niime 百科
Encyclopedia of niime
インターン生3人組、tamaki niimeを語る。
Three internship students talk about tamaki niime.
2023 . 06 . 22
tamaki niime 中畑寮の泊まり込み密着取材のその日にたまたま大阪から来ていたインターンシップ研修生、イクミくん・チカさん・ハルくん。
大阪にある上田安子服飾専門学校の4年制プロデュース学科に通学し、デザイン・製作に留まらず、トータルに企画から販促・販売までの服のプロデュースについて学んでいるという3人組は、学校の研修で一度Showroom&Labを見学した後に、再び希望してここへやってきた。
人々のニーズが益々多様化・細分化し、SDGsにも掲げられている環境への配慮や持続性の課題も問われているファッション業界の今。
素材選びから自分で服づくりをする中で、分業化している業界では全体的な製作の流れの把握が可能な企業がなかなか見つけられない。ここは製作から販売までの行程をすべて集約して知ることができる場だと考えやってきたハルくん。
自分が何がやりたいのかを今わからなくなってきて迷走気味、とりあえず色んなことを経験してみたい。ここではイチからのモノづくりに取り組んでいることに惹かれたというイクミくん。
学校での見学時にtamaki niimeがすごく面白そうと感じ、インターンシップ研修生募集もあると聞き、一体どんなだろう?と無茶気になって応募しましたと話すチカさん。
服が大好きで、好奇心旺盛に様々な物事を学びつつも、卒業後どのような方向・職種を目指してゆくのか…中畑寮のアットホームな空気感の中、タコ焼きをつつきながら、希望とともに悩みもあるそれぞれの胸の内を聞けた。
あらゆることを吸収するのに意欲的な3人組に、10日間の課程を無事終えたその日の夕方、インターンシップ研修を受けてどうだったのか?研修で得たものは?改めて、ホットな生の声を聞かせてもらった。
チカ「この研修がどうだったか?…思ってたのとは違うって感じですね。」
イクミ「そうですね。もっと無茶アパレル企業してると思って僕はやって来たんですけど…」
—— はい。
イクミ「もう全っ然、そんなことなかったですね。色んな面で。」
—— 裏切られた?(笑)
チカ「いや、いい意味の裏切りというか(笑)。」
イクミ「僕、鹿の解体とかしましたもん。よかったらやってみる?みたいな感じで。たぶん他でやる機会って無いんで、やっとこうかな、という感じでやりましたね。」
—— 全然大丈夫だった?
イクミ「そうですね。面白かったです。鹿がいま有害鳥獣として駆除・処分されてるということで、こちらでは獲った鹿の命を大事に活用しようとしてるという話を聞きました。」
tamaki niimeでは狩猟免許を持つスタッフが鹿を捕り、その肉を冷凍保存しつつオオカミ犬シンちゃんの餌として与えたり、皮を鞣(なめ)してもらい作品の素材として使う計画も進んでいるとのことだ。
—— 鹿の解体が衝撃やったと。
イクミ「そうですね。畑とかもやるとは思ってなかったんで。」
—— 畑には3人とも?
チカ「はい。2日間行きました。」
ハル「手で肥料を撒いたり。思ってる以上に…“重労働”が多いっていうか。」
—— 身体を使うと。
ハル「中の作業だと、『洗い』とかだったら、洗濯して濡れたものを一気に容器に入れて手で持つんで。」
チカ「皆んなバキバキになってたな、身体が(笑)。」
—— それぞれどこのチームに行った感じですか?
