出すんですよ。」
—— おおっ!その話をぜひ。
柳 「単純に言うと、増えます。動物が。」
—— 飼育する動物の頭数が増える?
柳 「はい。倍以上に増えます!」
—— へえぇ〜〜!!
柳 「モノづくりのための素材というところで、獣毛系の繊維は他にもたくさんあって。カシミヤとかモヘヤとか…そういった子たちを飼育してみようと。tamaki niimeのストーリーとつなげつつ、『ビッグ・リトル・ファーム』構想としてカシミヤヤギ、アンゴラヤギ、アルパカ…あと、クロハナヒツジっていう…アニメ『ひつじのショーン』のモデルなんかな?」
福森「無茶かわいい…。」
柳 「超カワイイ。それが日本で飼育されてる例がほぼないくらいレアな、希少種で。そんな子たちが各6頭くらい来るんですよ。」
—— はぁ〜〜…。スゴイですね。
柳 「だから合計24頭とか、ウチにやって来る予定なんですよ。そこを共有したい、理解してほしいのもあって、『まくチーム』のビジョンというのを、全体ミーティングで発表させてもらったんです。」
—— なるほど。一気に増えますね…。
柳 「ついにtamaki niime に雄(オス)の動物が来るんですよ。」
—— ずっと雌(メス)ばっかりやったんですか?
福森「前は白いヒツジさんの男の子がいたけど、亡くなっちゃったのもあって、今ウチに存在してるのは雌しかいなくて。」
柳 「で、その各6頭ずつの中に雄が2頭雌が4頭で、言ってみればブリーディング、繁殖も可能なカタチでtamaki niimeに来るっていうことで。」
—— それはスゴイですね。いよいよ…
柳 「いよいよ始まったというか。なんか、その子たちを現状ここの場所だけでは手狭なので、すぐお隣の黒田庄町の福地にあるウチの山も合わせてまずはやってみようという計画です。で、ゆくゆくは山付きのもっと広い土地が手に入ったら、動物が安心して気持ちよく暮らせるような空間は、絶対人間にとっても気持ち良くて安心できるような空間であるはずだと思うので、動物の暮らしだけじゃなく人の暮らしにも寄り添って…」
—— うん…。
柳 「で、プラス、果樹栽培だとか養蜂だとか色んな要素を加えた、複合的な場所を創ってみたいというのがあって。実際来年からは山の中でのコットンに挑戦しようかと思ってて。」
—— あぁ…それは面白そうですね。
柳 「はい。滅茶苦茶面白そうじゃないですか、なんか。想像しただけで面白いなって思って。」
—— うん。
柳 「米づくりにもこの子たち動物に循環の一部になってほしいと、米の栽培方法の見直しもやろうと思ってます。」
—— 動物が絡む米づくり。
柳 「はい。今考えてるのは、『少耕起栽培』で。トラクターの重みによって、田んぼに硬い土の層が増えてくる。稲も深くまで根が張らないと大きく育たないので、硬盤層を減らしてゆきたいというのもあって、なるべくトラクターが入る回数を減らしたい。ね?」
福森「うん。」
柳 「なるべく春・秋起こしとか荒起こしとか代掻(しろか)きとか、トラクターで鋤く回数を減らしてやってみたいと。とりあえず秋冬の間に田んぼの土の表層部分がそのまま晒されるのが嫌で、緑肥作物の種を撒いて覆っておく。春になったタイミングで動物たちを放って放牧地を兼ねるような。除草もしつつ土づくりしつつで、そのまま代掻き一回で田植えまで行けへんかなと思ってて。」
—— ふぅんん…。
代掻きの回数をいきなり減らすと機械を使う田植え作業では表土が硬くて苗が上手く植わらない心配があるそうだが、柳によれば、tamaki niimeの田んぼでは、田植えイベントを実施して人も動員し手植え作業ですべてをこなしているため、少々土が硬くても苗植えが可能だという。
