niime 百科
Encyclopedia of niime
玉木と酒井。
それぞれの原点からの歩みとコンビネーション。
Tamaki and Sakai. The origins of an unlikely collaboration.
それぞれの原点からの歩みとコンビネーション。
2018 . 07 . 01
常識に囚われない。既存のセオリーに委ねる事なく自らの資質に忠実に方法論を追い求め、持てるチカラを最大限発揮してゆく。玉木と酒井に共通するポイントだ。
tamaki niime誕生以前から、相反する互いを理解しようと努め、認め合い・補い合いつつ共に進んできた二人。そんな彼らのこれまでの歩みとコンビネーションについて今回は訊いてみた。先ずは玉木に、自身のモノづくりの原点から振り返ってもらおう。
― 小学生の頃からご近所のパタンナーの方に教えて貰っていたと聞きましたが。
玉木「服づくりは子供の頃から好きで作っていて、将来的にも自分でやりたいというビジョンはあったけど、その頃はまだ具体的じゃなくて。自分の思い描いている服を作るにはどうやったらいいんだろう?ってなった時に、やっぱりパターンが出来ないと作れないし縫製も出来ないとダメだから、そこはもう技術だと思ったので、その技術を手に入れたいと。何か目標を立ててゴールまで走る、これをやろうと決めてやり通す。そうゆうのは好きだったから。実家が洋服店で周りに服が沢山ある環境だったので服に対しての洞察を自分なりにやっていたから、この素材は着心地の良い素材なんだ、このデザインは着心地の良いデザインなんだという事を断片的に分かる様にはなって。じゃあもっと良くするにはどうするかとなれば、もう既成のものじゃなく自分で作らなきゃと。作るためにはどうするか?というとパターンが引けなきゃいけないんだ、縫製が出来なきゃいけないんだ、ということが分かってきて。それを身に付けるためにはどうしたら良いか母に相談したら、知り合いのパタンナーさんがいるから来てもらおうかとなって、教えてもらって。何かをするために必要な手段を知り、それに興味を持って学んだって感じです。」
子供時代から既に明確な目標を設定しそこから逆算してどうすれば実現出来るかを考えていた様子が伺え、ここにも玉木の非凡さが感じられる。また自分の資質を見極める的確な視点も早い時期から備えていた。
玉木「ただ、デザイン画を書くのは得意ではなく、デザイナーではなくパタンナーだったり服を構築する方を仕事にするんだろうなとはぼんやりと思ってました。0から1を生み出せない、何もないところから何かを創造出来ないという意味で、私の場合は何でもいいからデザイン画描いてって言われても全然何も浮かばない。この服のここをもう少しこう変えたら良くなるからパターン修正しようとか、この生地をこっちに変えたら強くなるんじゃないかとか、そうゆうアレンジを考えるのはすごく好きだったので、デザイナーじゃなくてパタンナーの仕事をしようと。コミュニーケーション能力の乏しさも自覚していて。絵を描くというのも、ひとつのコミュニケーションツールでしょ?こうゆうデザインを作ってくださいって人に伝えるところが劣っていたからこそ、自分の手で創りあげなくちゃいけないという必要性が生まれたのかも。最初に播州織でモノづくりを始めて職人さんにお願いした時にも、コミュニーケーション能力が乏しいし、結局のところ自分でやったほうが早いなって思って、結局自ら力織機を操る事になった。」
― 自分のアイデアを人に伝える事が…
玉木「頭の中で想像してるこのグニャグニャっとしたものをアウトプットするのがすごく苦手で(笑)。言葉にするにはそれがすごく複雑だからなのかもしれないけれど。頭の中では何となく3Dでぼんやりとはカタチになってるんだけど、それを女性モデルが着たデザイン画という2次元に落とした時に、すっごく安っぽく見えてしまって。違う!こうじゃない、みたいな。そこにすごくジレンマがあった。」
― 頭の中のイメージを表現するのに、デザイン画という手順を踏むよりももっとダイレクトに、自ら生地を使って試行錯誤がしたい。それが玉木流の“実験”なのでは?