チカ「同じところを…」
イクミ「皆んなでローテーションしたって感じです。『織り』と『縫う』と『実る』が2日ずつあって、『染め』『洗い』『編み』が1日ずつで、休み入れて10日間。」
ハル「インスタとか、ネットで会社のことを調べた上で来てるけれども、知らなかった部分が多過ぎて…みたいな。」
—— そうなんや。
ハル「なんか、畑もやってたり、環境に良いことをいっぱいしてるのに、発信がまだまだ届いてないのかな、と研修を受けながらずっと考えてました。tamaki niimeファンの人は知ってるんやろうけど、たまたまネットで見かけた人とかには服以外のところの良さが伝わりにくいんかなぁって。」
イクミ「全部を知るまでには時間もかかるやろうし。」
チカ「朝礼の後にミーティングの時間があって、どんな風に販促活動をすれば良いかを皆んなで話し合ってたんですけど、私たちが学校では学んでないような新しいアイデアの意見交換をされてて。」
ハル「今後マーケットを広げてゆくためには何を始めるか?学校で習っていることだけでは考えつかないような、現場の空気みたいなものを感じましたね。」
ShowroomとLabが隣り合わせで存在する、作品のクリエーションから販促・販売までがシームレスにつながっているtamaki niimeだからこそのダイレクトな意見交換の場を3人はリアルに体感したということなのだろう。
ハル「全く異なるチームの人がガーッて熱く話し出すみたいな。意外というか、驚きでした。」
チカ「うん。」
—— 他のチームにも口出しするみたいな(笑)。そこは交わってるよね。
玉木と酒井がスタッフに説いてきた垣根のない・遠慮のないディスカッションの実践がスタッフ間に浸透しているのだろう。言いたいことをフラットに言い合う。生な意見のぶつかり合いがパワーになりブランドの推進力となる。
ファッションブランドからネイチャーブランドへ。服飾の世界に決して納まりきらない、tamaki niimeの世界観と方向性を若く瑞々しい感性で垣間見てトータルに体感した3人の意見に耳を傾ける。
—— やっぱり「服が好き」という想いで研修に来たわけじゃないですか?そこで面食らったこととかもあったかと思うんですけど。
ハル「自分でも服づくりをしてるんですけど、柔らかい生地が欲しいってなった時に、普通にウールとか化学繊維に逃げちゃうんですけど、ここの人たちはそこを綿素材で、技術だけでやってたり。」
—— うんうん。
ハル「色とかも、自分たちで染めるからこそこの色が出せる、という自信というか。それを持ってて。」
—— 誇りというか良い意味でのプライドというか。
ハル「それがあるから、これだけことが出来るかな…って。で、皆んなが皆んな、この会社が好きというか…なんでしょうね?(笑)。」
—— そんな空気感を感じたわけですね。
ハル「色々と話を聞いて、色糸の選び方とか配色についての考え方とか、あ、自分でも使えるなとか思えたんで楽しかったです。」
既製の生地素材に飽き足らない玉木の探究心が彼女を播州織産地へと導き、織物職人とタッグを組んだ製作に向かわせ、遂には自ら機を織り始める生地開発に乗り出させた。
そのクリエーション精神はブランドtamaki niimeのモノづくりに脈々と受け継がれ、今3人の若いインターン生たちを刺激している。
—— イクミさんはどうですか?研修直前に聞いた時には迷走してるという話もありましたが。
イクミ「なんやろう…畑とかは全然、僕は好きでしたけど。一次産業的なところにも興味を持ち始めましたね。」
—— 服づくりの部分では?