柳 「最初のうちは硬いかもしれないけど、これを何年か繰り返してゆくうちに土が柔らかくなれば、いけるんじゃないかと。全然米づくりシロウトですけど。動物たちと一緒にやってゆく、そういうビジョンがあって。」
—— はい。
柳 「ゆくゆくは牛とか馬とかも来たら、その子たちが農耕牛・農耕馬としての役割を果たしつつ循環してゆけば無茶苦茶面白いなと。それは日本だからこそ出来る循環かなと。」
—— なるほど。米づくりを軸にした。
柳 「そういうビジョンもありつつ、一方で教育というのも無茶苦茶大事かなと思ってて。飛躍し過ぎかもしれないですけど。」
—— いえ、すべてはリンクしてますもんね。
柳 「いやほんと、リンクしてると思うんです。」
—— うん。
柳 「僕らの想いが次の世代につながっていかないとこの場所も継承されていかないと思うし。植物も生きてて動物たちが生きてて、どんどん続いてゆくものであっても、人間の“想い”が途絶えてしまうと、この場も途絶えてしまうんじゃないかと。やっぱり、動物たちをそこには本来いなかった場所に連れて来て飼育するってことはそれだけの責任があって。動物たちを次の世代につないでいくのなら、同じく人間も“想い”を次の世代の人たちにつないでいかないとと思うので。そんな風に、1ヶ所で人も動物も植物もという景色を創れたら、そこで教育の場もやってみたいし、最後、人生の終わりを迎えるような人たちの場も合わせた、そんな生命の循環の場を西脇で創れたら、素晴らしいんじゃないかと。」
—— …それはとても素晴らしい考えですね。
柳 「そんなビジョンが、社長とも話しながら出来てきて。僕一人のビジョンじゃなくて、tamaki niimeのビジョンが。」
—— まさに「niime村の創造」につながるビジョンですね。
柳 「現状、世間ではtamaki niimeはアパレル・ブランドという認識が強いと思うんですけど、もう10年も前から社長も酒井さんも色んなことやってるし、そこは絶対違うんですよ。そもそも自分たちはアパレル・ブランドとは思ってないんですけど、やっぱそこ以外のカタチがあまり出来てないから。この構想が実現してゆけば、アパレル・ブランドという殻をぶち破って、tamaki niimeが新しいステージに上がれるかなと思うので。」
—— なるほどですね。
柳 「まずは動物たちが増えることによって、少しはそこの循環の構想が見せられるかなと思ってるんです。」
—— “見える化”ができると。
柳 「ある意味来年は、『まくチーム』にとってもtamaki niimeにとっても、面白い一年になればいいなと思ってますね。」
—— 福森さん的には今のお話どうですか?
福森「まさに今年は“種まきの年”って感じで、今年やり始めたことがいけるんじゃないかという手ごたえが今感じられてきたから、来年むっちゃ面白くなるな、というのが想像できるので、愉しみではありますね。」
—— 2年前にこの「niime百科」で福森さんにインタビューした時はまだ柳さんも入社する前で、当時は色んな農法を試して試行錯誤してた段階だったと思うんですが。
福森「植物を育てるにあたって、なるべく余計なことは何もしないようにとやってはいたんですが、やっぱり必要なものもあるし。菌ちゃんの土づくりやと、すごく土が、森の中や、山の土みたいになって。キノコとかコケとかも生えてて。」
—— ええ〜ッ!
