niime 百科
Encyclopedia of niime
6人の色で織り成す「織りチーム」
〈前半〉
"Weaving team" that weaves in six colours
〈part1〉
〈前半〉
〈part1〉
2020 . 05 . 15
今回登場は「織りチーム」。玉木が力織機を購入し自ら機を織ってみるところから始まった、今に至るtamaki niimeのモノづくり。力強い音を響かせながら織機が稼働し色鮮やかな生地が生まれてゆく「織り」の現場は、Labの心臓部とも呼べるセクションだ。リーダーである谷口希望、西坂研、植田凪紗、村上幾郎、中尾沙衣、そして藤本隆太。現在6人を数えるスタッフに取材し、それぞれのモノづくりを真摯に、じっくりと語ってもらった。まず〈前半〉は谷口、西坂、植田の3人から。
― まずは、谷口さんの入社のきっかけを。
谷口「以前は船舶用のディーゼルエンジンを造っていました。10mくらいあるエンジンを、だいたいひと月くらいかけて部品を組み立てていって、調整作業を経て試運転して発送まで。そこの現場で実作業を行いながら進行していました。その後にハローワークで生地関係の仕事を探していて、偶然tamaki niimeという名前に出会って、どんな会社か調べてみたら、ホームページ見てもなんかちょっとヘンな感じやなっていう(笑)。」
― 普通とは違うなと(笑)。
谷口「そうですね。いつでもインターン募集中って書いてあるし、ヤル気のある人いつでも来いみたいな感じが出てて。実際百貨店とかで販売してるモノを観ても、それぞれ全部違っていてすごくキレイな作品を創っているという。転職サイトをチェックしても色んな声が書かれていて興味をそそられて。」
― 覗いてみたい的な。
谷口「はい。もともと服とかに興味を持ってたので。入社して最初は機械のメンテナンスを希望してたんですけど、なにか漠然としてたので、まずは集中的に「洗い」を担当してその後「織り」に移っていったという。機械の稼働は今は主にレピア織機中心ですね。他の機械のメンテナンスも流れで教えてもらいました。」
― 織機の稼働以外の仕事内容やリーダーとしての役割についても教えてください。
谷口「経(タテ)糸に関して、糸の太さであったり色であったり、どんな柄でどの糸を使うか、中尾さんや植田さんら「織りチーム」のスタッフと社長に話しを詰めてもらって、確定した情報をもとに糸を発注してサイジング屋さんに経糸の糊付けをお願いするといった、進行の管理になりますね。」
― 外部とのやり取りですね。糊付け作業がない緯(ヨコ)糸に関してはどうですか?
谷口「緯糸の場合はコットンなら先染めした糸を購入したり、ウールに関しては売っている色糸のヴァリエーションが少ないので、かなりの量を自社で染めています。「織り」に使う色糸を実際に並べる中尾さんや植田さんが、外注する場合も含めて準備していきます。」
― リーダーとしてトータルに「織りチーム」の進行を見ているということですね。
谷口「一緒に全体を見てくれてるのが村上さんで、外注の企画モノになってくると、実際に織りの組織やジャカード柄などデザインのデータを編集しているのが村上さんなので、窓口にもなってもらってしっかりと管理してくれてます。」
― 現状を踏まえて「織りチーム」の今後についてはどうですか。
谷口「他のチームより人数が多いというのもありますが、業務内容が多岐に渡っててそれぞれに色々と仕事を抱えているので、そこが噛み合い、フォローし合って進めていけるような体制づくりをしっかりとやっていきたいですね。その上で機械を集中的にいじる時間をつくりたいです。」
― メンテナンスに比重を置きたい理由は?
谷口「作業の効率化を図る意味もありますが、現行の織機で機械の性能的にはもっと幅広いことが出来るのに使いこなせてないところがあるので、可能性をどんどん広げていきたいです。」
― なるほど。
谷口「そこから更に進んで、こんなことがやりたいけど今の設備じゃ出来ないとなった時に、設備を整えそれが出来るようにという動きをしっかりやっていきたいですね。」
― 出来るようにというのは、何かアタッチメント的なものを取り付けたりとかですかね。
谷口「であったりですね。」
― 改造したりとか。
谷口「機屋さんなんかは出来ないことがあればもとの機械からどんどん改造したりしていく。そういう流れでこの播州織も進化して行ってるので。」
― 織機のポテンシャルを更に引き出し、モノづくりに活かすと。わかりました。では最後に、新型コロナ禍に対応した「tamaki niime マスク屋宣言」を踏まえて、これからのモノづくりについてお願いします。
谷口「1月の「タマスク」開発時点では「縫製チーム」の方で既存の生地を使って制作したんですが、受注を取ってやっていくとなってから現在はショールの生産を止めていて、マスクに切り替えています。「タマスク」づくりに集中するために「織り」にかかる人員を絞って、縫製や出荷、作品撮影のフォローに入って頂いてたり。普段なら全体でやってる「洗い」の業務を全て「織りチーム」で引き受けたりしています。」
― マスクの生地づくりに関してはどうですか?