イクミ「染めとかやってみて、ムラ染めっていう簡単な染め方をやらせてもらったんですけど面白くて。また違った染め方を自分で考案して出来上がったモノを販売してもいいみたいな話を聞いて。スタッフの方が自分のアイデアで染めたモノを売れるのが嬉しかったと。」
—— 「染あそび」というシリーズがありますよね。
イクミ「それですそれです。そんなこともさせてくれるんやみたいな。」
それぞれの創作行程でモノづくりに備わる遊びの要素・根源的な愉しさを自分の発想を絡めて体験できて、その先には販売への道筋までもが用意されている。
イクミ「それをちょっとやりたかったですね。」
チカ「ふふ(笑)。一日しかなかったもんな(笑)。」
—— もっと研修やりたかったと。それってスタッフの方々にとっても嬉しい声なのでは。
ハル「皆んなむっちゃ優しいし。聞いたら何でも教えてくれる(笑)。」
—— 教えたがりが揃っているという。
ハル「一個聞いたら百返ってくる。」
チカ「織機とかも全部説明してくれるし。」
—— あぁ〜(笑)。
チカ「9日間あったけど、どれも浅くしか掘れてないから、もっとやったら、もっと何か得られるのかな〜って思ったり。」
—— その辺り、学校の学びとリンクしてました?服のプロデュースを学んでる部分も含めて。
ハル「朝礼後のプレゼン・タイムで皆んなで言い合いみたいな時とか、授業でマーケティング勉強してるので、ちゃんと理解して聞けるとか、糸の種類の話とかミシンの種類や縫製のやり方とか色々と教えてもらっても、少しは知ってるからこそ質問が出来るみたいな。」
—— 基礎知識は身につけてるから。
ハル「けど、それ以上に相手の方の知識がスゴイから、いっぱい勉強させてもらえてるみたいな。」
—— あぁ〜。よかったね、それは。
チカ「なんか、学校で学んだことって、正味言葉とか写真とかだけなのが、実際に観て、あ、こういうことね!みたいな。より深く理解できるということが多かったかも。自分で糸を選んで、丸編み機で編んでもらって、作品としてキレイには仕上がったんですけど、じっくりと観たら想像とは編み方が違うくて。自分でやってみてやっとわかったみたいなところはありました。」
—— 作品を創らせてもらったと。
チカ「はい。色糸を選んで布を創る、糸選びをさせてもらいました。」
—— 自分で選んだ糸が生地になってゆく。すごく手ごたえあるでしょう?
チカ「わぁ〜ッ!てなる(笑)。毎回自分が思ったのと違う。」
イクミ「間違いない。」
縫い目なく一着の服を編み上げるホールガーメントで使う色糸や織機で織るショールの色糸も選ばせてもらったという。男性・女性、春夏・秋冬など与えられたテーマに沿った4色の組み合わせも考案した。
ハル「そこから良いモノなら作品として採用すると言われて。」
—— コンテストみたいな。採用されたモノはあった?
全員「ありました!!」
イクミ「選んでたら、自分の使う色って決まってるなと。自分の頭の中のカラーパレットがわかる、みたいな感じで言われて。見てみるとほんまにそうやなと。」
チカ「え、どんな色使ってたの?」
イクミ「黄色とか緑は全然なくて。青、黒とか。蛍光系もめっちゃ使ってたし。」
チカ&ハル「へぇ〜。」
イクミ「茶色も使ってなかったな。」
—— それはその場で自分の感覚で選んだみたいな?
イクミ「そうです。その場でヒラメキで選んで。凝り固まってるなって思って。色使えてないなと。」
ハル「色糸の組み合わせを8パターン創ったんですけど、自分の中ではむっちゃ色んな色選んでるつもりが…よく見たらどれも1色ずつは自分の好みの色が入ってるという。」
チカ「ハルくんのはギャルソン好きってわかる(笑)。」
—— 面白いね(笑)。
チカ「私はけっこう満遍ないって言われた。…なんかミサンガつくるん好きやから、そんな感じで。」
—— ああ〜、なるほど。
チカ「でも、出来上がりの想像が全然出来なかったけど。」
ハル「…今日ふと思ったのが、あんなに色のヴァリエーションがあって一点モノで推してるんやから、ショールの何パターンか、お客さんが自分で4色選んで創るショールみたいなのを打ち出してみてはどうかなと。」
—— 消費者と生産者の垣根を超えるみたいな。…ある意味、究極のモノづくりなのかも。
チカ「確かに。」
イクミ「究極、ぜんぶ体験出来る・させてくれるような企業になる。“コト消費”!」
—— モノからコトへ。
チカ「自分たちもなんか、研修受けながら色々体験させてもらってるみたいな感覚があった。」
ハル「休みの日にこっちに来て、色糸選んで織機使って織って洗い行って乾燥させて。で、ミシンで縫って仕上げて、作品お持ち帰りするみたいな。」
チカ「寮に泊まり込みで(笑)。」
—— ついでに販売も(笑)。企画提案から全部パックで…不可能じゃないかも。
ハル「学校でプロデュース寄りの勉強なんで、そんなことばっかり考えながら研修受けてましたね。新しい販売の方法ないかなとか。」