福森「その土づくりに使ったのが雑草とか、もみがら、あと竹チップ。なので、全部自然にあるものを使ってるんですけど、それでまかなえてるっていうか。以前は肥料入れたり堆肥とか使ってましたけど、その辺にある有機物で出来るっていうのはむっちゃスゴイなと。ホームセンターとかで肥料は売ってますけど、コロナの影響だったりで色んなものが輸入が難しくなったりしてる中で、ここにあるものを活かしてやっていけるってスゴイやり方やなと思って。やっぱり理にかなっているし、日本て色んな面で自給率が低いから、なるべく自分たちでなんでも出来る状態にしていけるようになれば良いかなと思って。それが今年になって目に見えたのがスゴイ面白い。」
—— あぁ〜…。なるほどなるほど。
福森「愉しいですねぇ。」
—— 菌ちゃんの土づくりは特別な肥料とか必要なくて、その辺の自然の素材で出来るわけなんですね。
福森「近所にある食品工場で、敷地がすごく広くて、雑草に除草剤とか使えないから、毎年草刈りを大変な思いでされてるんですよ。その刈り草をお金を出してゴミとして処分しておられるのを、私たちはすごく草が欲しかった時期で、ちょっと草をいただけませんか?と訊いて(笑)。いただいた会社さんにも喜んでもらえたし、あとその辺の竹林とかも手入れが行き届かずで荒れてるんですけど、それもウチで刈って、けっこうスッキリとなって、近所の人たちにも喜んでもらえたりとか。なんか、邪魔って思われているものが、私らにしたらすごい宝物なんで(笑)。」
—— 素晴らしい…。自然の理にかなってますね。お金をかけず無駄もない。それだともう肥料を投入するというのではなくて、菌を繁殖させる土づくり。ほんとに肥料入れてないわけですか?
柳 「マジ入れてないッスね。」
—— スゴイッスね、それ…。
福森「パートさんが近所の方なんですけど、コットンも自宅のお庭でつくってくれてて、あまり出来が良くないなとか話してたんですけど、今年私たちが大きなコットンを栽培できるようになったんで、私もやってみようかなと言ってくださって。」
—— おお〜。
福森「始めて一年目なのでまだどうなるかわからない部分もあるんですけど、まさに吉田俊道先生は菌ちゃんの土づくりを広めようとされてるので。tamaki niimeでは、コットンを色んな方に栽培していただいてその買い取りをしてるんですけど、この土づくりを提案できるようになったら、『菌ちゃんふぁーむ』さんの農法も広められるなと思って。」
—— ふむふむ。
福森「そしたら農業もより良く変えていけるし、さらに広がりが出来ていいなと思って。」
—— なるほどね…小畑さん的には、北海道で体験した農業があるわけですが、全く違う感じですか?
小畑「北海道の農地は広さが桁違いで。僕が行った農家さんがゴボウ農家で、慣行農法で農薬も使ってたんですけど、大規模で効率化というところであれは機械がないとできないなと。こことは全然違いますね。」
—— もう真逆に近いですよね。
小畑「季節労働で基本、収穫と選別がメインなんで、栽培までガッツリは関わってないんですけど。」
福森「そうかそうか。」
小畑「それもあって悩んだんですけど、やっぱ『つくる』部分とかに関わりたいな、っていう想いがあって。それで探している中で、誘われてここに来たって流れです。イチから関われるってところで。」
—— もともと柳さんとは友だちで。一緒に農業やりたいなというのがあったわけですよね。
柳 「そうですね。僕は本当は大学卒業して農業で独立したかったんですけど、色んな農業就職フェスとかも行ってみたところ、全然ピンとこなくて。色んな農家さんに話を訊いたら、結局何をやるにしてもお金ないと出来ひんよ、って言われたんです。」
—— あぁ〜…。
柳 「別にそんなに早く就農せんでもええやん、とりあえず社会人になってお金稼いだら、みたいに言う人もいて。僕もそれもそうかと思って最初社会人を2年くらいやって、でも、ほんまにこれって近道なんかな?って疑問に思ったんですよ。その頃マコ(小畑)はフリーターで季節労働の農業体験とかしてて、そっからどうしようか?みたいな段階やったんですけど、僕がtamaki niimeに来て、色んなことを知って、自分のやりたい方向性も見えてきて、これは共有した方が良いなって…しかも人手が足りてなかったから(笑)。」
—— (笑)。
柳 「菌ちゃんの土づくりも始まって、無茶苦茶大変で、いやこれヤバイなってなったな?」
福森「うん。なったなった(笑)。」
柳 「で、ちょっとこれは人要るぞ、早く要るぞ、ってなって…エエのがおるわ!って(笑)。」
—— (笑)。それがタイミングだったと。
柳 「で社長にも相談して、OK出て。入社して、今に至るという感じなんです。」
福森「マコちゃんがまたパワーがスゴくて。」
柳 「パワーが違う。」
—— 腕まわりが違いますよね。
福森「ちょうどピッタリ。」
—— パワフルな小畑さんも加わって、チカラ仕事もバッチリ。
柳 「ですね。安定したし。」
福森「バランスが取れてる。がっしりしたよね。3人トライアングルで。」
—— 来年は動物の方が多くなるという。
福森「ほんまや!」
—— 動物さんたちが働いてくれる感じ?
