niime 百科
Encyclopedia of niime
niimeレポ:中畑寮潜入記。
The niime report: a sneak peek report about Nakahata Dormitory
2023 . 05 . 21
そもそもの発端は昨年末、社長・玉木からの“探索指令”だった。
「最近“あそこ”がにわかに、人が群がる、なんか「核」みたいな場所になってるらしくて。」
そこでは、スタッフをはじめとして様々な人たちがひとつ屋根の下に集い、語らい合い、なにやら新しい“コミュニティ”が誕生しているのだという。
玉木「なかなか呼んでもらえないから、私はまだ属してないんだけど(笑)。そこに今悩める人が相談に行っては、皆んなのアドバイスをもらって元気をもらって、みたいな。よい場になってるなぁ…と。なので、ぜひ現地取材に行っていただきたいッ!」
山里にあるというtamaki niime中畑寮。ベールに包まれたナゾのコミュニティの実態を探り出し、この「niime百科」で余すところなく克明にレポートする…。
新たなミッションに武者震い。春まだ早い西脇山間部の肌寒さには身震いしつつ、一路私は現地へと向かったのだった。
西脇市は「日本のへそ」、岡之山のふもとにあるtamaki niime muraから北東方向へなだらかな谷を走ると、車なら10分ほどで市内中畑町ののどかな田園風景の中の一軒家にたどり着く。
3月初旬の日曜日。約束の時間は夕方7時。すでに日が暮れた周囲は道灯もまばら。古刹・住吉神社にほど近いと教えてもらっていた寮を探すのにちょい迷ってしまった私だったが、藤本隆太が道路脇に出て手を振ってくれた姿を目にしてなんとか無事到着。
現在はスタッフの玉木睦美と藤本隆太&石塚真奈一家が住み、柳凌介が一間を借りている建物は、広々としたダイニングキッチンを備えた11LDK(!)という物件。増築も重ねられ、田舎家らしくとにかく部屋数が多い。
1階はダイニングを取り巻くような構造で、睦美が離れ、藤本&石塚一家が母家部分にそれぞれに暮らし、2階は客室4部屋の構成。そのうちのひと部屋を「まくチーム」の柳が間借りしている。昨年からこの2月にかけての約半年間は「とるチーム」橋本訓典の一家3人も住んでいたのだそうだ。
今回の取材日は10日間の実践研修を控えた某服飾専門学校のインターン生3人を迎え入れる日でもあった。
にぎやかな歓声と満面の笑顔で出迎えてくれたのは藤本&石塚の愛娘マコちゃん(4歳)。一同、奥行きのある廊下を通って突き当たりを右に曲がったダイニングルームへ。
以前は地元の老夫婦の持ち家だったと聞いたがキッチンなど水回りの設備は全く古くなく、使い勝手も良さそう。ゆったり広いダイニングと居間にも、ゆっくり寛げそうな、のびのびとした空気感が漂う。
ただ、ヤンチャ盛りのマコちゃんと弟セイちゃんの遊び場と化してもいて、あれこれとモノが散乱してはいたが。。
「もう、ぜんぶひっくり返してるから、足の踏み場ないねんけど。」と、母・石塚。
引き続き藤本に寮内を案内してもらう。
「MAXでインターンの学生と業者さんとかお客さん、僕ら家族と睦美さん、合わせて15、6人泊まったこともあります。その時はすごかったですね…。」
LDKの奥には洗面や浴槽、洗濯機も2台設られている。お風呂は藤本一家の入居に合わせリニューアルされたそうで最新型。
「スタッフやお客さんが来た時に、ざっくりここでごはんを食べながらの歓談の場にしたいなと。」
ダイニングに戻って、石塚が話を引き継ぐ。家庭的な雰囲気のなかで、気兼ねのない会話が弾みそう。
「モノづくりミーティングにしても、こうゆう場だったら、気持ちが解(ほぐ)れる。会社だと皆んなシゴトの流れがあるから。社長も、ここぞという時に頼むと加わってくれるんですよ。」
なぁんだ、そうだったのか。
今度は石塚に2階のゲストルームへと案内される。階段を上がって右手にひと部屋、正面にふた部屋、左手にもうひと部屋が設けられている。もとは3部屋だったのを間仕切り、各部屋は天井を剥がして梁を出し、ロフト風にのびやかな空間に。
何より、廊下部分を含め2階の壁面と天井をクロスのように飾る生地やショールが圧巻だ!