—— tamaki niimeに向いてるかも。
チカ「私は自分が迷走中なので、スタッフの人たちにここに来た理由とか、色んなこと聞いてたら、絶対ここで働きたかったからって人よりも、モノづくりがしたくて探しててたどり着いたとか、アパレルには興味なくて全然違うところから来てる人がいたり、色んな人がいて。」
—— 確かに。
チカ「だけど今ここにいることが愉しそうに見えるから、就活って、ぜったいこれ!って決めて挑む必要もないのかなって思いました。」
まいにちぜんぶたのしむ。日々心踊ることをとことんやること。それぞれに辿って来たルートは異なっても、モノづくり~創造に根を張りながら自由に枝葉を広げネイチャーブランドを志向する、それ自体が生態系のように変化する・進(新)化する在り方に共鳴する多様な人たちの集合体がtamaki niimeなのかもしれない。
チカ「会社っぽくないっていうか。皆んなフレンドリー、みたいな感じのところだったので。皆んな無茶活き活きしてる。こんな会社もあるんやって。」
イクミ「パートさんたちも愉しそうにしてたもんな。帰る前に今日も一日愉しかったって毎回思う、って言ってて。」
チカ「コットンの繊維から糸をつくって、糸を染めて…縫製までひと通り体験してみて、服一個創るのに無茶人が関わってるなって、改めて思いました。」
—— ここは一か所でそのことが実感できるよね。
播州織産地は織物の産地として、全国でも今や希少な域内でモノづくりの行程がほぼ完結出来るところであり、tamaki niimeそのものも、関連会社と連携しつつ、自己完結も可能な創作体制を整えている。
ハル「今年の1月に播州織コラボのコレクションみたいな機会があったんですよ、学校で。その時はまた別の工場に生地を発注したんですけど、同じ播州織でもこんなにも生地が違うんやと。」
素材としての播州織の柔軟さに加え、コットン栽培〜糸づくりから始まり、各行程ごとにモノづくりの追求を続けているからこその、無限にヴァリエーションの創造が出来てゆくLabの存在はクリエイター志望の若者にとっては、何より魅力的に違いない。
—— それでは最後に、中畑寮の感想をお願いします。
ハル「自転車での通いが遠かった(笑)。」
イクミ「会社の横くらいにあるのかなと思ってたら全然ちゃうなと。」
ハル「なんか、自分が社会人になった時に、こうゆう人生なのかな、みたいな。」
—— 将来像が見えた(笑)。
ハル「家に帰ったら子どもがワァッ!!みたいな。家族ってものを感じれたし。やさしいし。」
—— 怖くなかったですか、寮母さん。
チカ「中畑寮にいて、皆さんtamaki niimeで働いてる人たちだから、帰って来て子育てしながら晩ごはんつくって家事してやりくりして、朝起きて…ってやってるのを見てたら、ほんとにすごいなって。」
イクミ「子ども育てるって大変そう(笑)。2人いてケンカしとったら止め方がわからへん…。」
チカ「あたふたしとったな(笑)。」
イクミ「どうしたらいいんスか??って。」
—— それも学びやったと(笑)。
チカ「パパの研修やんな(笑)。」
10日間を経て盛りだくさんな研修をやり終えて再会した3人の充実した表情と弾む声が印象的だった。
tamaki niimeは良い意味で遊びと仕事の分け隔てがないシームレスな会社だ。ユニークで唯一無二のクリエーション環境を肌で感じた3人組。
はじめに抱いていたファッションブランドのイメージとの違いに驚き戸惑いつつも、若く柔軟な感性でtamaki niimeの本質を丸ごと掴んで溶け込んでいる活き活きとした姿に未来への希望を感じ嬉しい想いがした私だった。
ネイチャーブランドtamaki niime体験を経てしなやかに芽吹いてゆく3人3色・3人3様のこれからに期待したい。
書き人越川誠司
On the day I was interviewing at the Nakahata dormitory while I stayed there, internship students Izumi, Chika and Haru happened to be there from Osaka.
They are studying in the production department of a four-year program at Ueda Yasuko Dressmaking School. Not only learning designs and ceating, but they are totally learning about producing clothing, including planning, sales promotions and sales. They once came to observe the Shop & Lab for their school training and came again with their desires.