柳 「はい。更に面白いチームになりますね。」
—— カシミヤだったりモヘヤだったり。コットンも含めて作品づくりに還元されてゆく部分も愉しみですね。
福森「ゲームみたいに、まず畑やって、蜂さんとか呼んで、ほんならリンゴの樹とか植えよか、牛さん飼おか、牛さん飼ったら牛乳摂れるからチーズ作ろか?みたいな、な?どんどん増えていく。広がる(笑)。」
柳 「そう。同じ場所で出来てないだけで実は養蜂もチャレンジしてますし、果樹もこの裏庭に植えました。」
—— そうなんですね。
柳 「今年はまだ蜂は来なかったしまだ樹は植えたばかりだけど、要素要素は取り組んでて。あとはそれらすべてを一箇所で組み合わせられればと。ヤギも要素のひとつやしな?」
福森「うん。そうそう。」
柳 「菌ちゃんの土づくりも、本来山の中にある糸状菌という菌種を増やすんですけど。」
—— シジョウキン?
柳 「糸状の菌と書いて。」
福森「糸みたいな白い菌で。よく地面に落ちてる木の枝とか、影になって湿っているようなところに白い菌が付いてるんです。」
柳 「山の中にはいっぱいおるもんな。そうゆう微生物の増殖を助ける環境を畑の中に作っているだけなので。その糸状菌とコットンの相性が無茶苦茶良いっていうのを確認出来たので。」
—— はい。
柳 「それを活かして来年は山の中で色々とやってみようと。これまでの要素要素を組み合わせて、『まくチーム』のビジョンをそれこそわかりやすく『見える化』する、というのが今後の目標かなと。無茶ワクワクするな、来年な。」
福森「こういう風に出来るとわかってきたから頑張れるよね。漠然としててわからなかったことがひとつひとつ、点でわかって、つながってきて、来年は線になると思うんです。」
「niime村構想」における様々な取り組みが線となりやがて循環するように丸くつながってゆく。
当初、社長・玉木の内側でおぼろげに、しかし確かな確信を伴って現れていた「niime村」のビジョン。
そのビジョンが、“当たり前”の生き方や農業のあり方とは違った方向性を模索しながらtamaki niimeにたどり着いた「まくチーム」の3人それぞれの想いとシンクロし、彼らの手によって、具現化されて来ている。
ともすれば息が詰まるような現代社会にあって、オルタナティヴでかつ本質的な農的暮らしの営みが、ここ「日本のへそ」でワクワクと胎動し、生まれつつある。
止めどなく溢れ出るビジョンを語る「まくチーム」とのトークから、そんな未来への希望を感じた。
書き人越川誠司
< continued from the first half >
Yanagi: The plants, bugs, fruits, and soil bacteria are the original elements for the cycle of life in the movie Big Little Farm we watched, but the animals are the most crucial element.
—— Hmm.
Yanagi: Our boss probably had that idea of such a lifestyle and way of living, even though she didn’t have a clear vision. Watching the film, Big Little Farm, that I sent, she could have the same concept in her mind and was inspired. Keeping the goats was her first step which was my suggestion to ask her to try.
—— Is that so?
Yanagi: First, we needed to start keeping animals by ourselves. It would be easier to do by understanding how to save animals. The first job for goats was removing weeds. We wanted them to help us to do it because we had a lot of hilly areas that were hard for us. That was also one of the reasons we asked her to keep goats.
—— I see.
Yanagi: What should I say…after keeping them, I don’t think we gained material wealth from them, but we felt warm and were reinvigorated by them. Living or working with them as the Maku team, I recently think it’s imperative to have such feelings for us.