谷口「マスクはサイズが小さいので、1点モノにするためにはショールに比べて糸の入れ替えも頻繁です。普段の生地を織る時と頻度で考えて6倍…」
― すごいですね。
谷口「5、6台動かしている各機械で順番に糸交換が必要になってくるので常に近くにスタッフが控えておく必要があります。それ以外にもトラブルで糸が切れたりとかで機械が止まるんで、完全につきっきりになります。」
― 今後のモノづくりの展開に関しては。
谷口「まずはガーゼづくりですね。今回のコロナ禍によって色んなところでガーゼが足りないとなってるので、まず必要とされている方たちに届けられるように。今サンプルをつくっていて準備している段階ですね。織り出せるように糸の準備だったりを進めているところです。」
― タオル生地の開発もあります。
谷口「日用品が不足している今だからこそ、タオルに関してもしっかり届けていこう、ということで。タオル織機の担当を決めて企画を具体的にしっかり進めているところです。どんなモノを打ち出していけるのか、突き詰めたいですね。」
― 全社あげてこのコロナ禍の状況にスピーディに対応して生活必需品であったり求められているモノを開発しお届けしようという想いがすごく感じられますね。ショールなど定番の作品についてはどうですか?
谷口「Shopは現在マスクのみの販売になって百貨店も休業中ですが、Online Shopではご購入頂いているので、求められているモノを切らさないようにと、先も見据えています。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
― 西坂さんは絹織物の産地である群馬県の桐生市から来られたんですね。
西坂「桐生から1月にこっちに来て4ヶ月が経ちました。力織機とレピア織機の稼働と一部メンテナンスも担当しています。」
― あちらではどんなお仕事を?
西坂「クライアントさんからの要望に応じて織物のデザイン・生地の設計をしたり、分業になってるので整経であるとか、色んな行程の外注先にお願いに行ったり、自社の織機で試し織りをしたり、量産の反物があった時には出荷したり、なんでもかんでも色々やってました。」
― 織物についての様々な業務を経験されてるわけですね。
西坂「桐生の場合は生地屋さんが多くて、アパレル企業との仲介をする商社を通して、私がいたような「元機」と呼ばれる企業に依頼が来て、そこから更に下請けの工場に仕事を外注する形ですね。」
― こちらに来られたきっかけというのは?
西坂「家族が九州に居るということで、群馬より九州に近い所で織物の仕事を探していて。」
― はい。
西坂「まぁ織物しか出来ないんで、桐生以外でどこか面白いことやってるところはないかなとネットで調べてたら、ここのホームページがけっこう目立つものだったので、見てみたらビックリしました。」
― うーん。
西坂「で、まぁモノは試しで応募したら来てくれという話になったんで、はい。」
― なるほど。播州織の場合は玉木さんが来られてからそれこそ色々とすごく変わって行きつつあるんじゃないかと。
西坂「いやぁ影響力はすごいと思いますよ。ほんとに。」
― すごいですよね。
西坂「だから、こういう会社が一社でもあると、産地自体がだいぶ変わりますよね。全国見回してもなかなかこういう例ってないんじゃないですか?桐生でも…どこの産地でもと言いたいところですけど、特殊中の特殊だと思うんですよね。」
― 4ヶ月経って今どうですか?
西坂「これまでと違う、ここの独自のやり方に面食らってなかなか慣れないところがありますね。今コロナ禍の状況で、それに応じて会社のやり方もどんどん変わって来る。それでなくても色々新しい試みをされることが多い会社なので。年齢もあるし、付いていくのが大変だなというのが実感としてあります。」
― これまでの経験値が役立っている部分もあるのではないですか?
西坂「まぁ全くやってないよりは、それはあると思いますね。」
― 他産地のことに精通されているというのも強味なのでは?
西坂「いやぁ、それはどうなんでしょうね。その知識がちゃんと役に立つなら良いですけどね。将来的に活かせたらいいなとは思いますけど。」
― ではこれからの展望的なことをお話しください。
西坂「自分に出来ることをとにかくやっていきたいです。シャトル織機とかはある程度経験があるので、今後動かすことになれば動かしていきたいなと。自分の経験が活かせる場面があれば、ぜひ貢献したいなというのが今後の希望です。まだ稼働していないタオル織機やネームを織る機械、整経機もあるので仕事が回って来た時にはちゃんと動かしていければ。」
― 生活の面では慣れられましたか?