玉木「そうなんですよ。デザイン画にするとなんか違うってなるから。じゃあ一度つくってみて、やっぱりちょっとボリュームが違うなとか、そうやって自分の手で修正をかけながら出来上がったモノが頭の中のイメージに近いのなら、その方が良い。」
― デザイン画を描くという既存のやり方を取っ払ったというか。
玉木「自分にとってはそのやり方がベストではないと思った。絵を描けないところがすごくネックだというのはあったんですけど、その部分を担ってたのは酒井ですね。」
酒井「うん。」
玉木「専門学校時代、彼は学生ではなかったけど私が課題をやってる時に隣にいて、私が不得意な絵が彼は上手だったんですよ。少しのニュアンスを伝えるだけで描いてくれるという。すると私が自分で描くよりも、あ、それそれ!っていう出来になる。彼に絵のセンスがある事は知ってたから、やり方を教えてあげて、やってみたら?といって。私も描かなきゃいけないから一所懸命やるんやけど、私が描くよりも彼の方が上手やから、課題のテーマだとかこうゆうデザインが良いと思うんやけどってぼんやりした事を伝えるとこんな感じ?ってサッと描いてくれて。」
― その時点で既にキャッチボールしながら仕上げてゆくという、今に繋がる良いコンビネーションがあった訳ですね。
酒井「一から十まで説明するってゆうのは無かったよな。」
玉木「ほんまやな。」
酒井「要点で掴むよな、お互いに。ニュアンスで。別に筋道立ててどうのこうの説明しなくても要点だけ言ってくれたら。」
― パッと簡潔に。
酒井「それこそショールが出来て、僕が玉木にどうする?って訊いた時に、全国47都道府県の老若男女に広めたい。そのあと世界へ行きたい。以上。それだけ。要点だけ聞いてあとは僕が頭の中でそのための方法を構築する。これまでずっとそうです。」
― “忖度する”とかじゃなくて、直ぐに玉木さんの意図が理解出来て、方法論に繋げられる訳ですね。
玉木「私はコミュニーケーション能力無いけど彼はそれが高いので、私が発した単語を紐解いて、自分の中で構築するんやろね。」
酒井「今でも僕はそんなに本を読まない方なんですけど、玉木に読んでもらって、要点だけ教えてって伝えて、後で要点だけ聞いて、全体像を掴むという。そんな感じやな、いつも。」
玉木「本を読んだ後でそれを彼にアウトプットする事で私も更に自分の中に落とし込めるじゃないですか。ただ読むだけだと単なる情報でしかないので、自分にとって必要な部分を整理していくっていう作業がしたいんですけど、その良きパートナーというか。その本で気になったところを私がバァーって羅列する、そこからディスカッションして、この本はこうゆう事が言いたいんだ、じゃあウチの会社にとってはこうゆう風に活かせるよね、そうゆう流れを経て最終的に着地することが多いです。」
― その辺りは以心伝心というか、掛け替えのないコンビネーションというか。
玉木「そういう意味ではお互いの目指す方向性は本当に似てるんやと思うけど、持ってる能力が全然違う。私は本を沢山読むとか苦じゃないし、どんどん入ってくる情報の中から何が大切かってゆう事を抽出して自分に落とし込むっていう作業がすごく好きやから。それをある程度の整理までは出来るんやけど、じゃあtamaki niimeにとってこうする事がベストだよね、というところまでギュッと精査して腑に落ちるところに持っていくって作業は私一人よりも酒井とやった方が、もう一段二段高いレベルで落とし込めるという。せっかく本を読んだからにはそれを自分たちの糧にしたいと思うから。」
日々思考し、自らに問いかける事を習慣とする玉木。物事の本質をパッと掴む酒井。意見を異にし口論も辞さずに議論を尽くす事もあれば、お互いの秀でた能力を認め合い、瞬時に理解し合える関係でもある。
玉木「私はずっと考えてるな。なんか理由付けが欲しいんやな。生きる理由とか。酒井は溢れる情報の中からピンポイントで本質を見つけ出せる。私はそこが不得意だから。多分いい情報なんだろうなと思えるものから、彼は本当に原石となるところだけを取り出せるというか。そこはセンスやと思うし。もちろん役割的に読書以外に世の中の情勢や業界の動向を知る事だったり、私よりも圧倒的に情報を仕入れている訳だけど、そこら辺のアンテナの張り方とかある意味気持ち悪い。」
― 素晴らしいというより、“気持ち悪い”(笑)。そこは情報選択の精度というところですか?