—— They give you a more fullness and capacity of the heart.
Yanagi: Maku team needs to pursue making materialistic cycles. Still, we need mental processes for working with them, believing in having a good day tomorrow, which is very important to have a life of farming like Big Little Farm. I think that’s the richest lifestyle. I am unable to assemble these thoughts. (haha)
—— It’s all right; I must process what you said.
Yanagi: (laugh)
Fukumori: I understand what he thinks. (laugh)
Yanagi: Well, this winter, I mean around the beginning of the next year?
Fukumori: Yeah, from early next year.
Yanagi: We’ll finally start.
—— Oh, I’ve been waiting for that news. Please, explain.
Yanagi: Simply saying, we will have more animals.
—— You will increase the number of animals?
Yanagi: Yes, we will increase by more than double.
—— Wow.
Yanagi: As the materials for making products, many animal fibres, such as cashmere and mohair, are used. We want to try to keep them. Connecting with the stories of ‘tamaki niime’, the plan of having a farm like Big Little Farm, we want to keep cashmere goats, angora goats, alpacas…and black sheep that is the model of the movie Shaun, the sheep.
Fukumori: They are charming.
Yanagi: They are adorable and very rare kinds that nobody has kept in Japan, but they are coming here.
—— Wow! That’s incredible.
Yanagi: So a total of 24 animals are coming here. I announced it with the vision of the Maku team at an all-hands meeting because I wanted to share the news and have everyone understand it.
—— I see. You will increase by how many?
Yanagi: We’ll finally have male animals at ‘tamaki niime’.
—— You’ve had only females so far?
Fukumori: We used to have a white male sheep, but he died. The ones we have now are only female.
Yanagi: There are two males and four females in each of the six kinds of animal, which means that they have a great possibility of breeding at ‘tamaki niime’.
—— That’s great! Finally …
Yanagi: We could say it finally begins. Our place right now is too small to have them all, so we plan to put some of them in mountains next to our town, Fukuchi, in Kurodasho. In the future, we hope to get ample land with mountains. The space where animals feel comfortable and secure should also be comfortable for humans. We want to consider the life of humans, not only animals…
—— Yeah…
Yanagi: We hope to make multiple gardens for fruit cultivation, beekeeping, or other products. We are considering the challenge of growing cotton in the mountains next year.
—— Wow… that sounds interesting.
Yanagi: Yes. It really does. I am very excited to think about it.
—— Yeah.
Yanagi: I hope our animals get involved in the cycle of rice making. And I am rethinking the way of rice making.
—— Animals getting involved in rice making.
Yanagi: Yes, I think less tillage cultivation. Rice fields increase the hard layer of soil with the weight of using tractors. Also, the roots of rice plants need to spread under the deep sites to grow big. We want to avoid using tractors as much as possible to decrease complex layers, right?
Fukumori: Yeah.
Yanagi: We try to plough as few times as possible with tractors instead of just ploughing in spring and fall, coarse ploughing, or ploughing and irrigating the fields. Since I wouldn’t say I like the surface of rice fields exposed during fall and winter, we cover them with fertiliser seeds for green vegetables. Then, when spring comes, we put animals there like its grazing land. While removing weeds and making grounds, I hope to plough and irrigate the fields just once and make it to plant rice plants… I will hopefully get it done.
—— Hmmm…
Reducing the amount of ploughing the fields before transplanting rice seedlings using tractors, we can’t plant the rice well because the soil surface is too hard. Still, according to Yanagi, it’s possible for the rice fields of ‘tamaki niime’ to plant on even medium soil because they were planted with the hands of people gathered for the events.
Yanagi: It may be hard for the first few years, but it would be softer in some years if we repeat it like this. Although we are not professional farmers at all, we have the vision to be able to do well with animals altogether.
—— I see.
Yanagi: In the future, we may have cows and horses, making their roles in ploughing, which cycle works must be interesting. This is the cycle that only we can do in Japan.
—— I see. It’s the cycle centred on rice making.
Yanagi: Keeping such visions, on the other hand, education is crucially important. Do I sound like I am jumping too far?