西坂「西脇の方が街がキュッとコンパクトで、自転車で回れる範囲内で色々揃っているので、そういう意味では助かってます。」
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― 植田さんはYoutubeの「tamaki niimeの日常」にも出演されてました。
植田「入社したのは2018年の3月で、2年が過ぎました。主に「織り」とプリントショール柄のデザインを担当しています。入社当時は「縫製チーム」の裁断をしてました。そこから「洗い」を通して「染め」に行き、今に至りますね。」
― ほぼほぼ各部署を網羅してませんか。
植田「そうですね、「編み」以外は。あと「わチーム」とか。」
― 「織りチーム」内でのお仕事の内容なんですが。
植田「織機の稼働のほか、「糸並べ」といって生地に使う緯(ヨコ)糸の配色をやってます。柄に関しては村上さんたちが創っているので、それの配色をどうやって組んで、どんな感じの生地やショールにしようっていうのを考えながら糸を並べてます。経(タテ)糸に対して、緯糸の色を頻繁に変えてヴァリエーションを出しています。プリントショールは以前は「わチーム」の本岡さんが8割・私が2割で分担してたんですけど、最近はほぼほぼ私がやっています。
― ショールのプリント柄のデザインをしているんですね。
植田「そうですね。デザインと、あと色の展開も創ったり。」
― では、入社のきっかけを聞かせてください。
植田「もともと小さい頃から絵を描くのが好きで、高校〜専門学校を通してアート的な手描きイラストを描いてました。就職活動してて自分の特技のデザインやイラストを活かせる仕事に就きたいな思ってたんですがなかなか無く、ハローワークで「モノづくり」「個性的」とか「テキスタイルデザイン」、そういうワードで検索して出てきたのがここで。紹介文にもすごく楽しい言葉が載ってたんですよ。「only one」とか「唯一無二」とか、私が求めていたことが書かれてて。ここだ!と思って、電話して面接受けて、で、初めて来て実際を知った感じですね。」
― 作品の実物もまだ見てなかったんですね。
植田「Youtubeの動画とかでは見てたんですが、直接は見てなかったんですね。ここのドアを開けて、Shopにバァーッと色んな作品が並んでいるのを目にした瞬間にもう、すごい一目惚れで。もう絶対ここに入りたいって思って。で、面接受けて、その日のうちに社長と酒井さんに最終の2次面接までしていただいて、お二人の人柄にも惚れたし、考え方だとか他にはない発想の持ち主だというところにも惹かれて。で、自分の作品のポートフォリオとか出して猛アピールして入社に至りました。」
― こんな面白い大人がいたんだと思った、と言ってましたよね。
植田「やっぱり学校の先生とか現実的なお話をされたりするじゃないですか。」
― 夢ばっかり追っかけてちゃダメだよ、とか。
植田「そうです。他のデザイン会社さんとかでもそんな風潮があるのではという気がするんですよ。歳月を重ねてからようやく出来るんだみたいな。でも社長や酒井さんは実力次第で男女とか年齢とか関係なくモノが良ければOKと。こんな面白い大人がいるんだと。ああここだって、この感じは他にはなかったですね。」
― 入社以降色んな部署を経験してきて今「織り」にいるわけですが。
植田「それぞれが全く違う部署なんですけど、トータルで見たら一貫した行程でやってるなと。今「織り」にいると、自社で染めた糸を織ったら結果的にどうゆう風になるっていう部分が見えたり、あとデニムとかをカットする時もあるんですけど、裁断でこんな風に採れるから今ここにある柄がモノになった時にはこの辺にきてるんだろうなとかっていう、ちょっとしたことなんですけど、先が見えるという。」
― はい。
植田「なのでやりやすい。何にも知らずに織りに入るよりは、経験したからこそわかるみたいな。で、面白味も出て来るみたいなところがありますね。」
― 展開が読めるというか、理解した上で「織り」に取り組めてるというか。
植田「全然わからない身だったからこそ、すっごい色々訊きまくって(笑)。どうしてこうなるんですか??みたいな。」
― それって良いことですね。どの部署でも訊きまくったんですか?