石塚によれば、赤、グレー、青…と部屋ごとに色分けされているのだそう。まさに“niime room”。インターン生男子2名が宿泊予定の赤の部屋を見せてもらう。女子の入る小部屋はグレーが基調とのこと。
「越川さんは青の部屋にしました。…こちらは柳の部屋ですけど、勝手に入っていいです(笑)。」
“寮母さん”の許可を得て?野郎の住む部屋もチラと覗かせてもらった。中の様子は…ここには書かないでおこう。
「ここの部屋だけ、特別にサンプルとしてカーテン工場さんに創ってもらったカーテンを使ってるんです。だからこの部屋は…というか中畑寮は、色んなサンプル素材を試す実験の場でもありますね。」
そうか!中畑寮はtamaki niimeの「衣・食・住」を横断するモノづくり、その「住」におけるLabでもあるということなのだ!
そんなファブリックのお試しはもちろん、もしかしてtamaki niimeならではの実験精神は、「niime村」構想、人と人のつながり、新しいコミュニティのありかたをあれこれ模索する場として、中畑寮全体に及んでいるのではないだろうか?
石塚&藤本一家がここに引っ越して来たのは1年半前のこと。
「最初は睦っちゃんしか住んでなくて。それだと、家の守りが大変じゃないですか。で、私に二人目が産まれたタイミングで社長が、この家に引っ越したら?って軽い感じで(笑)。私もまず始めは育休中だったから皆んなを迎えられやすかったし。」
スタッフの悩み相談なんかも受け入れてくれるだろうという読みもあったのでは、と石塚。
1階を縦に貫く長い廊下を挟んでLDKと反対側にある和室・仏間と居間が一家の部屋になる。だが、冬の間はリビングへと居を移す。山間部の木造家屋の障子に囲まれた日本間2部屋は夏場は冷房なしでも涼しく快適なほどだが、反面、寒さが半端ないため、空調も整ったリビングへと避難しているのだそうだ。
そんな和室を囲む障子が無惨にも破れ放題となっている。古民家を改修した新しいわが家のリノベが済むまでの間、先日まで2階で暮らしていた橋本一家のひとり息子ソウちゃんとマコちゃんコンビのヤンチャ遊びの結果だという…。
「妙になんか静かやなぁ…?と思ってたんですよ。めっちゃ静かにしてると思ったら…障子全部破っとって…(ため息)。オーマイガッ!!…こんな穴の空いた部屋になって…もう、私たちプライベートもクソもないですよ。。」
そう嘆くお母さんのそばで、マコちゃんはまた屈託のない笑顔を見せるのだった。
「お互いを尊重しながらそれぞれのペースで過ごせていますよ。」
外の畑仕事が主であるだろう柳の帰宅もこの日は遅い。
晩8時。インターン生たちがそれぞれの部屋から集まって来て、恒例だという歓迎タコ焼きパーティーが始まる。
大阪にある服飾専門学校の同級生3人組。イクミくん・ハルくん・チカさん。実際の服づくりだけでなく、プロデュース業務なども含めトータルにファッションを学んでいるところだという。
皆でテーブルを囲み作ったタコ焼きを突きつつ、学校での学びやモノづくりについての話、プライベートな話題も飛び出し、次第に打ち解けてゆく。賑やかなマコちゃんのオイタにも和み効果が…。タコ焼きパーティーもたけなわの9時過ぎに睦美が帰宅。柳は10時近くに帰ってきた。
ふたりも輪に加わり、トークは恋バナも交えて更にざっくばらんな展開に。パワフルだったお子ちゃまたちもさすがに寝静まり、大人の時間…。
「中畑寮は、傷ついた者を癒やす場所。」
酔いも手伝ったのか、そうポツリと、柳が本音をもらす。
「ここに来れば、子どもたちがいて、お母さん(石塚だろうな)がいてお姉ちゃん(睦美のことか?)がいて、家族がいて、癒されるわけです。」
癒しを求めるその理由は…ここでは触れないでおこう。
「まっすぐな男なんです!(笑)」と石塚。
「よかった〜。中畑寮をそんなふうに思ってくれてて。」
「そりゃそうじゃないですか。常に癒されてます。…恩返しの意味も込めて、この中畑町のハタケを開拓中です。」
寮の周囲には、tamaki niimeとして借り受けている田畑=柳たち「まくチーム」のホームフィールドが点在する。熱い男=柳の語りに耳を傾けながら、中畑寮の夜は更けてゆく…。
もともとは市街地にある別の社宅に住んでいたという睦美は、寮の物件を購入後、人が集う場所を想い描いていた玉木から住んでみないかと頼まれた。
「最初はひとり暮らしだったから、ここのLDKでしか生活してなくて。」
そのうちにインターン生の受け入れが始まり、離れの部屋へと移動、2年ほど過ごしたのちに石塚と藤本たちがやって来ることに。
「ああ良いじゃん、となって。もちろん最初は心配もちょっとあったけど、その頃にはもうマコとも仲が良かったし。ああしようこうしようじゃなくてそれぞれが好きなようにやってるし、全然シェアするストレスも感じなかった。」
「ルールなしよね。」と石塚。
「キッチンとかも、イシ(石塚)がやりやすいようにやってもらってるから。」
「なんかちょっと話し合った方がいいよね、って時にたとえば『織チーム集合』とか、『まくチーム集合』とか。」
「傷ついた人も来ますしねぇ。。」と、再び柳。
「百貨店のスタッフたちが本社を訪れた時に泊まったり、あとはウチに就職したい人がインターン生として過ごして、また入社後に遊びに来たいとやって来るとか。」
「当時を懐かしんで(笑)。」