玉木「私も知りたい事はとことん調べたい性格だけど、より良い情報を得るための彼の調べ方は半端じゃない。モノづくりする上での掘り下げは私の方がすごくやるけど。私はtamaki niimeにとってプラスになる事だと思えばすごく興味を持ってゆくけど、一般的な世の中の情報はあまり興味ないってゆうか。情報って知ろうとするとすごく労力使うじゃないですか。そこの時間がモノづくりするには勿体無いと思ったから。でも彼は自分自身がモノを作る訳じゃないからこそ、情報をしっかりと掴み、世の中の動きがどうであるかを見極めた上でブランディングしなければいけないから、情報を収集するって事に関しては…気持ち悪い。」
― その情報収集力はショールで行くと決まり、ショールを軸にブランディングを始めた頃からですか?
酒井「情報集めは僕にとっては趣味みたいなもので。やらなくちゃいけない事というよりは空気吸うみたいな感覚。」
玉木「人観察もそうやし。ブランド観察も」
酒井「人を観察することは物心ついた幼少期から、親とか、親が連れてくるおっさんとか相手にやってるし、どうやったら親に怒られないか、どうやったら欲しいものを買ってもらえるかをバランスを観ながら立ち回ったり。純粋に母親に贈り物を届けたり、自分にとって大切な人を喜ばせる事も好きでした。」
玉木「どうやったらその人が喜んでくれて、こっちを向いてくれるか、自分が買って欲しいものがあったとして、そのためにはどう動いたら良いかを考える。それが酒井の天性とするなら、今のブランディングというところは本当に向いているんやと思う。どうやったらこのブランドが面白い形になるか、っていうところを観察しながら方法論を導き出す。」
酒井「若い頃は友人だとか人との関係性が僕にとっての情報ツールみたいなもので。相手が持っているものをスキャンして、吸収することで自分の中に落とし込んでいましたね。」
― アーティストになりたい、という様なモチベーションは無かったんですか?
酒井「無かったですね。カッコ付けた言い方をすると画用紙に細々と描いたりキャンバスに描くとか何かモノを創作するのでは無く、僕自身が画材で、自分が動き回るフィールド(世の中)がキャンバスみたいな。そこで僕がバァーっと立ち回っている動きが結果的に具象画なのか抽象画なのかは分からないけど絵になってるのかなと。」
― それが酒井さんにとってのアートの表現になっていると。
酒井「そうです。僕は己れの身体や言葉を用いる自分の表現能力を高めていった。自分自身を高めるためにどうゆう人と繋がったり、どうゆう情報を得るか、という事を常に考えてました。」
― 酒井さんにとっての表現行為を突き詰めたところが今のtamaki niimeにおける役割であるというか。
酒井「僕自身が、作品なんやと思います。それはまだまだ停滞してないし、まだまだアップデートっていうか、アップグレードしていくやろうけど。」
― 自分の表現行為のひとつの現れとしてのtamaki niimeのブランディングであると。そこには必要性があり、やるからには自らの表現として全身全霊を注力してやると。
玉木「オンとオフを私たち二人ともはっきりとは分けてないから。かといって仕事のために自分の人生を犠牲にしたいとも思ってないし。自分の人生を楽しみつつ、そのための手段がブランドだと思ってるから、そういう意味では私の楽しみ方と彼の楽しみ方は道具が違うだけで一緒なんやと思う。その結果ブランドにとって良いことであれば、全て良しという。」
― そこは徹底してすり合わせをして…
玉木「闘いですよ。」
― 妥協せずに二人の間で意見を闘わせ落とし処を見出してゆくという。
玉木「ショールに行き着く前のまだ葛藤していた頃、善か悪かとか、私は白黒ハッキリつけたい性格やったんですよ。私の中では私のやり方が正しいと思ってやっていたけど、あ、私が絶対じゃないんや、と酒井によって初めて気付かされたというか。大概皆んな闘うのが嫌やから、もういいか、ってなるじゃないですか?わかったわかった、あなたの言う事が正しいよって思ってもないのに言うのが解決策だったりするでしょ?相手を言いくるめて勝ち誇ってた自分もいたりした中で、それが駄目だと気づくきっかけをくれたのが酒井だったというか。いくら自分が“正論”を言ったって、いや違うだろって、彼なりの“正論”が100%のチカラで返ってくるから。あ、こんだけ真っ向から違う考え方をぶつけてくる人がいるんや、ってゆう事を初めて知って。私は人に対してあまり興味が無かったからこそ、人の考え方なんてみんな一緒やろ思ってたんですよ。とにかく酒井のおかげで、世の中の当たり前(常識)自体がナンセンスなんやと気づけたというか。私にとっての当たり前を当たり前じゃないとする人やから、そうか、私が正しいと思ってる世界なんてまだまだちっちゃいなぁ。って気付かされました。」
酒井「そやなぁ、僕は常識なんてもんはそもそも糞食らえやったんで、逆に玉木に世の中の原理原則、ルール的なことをしっかりと教えてもらえたところがあります。」
玉木「まるで別世界にいたもんな。私の当たり前と彼の当たり前がまんま全然すり合わなくて。お互いが知らない世界の情報を提供する事で、一応共有が出来たから、あ、世の中にはこうゆう世界があるんやってお互いが知り得たから持てる情報量も倍になったし。その上でもっと可能性があるかもしれないと、どんどんどんどん世界が広がっていったよな。脳の中を一緒に覚醒していってたって感じかな。」
玉木と酒井。相反する際立ったふたつの個性が掛け合わされる事で、tamaki niimeの可能性が何倍にも広がっていった。
酒井「表現方法の違いはあれど、究極僕らってたぶん、“哲学者”なんやと思うんですよね。自分たちの考えをどれだけ掘り下げられるかとか、高められるか、幅を拡げられるかっていうところをすごく…(玉木に)毎日やってるよな?」
(玉木頷く)
酒井「それがたまたまブランドという表現なだけであって。それをいわゆる哲学者みたいに文章化したり論じようとは思わないですけど、絶えず何かしらやってるよな、お互い。」
玉木「だから本だったり映画から得る新しい情報や考え方を、どう思う?って議論するところで、自分たちのこれまでの世界を更に、こっちもありだ、こうゆう可能性もあるよねと広げていってる気がします。そうやって、このtamaki niimeというブランドで実現可能な事に落とし込んで。じゃあこうゆう事も出来るね、こうゆう事もやっていけば面白いよね、ってゆうのが、例えば野菜づくりであったり食の試みであったり、どんどんどんどん増えていってるんですよね。」
書き人越川誠司