植田「そうですね。「洗い」とかは単純作業にはなると思うんですけど、ちょっとしたことでも…どういうことなんですか?これって最終的にどんな風になるんですか?って。知りたくなったらもう知りたくなっちゃうんで(笑)。」
― 知りたがりですね。
植田「モノづくり手だったら、知ってる方が色々見えると思う。うるさい存在だと思います(笑)。」
― それでは最後に、これからの目標とか展望とかを語っていただきたいんですけど。
植田「これからの目標は、ウチのデザインのトップ3に入ることです。ひとことでデザインって言ってもいろいろ。プリントショールの柄だけじゃなくって、「織り」の配色だとか、そういうのも含めた…“デザイン・センス”のトップ3に入りたいなと。トータル的に、こいつに任せたら大丈夫だろうみたいな、信頼も含めた、技術も含めた、トップ3の中に入るのが目標ですね。苦手な部分も伸ばしていかないとですけど、得意とするアート寄りのデザインで勝負したいです。」
― 自分の持ち味は大事ですよね。
植田「モノづくりで皆んなを幸せに出来るように。もっとデザインだったり、織りの生地による作品を創っていく人間として、より良いモノづくりがしたいですね。世界中に知っていただいて、笑顔で皆んなが幸せになれる。そんなモノづくりがしたいなって思ってます。」
― 実際に作品が世界に行っちゃいますもんね。
植田「ほんとすごい、普通じゃありえないですよね。自分がこんな風になるって全然予想してなかったので。昔はデザイナーになりたいっていう想いはあっても、こんな若い年齢ですぐになれるとは思ってなかったので、ビックリしてます。」
― これだけの環境があって、すぐにモノづくりをやらせてもらえるという。
植田「ほんとここに出会えたのがすごくラッキーなことだなと思うんです…。もっとtamaki niimeを皆さんに知ってほしいなと思いますね。」
― なんか目頭が熱くなってますね。広報もやりたいくらいの想いで。
植田「創り手にしてもお客様にしても、ここを求めている人はもっといるはず。こんな良い会社があるというのをもっと知ってもらいたい。」
〈つづく〉
書き人越川誠司
This time, I talk with the weaving team. Tamaki’s creation started when she purchased a power loom and started weaving it herself. At the weaving site, where the loom operates while producing powerful sounds while produce colorful fabrics, is the section that can be called the heart of the Lab. Nozomi Taniguchi: the leader of the weaving team, Ken Nishizaka, Nagisa Ueda, Ikuo Murakami, Sae Nakao, and Ryuta Fujimoto. I interview the staff, currently six people, and asked each of them to carefully talk about their part in creation. The first half of the interview is from Taniguchi, Nishizaka, and Ueda.
—— First of all, what made you join the company?
- Taniguchi
- I used to build diesel engines for ships. It took about a month to commission and assemble parts for an 10m engine and, adjuste and then ship. After that, I started looking for a fabric-related job at Hello Work employment security office, and I ran into the name tamaki niime and I wondered what kind of company it was, so I checked their website to learn more. It was a little weird (laugh).
—— You mean it’s not normal (laugh).
- Taniguchi
- That’s right. It says that they are always looking for interns, and it motivates people to apply at anytime. Actually, even if you look at the items sold at department stores, they are all different and very beautiful. I was intrigued by the various voices I wrote when I checked the job websites.
—— You wanted to look into it, right?
- Taniguchi
- Yes, I was originally interested in clothes. At first, I wanted to maintain the machine, but it was vague, so I focused on doing the “washing”first and then I was told to moved to “weaving”. The operation of the machines is now mainly centered on rapier looms. I was also taught how to maintain other machines.
—— Please tell me about your work content other than the operation of the loom and your role as a leader.
- Taniguchi
- With regard to the warp thread, Mr. Nakao and Mr. Ueda of our “Weave team” discuss the thickness and color of the thread, what kind of pattern and what thread to use with the boss. Then I managed its progress such as ordering the yarn based on the confirmed information and asking the sizing shop to size the warp.
—— You arrange with outside contacts. What about the weft thread which doesn’t have a sizing process?
- Taniguchi
- In the case of wefts, we purchase pre-dyed yarns for cotton. Since there aren’t enough variations in pre-dyed wool yarns, we dye a considerable amount in-house. Actually, Mr Nakao and Mr Ueda, who line up the colored yarns for weaving, make preparations including outsourcing.
—— As a leader, you are totally watching the progress of the “Weaving team.”
- Taniguchi
- Mr Murakami watches over the whole thing with me, and when it comes to outsourced planning, he is actually editing the design data such as the woven structures and the jacquard pattern. He is the help desk and really well-managed.
—— Given the current situation, what about the future of the “Weaving team”?
- Taniguchi
- We have more people comparing to other teams, and since the work content is diverse and we have various jobs, we would like to create a system that can engage with each other and follow each other. I want to do my best, and I also want to devote some time to intensively tinkering with the machines.