様々な受け入れパターンを考慮して、スタッフが暮らす場合は期間限定で。メンバーが固定化せず、人が入れ替わり立ち替わり出入りすることの風通しの良さも感じているという。
石塚「本社では基本シゴトの話だけだから、こういう場の方がもうちょっとプライベートも含めて話すので、人と人がつながるというか。」
「そうそう、恋愛の話とかね(笑)。」と睦美。
「そうすることで、関係性が良くなって遠慮なくお互い意見を言い合えるみたいな。そんな人と人の場をつくろうと私たちはやってるし。良い意味で利用してもらえればと。」
「社長の想いはあったけど、なかなか私ひとりでは難しかったところがイシが来てくれたことで、ちょうど産休中で、ごはんをつくって待っててくれたりとか、そうゆうのがあって。」
「同じ釜のメシを食うじゃないけど、寝食をともにするっていうのはとても大事!」
子どもたちが幼い時から色んな大人たちに囲まれて育つことの良さも実感する日々だ。
「マコなんてむっちゃ動じないよね。」
「動じない。公園とか出かけてもすぐ輪に入るし。」
「スタッフの子どもたちも会社に良く遊びに来てくれてるけど、マコが一番…」
「人に懐くな。もともとの性格もあるかもやけど。大人になってどうなるかが、むっちゃ愉しみ。」
良い意味でルールや型をつくらない。最低限の決め事だけで、あとはその都度自分たちで臨機応変に考えてやる。そんな中畑寮の基本スタンスはブランドtamaki niimeのありかたと通底していると思える。
「niime村」構想に則って、それを「住まう」視点から具現化してゆく、柔軟な共同生活の場。それが中畑寮の実態なのではないだろうか…。
愉しい語らいの宴も深夜が近づいて、もうそろそろと、私は2階へ上がり青の部屋へと。断熱性を高くしてあるとみえて、一応エアコンはセットしたものの寒さは感じずすぐに寝落ちした。
翌朝、東向きの窓から差し込む朝日に心地よく目が覚めた。陽の光に映えるショールの、青い壁面が美しい。窓から望める山の連なりと空、中畑町の谷間ののどかな田園風景に清々しい気持ちと活力が湧いてくる。さあ、今日も新しい一日を始めよう。
書き人越川誠司
The whole initiative began with a “quest directive” from Tamaki at the end of last year.
“Recently people gather ‘there’ obviously, and that seems to become like a core spot.”
Various people, including the staff, gather under the same roof and chat, where a new community is born.
- Tamaki
- I haven’t been invited yet, so I don’t belong to them. (laugh) People having worries now go there to consult with them, get advice from everyone and feel better. It seems like a great place. So I really want you to go interview there!
I heard ‘tamaki niime Nakahata dormitory’ is in a mountain village. I will find out the mysterious veiled community’s facts and report it all in the ‘Encyclopedia of niime’.
I am thrilled to have this new mission. Feeling a chilly early spring in the mountains of Nishiwaki, I headed for that place.
Nishiwaki City exists in ‘the Navel of Japan’. When you drive northeast along the gentle valley from ‘tamaki niime mura’ at the bottom of Okanoyama, you get to the isolated house standing in the peaceful rural scenery within 10 minutes in Nakahatacho.
It’s early March on Sunday. Our appointment was at 7 pm. There were a few street lamps in the darkness. Even though I was instructed that it was close to the ancient temple, Sumiyoshi Shrine, I needed help finding the dormitory. But I could get there safely because I could see Mr Ryuta Fujimoto coming out on the roadside and waving his hands.