Unconventional thinking. Without relying on the existing theory, pursuing our own quality methodology faithfully, to get the best out of oneself. That is the point both Tamaki and Sakai have in common.
Before ‘tamaki niime’ was born, they have been trying to understand each other even when they contradict; they appreciate each other and cover each other. It is the way they have walked together. This time, I’ll ask them about their path and combination. First of all, let me ask Tamaki to look back at the origins of her own creation.
– I heard that you had been taught from a neighbouring pattern maker since you were an elementary school student.
- Tamaki
- “I have enjoyed making clothing since I was a kid and I had a dream that I wanted to do it myself in the future. But at that time it wasn’t so concrete yet. When I was wondering how to make my ideal clothes, I noticed that I had to know about patterns and sewing. I figured those are techniques, skills. I needed to learn those skills. Once I set a goal, I’ll just run through it. I don’t give up easily. That’s how I was. Since my parents ran a clothing shop and there were plenty of clothes around me, I had been creating my own insights into clothes. I fractionally understood that certain materials were comfortable or certain designs were more comfortable designs…so when I started thinking how to make it better, I had to make it by myself, not something already made. To make it by myself, I had to draw patterns and sew. That’s how I learned when I was doing. When I talked to my mother, she said she had an acquaintance pattern maker. She asked them to teach me. When I wanted to do something, I figured out the necessary steps, and I learned because I was interested.”
From childhood, she seemed that she already set a clear goal and aimed to make her dream come true.
I felt Tamaki’s power lying there. She also had an accurate viewpoint from an early stage to discern her own qualities.
- Tamaki
- “But I was not good at design sketches. I vaguely thought that it would not be a designer but a pattern maker or a person who would create clothes. Since I can’t create something from nothing, I was unable to come up with designs. That’s my case. I like thinking of arrangement, for example, changing the pattern to improve some of the parts of the clothes or using different materials that will make it tougher. That’s why I was considering to be a pattern maker rather than a designer. I also recognized my lack of communication skills. Drawing is one way to communicate, isn’t it? I was not so good at sharing and explaining my ideas, which made it hard to ask someone to design them, so it was necessary to create with my own hands. It originated out of need. When I first started creating and working with the Banshu-ori craftsman, I felt I didn’t have good communication skills, and would be easier if I did it on my own.”