Nowadays, people’s needs are more diversified and classified, and the fashion business world is asking for environmental concerns and persistence, just like the SDGs say.
When choosing materials and making clothes in divided labour companies, it’s hard to find companies where you can see the whole process of production. Haru came here because he believed this was where he could know all the processes from manufacturing to selling.
Ikumi is still trying to figure out what he wants to do now. For now, he wants to try and experience. He was interested in them because they made things from the very beginning.
Chika told us she felt so interested in ‘tamaki niime’ when she came for school training. She was curious about how they recruit trainees and applied for internships without much thinking.
They love clothes and learn eagerly about various things. Still, they wondered what kind of work or directions they should take…in a homey atmosphere; while picking takoyaki at the Nakahata dormitory, I could listen to their worries while they carried hope.
On that evening, when they had finished ten days of internship, I asked those three students, who were ambitious to get everything, about their feelings about internship training. I could listen to their lively opinions.
- Chika
- ‘How was the internship?’… it was different from what I thought.
- Ikumi
- It was. I had an image that this company is very much like an apparel company.
—— I see.
- Ikumi
- It was completely different in many areas.
—— Were you disappointed? (laugh)
- Chika
- No, it’s a good disappointment. (laugh)
- Ikumi
- I butchered a deer. They asked me casually, “Don’t you want to try it?” I probably wouldn’t have had a chance to do it elsewhere, so I did it.
—— Were you all right?
- Ikumi
- Yes, I was ok. It was fun. Deer are considered harmful animals and have been gotten rid of, but here, they cherish deer’s lives and make them worthwhile.
In ‘tamaki niime’, they make the staff get hunter licenses, keep the meat frozen to feed an Akita wolf named Shin, and they also have the plan to tan the skins and use the materials of products.
—— Butchering deer was shocking to you, right?
- Ikumi
- Yes, it was. I didn’t think I would work on the farm, either.
—— You guys worked on the farm, too?
- Chika
- Yes, we worked there for two days.
- Haru
- We spread fertilizer with our hands. More than we expected… it was heavy labour.
—— It was challenging physically.
- Haru
- About the work inside, the ‘washing’, for example, we had to hold the wet washed materials at once with our hands to put in the container.
- Chika
- We got all muscle pain. (laugh)
—— Which sections did each of you go to work?
- Chika
- We went to the same sections …
- Ikumi
- Yes, we rotated each section. We had ‘weaving’, ‘sewing’, and ‘harvesting’ every two days, and ‘dyeing’, ‘washing’, and ‘knitting’ for each day, totalling ten days with a day off.
- Haru
- Even though we came here after checking out the company on Instagram or websites, there’s so much we needed to learn.
—— I see.
- Haru
- They have farming or many suitable environmentally friendly activities, but such information has yet to reach all. That’s what I have been thinking about during my internship. ‘tamaki niime’ fans would know, but people who look on the net wouldn’t know besides their products of clothing.
- Chika
- There was a meeting after the morning greeting gathering; they discussed how to have sales promotions, where they exchanged new ideas we had never learned in school.
- Haru
- They were discussing how they should extend their marketing. I felt an authentic business world atmosphere beyond my thoughts, and I couldn’t even imagine what I was learning at school.
They experienced the reality of ‘tamaki niime’, where staff members exchanged opinions freely. They had a strong impression because it is the site where the Showroom and Labs are next to each other, and the process from the product creation to sales promotions are connected seamlessly.
- Haru
- Completely different team members suddenly started talking passionately. That was unexpected, and I was shocked.
- Chika
- Yeah.
—— They look like they are meddling with other teams. (laugh) They are communicating pretty well.
Tamaki and Sakai have been telling the staff about no-wall or no-hesitation-discussion, which teaching has been practised among staff. They talk frankly about what they want to say. Live conflicts of opinion give them power and make a brand’s propulsion.
‘tamaki niime’ goes from a fashion to a nature brand, not limited to dressmaking. I listened to the opinions of those three, who peeked at the world of ‘tamaki niime’ and its direction with youthful and fresh sensibility.
—— You came here for training with your feelings of loving clothes, right? But did you have something that you felt shocked about here?