—— No, everything is linked.
Yanagi: Yeah, everything is linked.
—— Yeah.
Yanagi: If our ideas don’t pass to the next generation, we won’t keep this place. Even though humans and animals will continually live and keep going, this place will be extinct if our desires aren’t shared. We are responsible for bringing animals that didn’t live here. If we want them to connect with the next generation, we humans must also pass our thoughts down to the next generation. I hope we can create such a place even only in one spot where people and animals work together. I want to work for education, and it would be wonderful if I could create a place for the people who spend their last time of life, such as a life cycling spot in Nishiwaki.
—— That would be a fantastic idea.
Yanagi: I had such a vision while talking with the boss. It’s not only my vision but also ‘tamaki niime’s.
—— That’s precisely the vision that you can connect with ‘the creation of niime village’.
Yanagi: At present, ‘tamaki niime’ is mainly recognised as an apparel brand company, but that’s not true because the boss and Mr Sakai have been doing many other things for ten years. We just haven’t accomplished any other jobs besides apparel. So if we could succeed in this plan, we could get out of our image, and ‘tamaki niime’ could get on a new stage.
—— I see.
Yanagi: First, by increasing the number of animals, we can show our plan of the cycle more.
—— It will become visible.
Yanagi: In a sense, I hope the next year will be an exciting year for the Maku team and ‘tamaki niime’.
—— Ms Fukumori, what do you think about the ideas he discussed?
Fukumori: It looks like we planted the seeds this year. We are feeling good about the responses to what we started doing. We are excited to see something interesting next year.
—— When I interviewed Ms Fukumori for the ‘Encyclopedia of niime’ 2 years ago, Mr Yanagi was not here yet, and it was then that you were still trying many farming methods.
Fukumori: For Cultivating plants, I tried not to add unnecessary fertiliser, but I still used some. However, using ‘Kinchan’s soil method’, the soil became like the one in the woods. Mushrooms and mosses came out and grew.
—— Wow!
Fukumori: The ones I used for making soil were weeds, rice husks, and bamboo chips, which are all natural materials. They work so well. I used to use fertiliser and compost, though. I was amazed that making good soil can be done with organic items around you. The fertilisers are sold in the stores; however, under the Coronavirus pandemic, it’s harder to import them. I am so impressed with the method that we can use things around us, and they work well. It is very reasonable. Since Japan depends on other countries for many things, we should try to make them ourselves. I found it interesting for this fact this year.
—— I see…I see.
Fukumori: That’s fun.
—— ‘Kinchan’s soil making’ doesn’t need special fertiliser, but you can make it with natural items around you.
Fukumori: At a food company in our neighbourhood, they have a large property and have a hard time cutting weeds every year because they can’t use weed-killer chemicals. We wanted their cut weeds, which they usually pay a disposal fee, and asked them if they could give us them instead. (laugh) They appreciated us. And we also cut bamboo in the forest, which had been left messy, and the neighbours were happy that we cleaned it all up. It looks like the things that people think as junk are treasures to us. (laugh)
—— That’s wonderful. It makes sense in the natural logic. You don’t spend money, and there’s no waste. In that method, you don’t use fertiliser but increase bacteria in the soil. Are you really not putting any fertiliser at all?
Yanagi: We are honestly putting no fertiliser.
—— That’s awesome. Absolutely …
Fukumori: One of our part-time workers lives in our neighbourhood and grows cotton at her house. She said her cotton doesn’t grow well but wants to try our way since she knew our cotton grew big.
—— Wow.
Fukumori: We are still unsure about many things since it’s only been a year since starting. Mr Toshimichi Yoshida is trying to spread ‘Kinchan’s soil making’. At ‘tamaki niime’ we have many people cultivate cotton for us at their places, and we buy from them. If we could suggest them to use that method, we could spread the way of ‘Kinchan’s farm’.
—— Oh, I see.
Fukumori: Then we could change farming in a better way and can make more connections.
—— I see. Mr Kobata, you have experienced farming in Hokkaido. Are they completely different from here?