– You have a hard time explaining your ideas to other people…
- Tamaki
- “Yes. I have a hard time outputting my image; something deformed in my head (laugh). It might be difficult because it’s so complicated to put it into words. It’s somewhat three dimensional in my head; however, it seems to be very cheesy when I dropped it to the 2D dimension of a design picture worn by a female model…No! That’s not what I imagined. Just like that…there is a dilemma there.”
– To express the image in your head, you would rather struggle by using the fabrics themselves directly than following the procedure of design drawing. Isn’t it an aspect of the ‘experiment’ of Tamaki’s style?
- Tamaki
- “Yeah, exactly! When it comes to a design on the paper, I feel somewhat different. Once I make it, however, and if it has a bit different volume, I can modify it with my hands. After all, it is much better to have a finished creation which is close to my original image.”
– You took away the existing system; design drawings, right?
- Tamaki
- “I thought that was not the best way for me. My poor drawing skill was the major reason; however, Sakai made up for that part.”
- Sakai
- “Yeah.”
- Tamaki
- “During my vocational college, he was not a student, but when I was doing the assignment he was next to me. I was not good, on the other hand, he was good at drawing. So he drew for me because he grasped the nuance of my little explanations. When I saw his finished drawing, I felt ‘That’s it!’ Since I knew his sense of drawing, I showed him the way and made suggestions to him. I tried hard as well because I had to, but he was better than me. When I mentioned the next assignment theme and vague, he drew easily and presented it to me…’Like this?’
– You already had a nice combination and working style to complete the task you had at that time.
- Sakai
- “We didn’t need to explain everything to each other.”
- Tamaki
- “Indeed.”
- Sakai
- “We can grasp the essential point with nuances, with each other. If Tamaki says the point, she doesn’t need to explain anything logically and tenaciously.”
– Quickly and easily.
- Sakai
- “When the shawls completed, I asked Tamaki what she wants to do next. She said that she wanted to familiarise them with the men and women of all ages nationwide of Japan and then all over the world. That’s all. That’s it. I hear her point, and I build up a method in my head. It’s been like that whole time.”
– It is not like “reading what someone is implying”. You can understand Tamaki ‘s intention quickly and leads to methodology, right?
- Tamaki
- “I don’t have communication skills, but he is superior, so he understands my words, and it builds up inside him.”
- Sakai
- “I don’t really read books, but I ask Tamaki to read and give me the summary. After I hear the points, I can grasp the full picture. That always has the case.”
- Tamaki
- “After reading the book, I can also put it into myself by outputting it to him. If I just read it, it’s only information. But I want to organise the parts I need for myself, so Sakai is the right partner to do this task with. First, I list up the points quickly from the book and discuss the message, and then apply it to our company. That’s the process, and it reaches them.”
– You understand each other without talking, and in other words, it’s an irreplaceable partnership.
- Tamaki
- “In that sense, I think our direction heading to the goal is really close, but our abilities are entirely different. I don’t have a problem with reading many books. Actually, I like extracting and adopting essential things from the extensive information that flows into me. I can marshal at certain points; however, when Sakai and I work together, we can examine and understand what is best for ‘tamaki niime’ and adapt. I wanted to take advantage of the opportunity to read these books.”
Tamaki, who ponders extensively and questions herself regularly. Sakai, who grasps the essentials quickly. They sometimes don’t hesitate to disagree with each other and have quarrels, other times, agree to their superior talents and identify with each other in no time.
- Tamaki
- “I’m always thinking. I want rationales; like reasons to live. Sakai can find essence with surgical precision from the overflowing information. I am not good at it. On the other hand, Sakai can only take out the raw stone; the most important source from the somewhat useful information. It is a sense in a way. When it comes to a role, he gets slightly more information of the world and the trend of the fashion industry than I from reading books. How he is continuously on the lookout for new information is weird.”
– You instead feel it ‘weird’ rather than ‘tremendous’? (laugh) Does it refer to the quality and nature of the information?
- Tamaki
- “I have kind of a personality that look into things deeply, but he is unusual in getting better information. When it comes to creation, I’m very deep. If it is a big advantage for ‘tamaki niime’, I’m interested in it. But I’m not very interested in the common. It takes time and effort to get information. I would rather use the time for creation. Since Sakai is not a creator, he grasps the information and has to drive to see what’s going on in the world so as to handle the branding of ‘tamaki niime’. So when it comes to collecting information, he is weird.”