Currently, the house is shared by the staff: Mutsumi Tamaki, the Ryuta Fujimoto and Mana Ishizuka family, and Ryosuke Yanagi (who lives in a single room). The building has 11 rooms with a living room, a large dining room, and a kitchen! The building was rebuilt with some additions, making it a typical farmhouse with many rooms.
The first floor of the structure surrounds the dining room. Mutsumi lives in the annex, and the Fujimoto and Ishizuka families use the main house. The second floor has four guest rooms, and Yanagi in the ‘Maku team’ uses one of the guest rooms. The three family members of Kuninori Hashimoto of the ‘Toru team’ lived in this house for half a year until February.
The interview day, this time, is also the day to welcome three practical training internship students from a dressmaking school.
Mako, four years old, the beloved daughter of Fujimoto and Ishizuka, welcomed us with cheers and a big smile. We walked through the deep corridor and turned right at the end to go to the dining room.
I heard this house used to belong to a local elderly couple, but the plumbing equipment does not need to be updated, and it looks good to use. The expansive kitchen and living room have a relaxed and comfortable atmosphere.
However, it becomes a playroom for the impish Mako and her brother Sei, and things get scattered everywhere.
Ishizuka says, “they messed up everything; there’s no place to step.”
Fujimoto kept showing us around.
“At the most crowded time, 15 or 16 people stayed, having internship students, business traders, guests, and Mutsumi and our family. It was too full.…”
Behind the living room, dining room, and kitchen was a bathtub, washroom, and two laundry machines. The bathtub is the most modern, which was renewed when the Fujimoto family arrived.
“I want this place to be where we can chat while eating when guests and staff visit.”
Going back to the kitchen, Ishizuka can take over chatting. In the homey atmosphere, people would have comfortable conversations.
“Even during regular creation meetings, you can feel relaxed in this place. At work, staff come for meetings as a part of their jobs. The boss joins the panels when we really need her.”
Oh, I see. No wonder.
Next, Ishizuka guided us to the guest rooms on the second floor. There is one room on the right, two rooms in front and one more room on the left, which were initially three rooms but were modified to separate them, and each room’s ceiling and beams were removed to make it a loft style which lets you feel free and spacious.
It’s impressive to see the fabrics and shawls, which are decorated like a wallpaper on the walls of the upstairs and hallways.
According to Ishizuka, each room is divided into colours: red, grey and blue. It is precisely how ‘niime room’ is. They showed me the red room where two internship students were supposed to stay. The rooms for girls are grey.
“We have a blue room for you, Mr Koshikawa. The space is for Yanagi, though, you can see it freely. (laugh)”
With the dorm mom’s permission, I saw a boy’s room. I’d better not write here how the inside was.
“Only in this room do we have a unique curtain that a curtain factory made as a sample. So this room is… I mean Nakahata dormitory is an experimental place to try various pieces of fabrics.”
Oh, I see! Nakahata dormitory is also the laboratory for living, in which ‘tamaki niime’ has creations of clothing, eating and living.
Not only with fabric experiments, but Nakahata dormitory may also have all the experimental spirit of ‘tamaki niime’ such as the ‘niime village’ concept, communication ways of people, or finding new communities.
A year and a half ago, the Ishizuka and Fujimoto families moved in here.
“At first, only Mutsumi lived here, but keeping the house by herself was a lot for her. When I had the second child, the boss asked me lightly, “Why don’t you move into this house?” (laugh) Since I was on maternity break, it was easy to welcome people.”
Ishizuka guessed the boss expected her to listen to the staff’s worries.
On the first floor, there is a living room and dining and kitchen between a long vertical hallway, and on the other side, there’s the living room with a Japanese-style altar which is used as a family room; however, during winter, they move to the original living room. Two Japanese-style wooden and paper Shoji doors are relaxed and comfortable to live in without an air conditioner during Summer. However, it is also severely cold in winter. That’s why they seek refuge in the living room with a heater.
Shoji, the paper sliding doors surrounding such Japanese rooms are miserably ripped. During renovations of the old house, the Hashimoto family stayed upstairs until it was finished recently. This results from the mischevious play of Sou, Hashimoto’s only son, and his cohort Mako.
“I was wondering if it was strangely too quiet. Thinking about why it was so quiet… I found out they were ripping all the shoji paper…(sigh) Oh, my God! It became a room with many holes. It’s beyond the matter of having no privacy.”
Beside the grieving mother, Mako showed us carefree smiles.
Respecting each other, we are living at our own pace.
Yanagi, who mainly works in the fields, comes home late that day.