- Haru
- I have been making clothes. I usually get wool or chemical fabrics when I want soft fabrics; however, the staff here use only cotton fabrics with their technology.
—— Yeah, yeah.
- Haru
- They could get the desired colours because they dyed with their hands. They are confident of knowing how to get them.
—— They must be proud of themselves or have pride in a good way.
- Haru
- Because of having them, they could do many things. Every staff member loves this company, right? (laugh)
—— You feel such air, right?
- Haru
- Learning from their teachings, such as selecting colour threads or ways of colour coordination, was so fun that I could try it, too.
Tamaki was unsatisfied with commercial fabrics, which led to Banshu-ori, and she made products tagged with weavers. She started weaving by herself for fabric development.
Her spirit for creation has been received by the brand of ‘tamaki niime’ creations, and now it stimulates those young internship students.
—— How about you, Ikumi? I heard you were thinking about your direction before this training.
- Ikumi
- Um, I liked farming a lot. I began having an interest in the first industry.
—— How about dressmaking?
- Ikumi
- I had a chance to dye with a simple method of uneven dyeing here. It was fun. They told me I could think of different ways of dyeing, making, and selling the products. The staff told me they were so happy to see the products they made sold.
—— There’s a series of ‘someasobi’ (dyes play).
- Ikumi
- That’s it! They provide us with such neat things.
In each creation process, you can experience the elements of play and fundamental enjoyment while creating your own ideas, and ways of selling are prepared in advance.
- Ikumi
- I really wanted to try it.
- Chika
- Hehe. (laugh) We had only a day. (laugh)
—— You wanted to have more training, right? The staff must be pleased to hear that.
- Haru
- Every staff member is very sweet. Everyone teaches us whatever we ask. (laugh)
—— Everyone wants to be eager to teach you.
- Haru
- If I ask one question, they answer me back 100.
- Chika
- They explained to me all about weaving machines.
—— Wow. (laugh)
- Chika
- Even though we had nine days of training, I could only learn a little in each subject. If I could stay longer, I may get more.
—— Around that, is what you learned here connected with learning at your school? Including what you have learned about producing clothes….
- Haru
- At the discussion in the presentation time after the morning greeting gathering, we could understand what they talked about because we learned marketing in school, or when they taught us about the kinds of threads and sewing machines or ways of sewing, we had knowledge about them and could ask questions.
—— Because you have the basic knowledge.
- Haru
- Since they have so much knowledge, we have learned a lot.
—— That was great. I am glad to hear that.
- Chika
- Learning at school was just words or pictures, but watching them persuaded us. I could deeply understand many things. Choosing threads and me weaving with a circular knitting machine, the final product was done nicely, but watching it closely, the way of weaving was different from what I imagined. I finally knew how it should be after I weaved with my hands.
—— You experienced weaving the product.
- Chika
- Yes. I had an experience selecting the colour threads while making a cloth.
—— You saw the selected threads you chose becoming a cloth. Did you have a good feeling about what you did?
- Chika
- I was so excited. (laugh) They were different every time from what I imagined.
- Ikumi
- That’s for sure.
They had the experience of picking up colour threads for knitting a whole garment, such that you can knit an entire piece of clothing without seams and picking up the colour threads for shawls woven by looms. They also made choices of four colour combinations according to the theme, such as men, women, spring, summer, fall, and winter.
- Haru
- I was told they would use the good ones as products.
—— That sounds like a contest. Were there any colour combinations that were used?
- All
- Yes, there were!
- Ikumi
- As I selected colours, I found that I always pick the same colours. I was asked if I knew my own colour palette in my head. Looking at my choices, that was really true.
- Chika
- What colours did you use?
- Ikumi
- There were no yellow or green. I used blue or black and a lot of fluorescent colours.
- Chika & Haru
- Wow.
- Ikumi
- I didn’t use brown, either.
—— You selected colours with your feelings at that moment, right?
- Ikumi
- Yes, I did. I just picked them up on my inspiration at that moment. I have a rigid way of thinking. I am not using colours freely at all.
- Haru
- I made eight patterns of colour combinations. Even though I used many different colours, as I watched them well, at least one of my favourite colours was in each combination.
- Chika
- We can tell that Haru likes Garson.