– Have you started developing your ability; collecting information since branding the shawl as a significant part of ‘tamaki niime’?
- Sakai
- “Collecting information is kind of a hobby for me. It is like breathing rather than an obligation.”
- Tamaki
- “Observing people as well as branding. They are all natural for Sakai.”
- Sakai
- “I started observing people, for example, my parents and their friends, since I began to understand things as a child, as long as I remember. I was very smart about not making my parents mad or figured out how to get my favourite things. I also gave some gifts to my mother purely out of kindness. I enjoyed making my favourite people happy.”
- Tamaki
- “To make a person happy and get their attention, or to get something he wanted, he considered it strategically. If that is Sakai’s natural talent, I believe that branding is really cut out for him. He observes and creates a methodology to make the brand remarkable.”
- Sakai
- “When I was young, relationships with people and friends were information tools for me. I scanned and absorbed it to understand deeply.”
– Weren’t you motivated to become an artist?
- Sakai
- “Not at all. When I try to say something cool, instead of creating or drawing on paper and canvas little by little, I regard myself as a painting material and the field; the world where I move around as a canvas. I’m not so sure if the movement I made is a concrete painting or an abstract painting as a result, but I suppose it is art.”
– That’s the way Sakai expresses as art.
- Sakai
- “Yes. I have brushed up my ability of expression by using my body and words. I’ve thinking who I should be connected and get information to improve myself.”
– Persuading Expressionist Art is the role of ‘tamaki niime’?
- Sakai
- “I think that I, myself is an artwork. I’m not stagnant yet. I’m still updating, or I should say upgrading.”
– Branding ‘tamaki niime’ is one of the forms of your Expressionist Art. There is the need, and once it comes, you have decided that you would do with all your strength and heart as your expression.
- Tamaki
- “Both of us are not clearly distinguishing between on and off. However, I don’t want to sacrifice my life for work. I view our brand to be a way of enjoying my life. In that sense, how I experience and how he experiences are similar. The difference is that we use different tools. So everything is fine if it is good for the brand in the end.”
– You just have to discuss deeply with Sakai…?
- Tamaki
- “It is more like a battle.”
– You two have to discuss thoroughly to find the landing point without compromise.
- Tamaki
- “When we were still struggling to make the first shawl, I had a black-and-white view; if it is right or wrong. I thought I was right in my mind, but Sakai made me notice that I was not perfect for the first time. People usually don’t like arguing, so they end up compromising. Like, ‘I know, I know, you are right…’ Even if you don’t think so, you say it because it is a solution, right? I was proud of my victory when I won the argument, but Sakai gave me an opportunity to notice that it was not good. Even if I say something fair, he doesn’t agree, and he argues back with his point 100%. I didn’t know anyone who seriously contends back until he did. Since I was not very interested in people, I expected everybody had the same ideas. Anyway, thanks to Sakai, I realised that the common sense in the world is ‘nonsense’. Also, my common sense is not usual for other people, so my world is still small. That’s what I learned.”
- Sakai
- “Well, I initially didn’t care a bit about common sense. Tamaki taught me the fundamental principles of the world, rules and so on.”
- Tamaki
- “We were entirely in different worlds. My common sense and his didn’t match at all. However, by exchanging each information and shared them, we learnt new worlds and doubled the information we have. At the same time, we can see our possibilities and expanded our world. Like sharpening our brains together.”
By blending the opposite, yet unique two individuals; Tamaki and Sakai, the possibilities of ‘tamaki niime’ has extended in multiples.
- Sakai
- “We have different ways to express ourselves; however, we both are probably ‘philosophers’. We are thinking to expand our ideas deeply, highly and widely.
(To Tamaki) We are trying every day, right?”
(Tamaki nodded.)
- Sakai
- “It happens to be just an expression as a brand. We are not planning to write or discuss it like a so-called philosopher, but both of us are doing something consistently.”
- Tamaki
- “By discussing new information and ideas that I get from books and movies, we add our possibility and expand worldwide. That’s how we make feasible ideas come true as ‘tamaki niime’, for example, growing vegetables and food trial, and so on. We’ll have more and more to add to our brand.”
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.