Kobata: The farming area of Hokkaido is way different from other districts. The farmhouse I worked for grew burdock in a standard way using chemical fertilisers. Such places with large-scale and efficient systems have to have machinery. They are entirely different from here.
—— They are almost opposite to yours.
Kobata: I basically worked just seasons. They needed me for harvesting and selecting, but didn’t work growing vegetables.
Fukumori: I see. I understand.
Kobata: I thought about it because I wanted to work in cultivation. While looking for such opportunities, I was invited to come here. That’s how I came here. I came here because I could work starting from cultivation.
—— You and Mr Yanagi have been good friends, and you wanted to work in agriculture together, right?
Yanagi: Yes, honestly, I wanted to run farming independently after graduating from college and went to many recruitment agriculture job fairs, but I didn’t like them. Many farmers told me I couldn’t do it without much investment.
—— I see.
Yanagi: Many people advised me that I don’t have to hurry to run farming yet, but rather make money working for other jobs. I thought so, too, and worked at a company for two years. But I doubted it what I was doing was close to what I wanted to do. At that time, Mako (Kobata) was working as a seasonal worker in farming experience, wondering about his future. After I arrived at ‘tamaki niime’, I gained much knowledge, and found my direction, I thought I should better share it and ask him… because we had a shortage of workers. (laugh)
—— (laugh)
Yanagi: It was absurdly challenging to start with ‘Kinchan’s soil making’. Were we panicking?
Fukumori: Yeah, we were.
Yanagi: We needed workers. Get them quickly! I knew there was the right one! (laugh)
—— (laugh) He came here at the right time.
Yanagi: So we asked the boss about him, and he was accepted and got into the company. That’s how he came here.
Fukumori: Mako (Kobata) is compelling.
Yanagi: His arm size is massive.
—— His arm circumference is different.
Fukumori: He is suitable for the work.
—— It’s so helpful to have Mr Kobata, who is so powerful for heavy work.
Yanagi: Yes, it is. We became more stable.
Fukumori: We are balanced and more robust. We are an excellent trio.
—— You guys will have more animals than people next year.
Fukumori: That’s right!
—— Good animals will work hard for you?
Yanagi: Yes, we will be a more interesting team.
—— The product materials are cashmere and mohair, including cotton. It’s exciting to have them turn out to be the products.
Fukumori: Just like a game, in the fields, if we have bees, we can plant apples; if we keep cows, we can get milk or make cheese. We can add many possibilities and expand them. (laugh)
Yanagi: That’s right. We are challenged to have beehives not in the same area yet. We also planted fruit trees in the backyard.
—— Is that right?
Yanagi: We haven’t had bees yet because we just planted trees, but we are working on them. What we need to do is to gather them in one place. Having goats is one of the main works.
Fukumori: Yeah, that’s right.
Yanagi: With Kinchan’s soil-making, we could initially increase a kind of bacteria named filamentous fungus in the mountains.
—— A filamentous fungus?
Yanagi: They look like threads.
Fukumori: They are bacteria that look like white threads, which exist in the branches fallen on the ground; white bacteria sticking to wet, shady places.
Yanagi: There are many in the mountains. We are trying to create surroundings to increase such microorganisms in the fields. We affirmed that the filamentous fungus and cotton could go well together.
—— I see.
Yanagi: Making use of it, we want to try many things in the mountains. Linking points to points, we want to make it clear to show our Maku team visions; that is our future goal. I am so excited for the following year.
Fukumori: We could go forward because we can see now what we can do. The things we vaguely didn’t know became clear dots to link one by one, and they will be a line next year.
Many acts for ‘niime village plan’ are making a line and will create a cycle.
In the beginning, ‘niime village’ was a vague vision, but Ms Tamaki had a firm conviction about it in her mind.
Three people of the Maku team have been searching different directions from ordinary ways of living or farming and reached ‘tamaki niime’ by synchronising each thought. Finally, they are about to make it happen with their hands.
Possibly, we may live in a suffocating society today, but here ‘in the navel of Japan’, an alternative but essential farming life is about to be born.
I have felt much hope for the future from the Maku team members who continually discussed their visions.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.