—— That’s interesting. (laugh)
- Chika
- I was told that I picked them up evenly. Maybe it’s because I like to make Misanga…
—— Oh, I see.
- Chika
- But I couldn’t imagine what the final products look like.
- Haru
- I just had an idea today since they have many colour variations and focus on making one-item products. Could customers pick up four colours for the shawl patterns to make their own shawl?
—— It may overcome the walls between consumers and producers. It may be the ultimate manufacturing.
- Chika
- It certainly is.
- Ikumi
- Ultimately, they become the company that provides all experiences, called ‘experiencing consumers’.
—— They provide materials and experiences.
- Chika
- We were given many experiences during training.
- Haru
- We came here on free days, picked up colour threads and wove by looms, washed and got it dry, sewed it with a sewing machine, and took it home.
- Chika
- We stayed overnight at the dormitory. (laugh)
—— Incidentally, we sold them, too. (laugh) It can be the all-business package from suggestion plans…it may not be impossible.
- Haru
- Our school focuses on teaching us business production, so I was thinking about it all the time while having this training here if we have another new way of sales.
—— You may be suitable for working at ‘tamaki niime’.
- Chika
- I am still thinking about what I should do. I asked staff members why they came here and many things. Rather than having a reason for wanting to work here absolutely, they happened to get here while searching for jobs, or some are not interested in apparel at all and came from entirely different places, and there are various others.
—— That’s true.
- Chika
- It looks fun to be here. However, I don’t need to decide what to do now about my job search.
Enjoy everything every day. Do what you feel excited to do thoroughly every day…walking through each different experience, each one aims for nature brands to extend themselves freely on creative manufacturing. ‘tamaki niime’ may be the diverse group of people who agree with change and development like an ecosystem.
- Chika
- It feels like something other than a company. Everyone is friendly and lively. It’s hard to believe there’s such a company.
- Ikumi
- Even part-time workers look happy. One of them told me that she thinks before going home that she had another fun day today.
- Chika
- We make threads from cotton fibres and dye them.… as I have experienced all the processes, I recognized that making one piece of clothing needs many people’s hands.
—— However, you can find it here.
Banshu-ori production district is a very rare place in the national weaving districts where it’s mostly possible to have all manufacturing processes completed. ‘tamaki niime’ also works with connected companies and has a self-completed system.
- Haru
- This January, we had a Banshu-ori collaboration collection at school. They ordered fabrics from another factory. Even though they called them the same Banshu-ori, they are so much different.
Adding the original material of soft Banshu-ori, they grow cotton and make threads and purses for creativity in every process. That’s why young aspiring creators must feel very attracted to the existing laboratories that produce variations of creativity.
—— Well, at last, would you tell me what you think of the Nakahata dormitory?
- Haru
- It was too far to commute by bike. (laugh)
- Ikumi
- I thought it was just by the company, but it was absolutely different.
- Haru
- After graduating from school, I imagined my life would be like this.
—— You saw your future. (laugh)
- Haru
- Coming home, the children welcomed me. I felt like I was in a family there. They are sweet.
—— Aren’t you scared of dormitory mother?
- Chika
- Staying at the Nakahata dormitory, I saw everyone working at ‘tamaki niime’; they come home and take care of children while making dinner and working for chores, making ends meet, getting up in the morning ……wow they are great.
- Ikumi
- Raising children is a lot of work. (laugh) When two kids were fighting, I didn’t know how to stop it.
- Chika
- You were panicked. (laugh)
- Ikumi
- What can I do????? (laugh)
—— That was one of the lessons, right?
- Chika
- That’s the training for being a daddy. (laugh)
After ten days of rich training, I met those three again, who left me with the impressions of fulfilled faces and bouncy voices.
‘tamaki niime’ is a seamless company that has no lines between play and work. Three people felt a very unique creative environment on their skin.
Surprised and confused by the difference from their fashion brand image, they initially captured the essence of ‘tamaki niime’ with their young flexibility and senses, mingling with them. I am so happy to feel hope for their future.
Experiencing a natural brand of ‘tamaki niime’, three people will grow flexibly by three different characters. I hope and expect for each one’s future.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.