At 8 pm, internship students came out from their rooms, and a regular Takoyaki welcome party was about to start.
Ikumi, Haru, and Chika are classmates at a particular dressmaking school in Osaka. They make actual clothes and study fashion, including the clothing production business.
Surrounding the table, everyone picks up takoyaki; as they chat about learning in school, making things, and personal talks, they are getting to open up more. Busy Mako’s mischevous acts make people happy…when the takoyaki party was a blast around 9 pm, Mutsumi came home, and Yanagi did at about 10 pm.
Joining Mutsumi and Yanagi, everyone’s chatting developed more openly, such as their love stories. Powerful, naughty kids fell asleep as you expected; it’s finally time for adults…
Yanagi muttered his true feelings with the help of drunkenness, “Nakahata dormitory is the place to heal wounded people.”
When you come to this place, there are kids, mom (maybe Ishizuka?), and sister (Mutsumi?), with whom you can rest and recover.
I suggest not mentioning the reasons why you ask for healing.
Ishizuka said, “He is an honest guy.” (laugh)
“Good~ I’m so glad you think of Nakahata dormitory like that.”
That’s nothing but true, right? I have always been healed. Giving it back to them with thanks, I am cultivating the fields of Nakahatacho.
In the area surrounding the dormitory, there are rented lands with the rice and vegetable fields of ‘tamaki niime’. They are the home fields of Yanagi’s ‘Maku team’ and his staff. Listening to Yanagi’s passionate talks, the late night at Nakahata dormitory is passing.
Before, Mutsumi lived in another dormitory in the central area of the town. Tamaki was thinking about a people’s gathering place, and after buying the house, she asked Mutsumi if she wanted to live in this house.
“At first, I lived by myself and used the original living room, dining room, and kitchen.”
After that, they started having internship students stay here, and Mutsumi moved to the annex. Two years later, the Ishizuka and Fujimoto families moved in here.
“I was feeling alright; it should be fine. I had some worries at first, though. At that time, I already got along with Mako. We were not trying to do this or that, but each one was doing things in their way. I didn’t have any stress to share with living.”
Ishizuka said, “there’s no rules.”
We let Ishizuka use the kitchen in a comfortable way.
When we feel we should talk, we have meetings for the ‘Weaving team’ or ‘Maku team’.
Yanagi mentioned again, saying, “wounded people also come to see us.”
The workers who work at the department stores stay here when they visit the main office, or people who want to work at our company remain here as internship students, and they come back to see us after being hired.
They reminisce about the old days. (laugh)
Considering various situations of having people stay, in the case of having the ‘tamaki niime’ staff live here, they are allowed to stay for a limited period. They have different people to stay with. Instead, they feel good about alternating between other people coming and leaving.
- Ishizuka
- At work, we only talk about our jobs. We could have more personal conversations here to get more connected.
- Mutsumi
- That’s right, such as our love stories. (laugh)
“Chatting openly improves our relationships, and we can exchange our thoughts without hesitation. That’s why we are trying to make a place for people. I hope everyone takes advantage of this place.”
“Even though we had our boss’s wishes, it was challenging to do it myself. However, Ishizuka came in during her maternity break. She made meals and waited on us. That meant a lot.”
“Just like the Japanese saying, ‘Eat rice from the same pot’. It’s essential to eat and sleep together!”
Every day, it is beautiful that children grow up with various adults around them from a young age.
“Mako doesn’t care at all.”
“Not at all. She can quickly join others in the park.”
“The staff’s children often come to play with us. Among them, Mako would be the best …”
“…who can get close to us very well. It may be her personality. I am looking forward to seeing how she will be in the future.”
In a good way, they don’t make rules or established styles. They have only minimum guidelines; other than that, they decide what to do each time on a case-by-case basis. Such an important way of the Nakahata dormitory looks the same as the underlying idea of the ‘tamaki niime’ brand.
Along with the ‘niime mura’ concept, they embodied it in their ‘Living’ perspective, which is flexible community life. It looks like Nakahata dormitory shows the reality of it.
It’s getting closer to midnight when the end of the party and fun chatting are closing. I am going upstairs to the blue room, which seems well-insulated. Although I turned the heater on, I was not cold and could fall asleep soon.
The following day, I woke up comfortably in the sunshine on the east-facing window. Reflecting on the sun, the blue wall with shawls was so beautiful. Looking out the window, I saw the range of mountains and sky; I felt refreshed and got courage in the idyllic rural scenery in the valley of Nakahatacho. Alright! Let’s start a new day.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.