—— Why do you want to focus on maintenance?
- Taniguchi
- It improves work efficiency, but there are some areas where the current looms can be used in a wider range of machine performance. Yet we haven’t mastered using them yet, so I would like to expand the possibilities.
—— I see.
- Taniguchi
- From there, when I would like to do something new, but the current equipment is not possible, I would like to make a solid move to prepare the equipment that is needed and do it.
—— You mean you would like to attach something?
- Taniguchi
- It’s just that.
—— Remodeling, too?
- Taniguchi
- If there is something that a machine shop can’t do, we will continue to modify the original machine. Because of this Banshu-ori is evolving.
—— To further harness the potential of the loom you make use of it in creation. I understood. Finally, please tell me about future creation based on the “tamaki niime mask shop declaration” that corresponds to the novel coronvirus.
- Taniguchi
- At the time of the development of the “Tamask” in January, the “Sew team” used the existing fabric to make masks, but since we started accepting orders, we are currently not producing shawls. We switched to making masks. In order to concentrate on making “tamasks,” we narrow down the number of people involved in “weaving” to follow sewing, shipping, and shooting of works. The “Weave team” undertakes all the “washing” tasks that we normally do as a whole. “
—— What about the fabric for making masks?
- Taniguchi
- Because the size of the mask is small, we change the threads more often than a shawl in order to make a single item. Comparing to weaving ordinary fabrics and frequency, it is more than 6 times…
—— Wow.
- Taniguchi
- Threads need to be placed in turn for each machine and there are 5 or 6 machines running. Other than that there are some difficulties to take care of machinery, for example, cutting threads so it is always necessary for staff members to be nearby.
—— How about the future of creation?
- Taniguchi
- First, we make the gauze. Because of the coronal damage this time, gauzes are running out in various places, so we can deliver them to those who need them. We are at the stage of making and preparing samples now. We’re in the process of preparing threads so that we can start weaving.
—— You are also developing towel cloth.
- Taniguchi
- Because people are running out of daily necessities, we want to deliver towels as well. We are deciding who is in charge of the towel loom and making a concrete plan. What kind of products can we propose? I want to go all out.
—— I think that the company as a whole feels the desire to develop and deliver the things that are essential and required for daily life by responding swiftly to the situation of the damage done by the coronavirus. How about the classic works such as shawls?
- Taniguchi
- The Shop is currently selling masks only and the department store is closed, but the customers are still buying them at the Online Shop, so we are looking ahead so that we do not run out of the things that are required.
・・・・・・・・・
—— Mr Nishizaka came from Kiryu city, Gunma prefecture, where silk fabrics are produced.
- Nishizaka
- It’s been four months since I came here in January from Kiryu. I’m also in charge of the operation and some maintenance of the power looms and rapier looms.
—— What kind of work were you doing there?
- Nishizaka
- According to the client’s request, I made textile design and fabric structures. Since it was a division of labor, I asked outsourcers of various processes like warping. I also tried our company’s weaving machines. I shipped mass-produced rolls of clothes when there were to send. I did everything.
—— So you have experience in various operations related to textiles.
- Nishizaka
- In the case of Kiryu, there are many fabric shops, and through a trading company that acts as an intermediary with apparel companies, we receive a request from a company called “Motobata” where I was. And from there we outsource to subcontracted factories.
—— What made you come here?
- Nishizaka
- Since my family is in Kyushu, I was looking for textile work closer to Kyushu than Gunma.”
—— Yes.
- Nishizaka
- Well, I can only make textiles, so I searched the Internet to find out that there was something interesting other than Kiryu, and the website here was so prominent that I was surprised.
—— Hmm.
- Nishizaka
- Well, I gave it a shot and they told me to come in for an interview. So.
—— So that’s it. In the case of Banshu-ori, I think that it has changed a lot since Ms Tamaki came.
- Nishizaka
- Yeah, she is a great influence. Really.
—— It’s amazing.
- Nishizaka
- So even if there’s one such company, the production area itself will change a lot. Isn’t there such an example even if you look around the country? In Kiryu…or I’d like to say it from any production area, I think it’s really special.
—— How do you feel now after 4 months?
- Nishizaka
- There are some things that I’m not used to because they have an original methodology here. Under the situation of the Corona now, the methods of the company are changing rapidly. It’s originally a company that has a lot to do with new trials, I really feel that it’s difficult to keep up with at my age.
—— Isn’t there a part where your experience has helped you a lot?
- Nishizaka
- Well, I think it’s more than nothing.
—— Isn’t it strength that you are familiar with other production areas?
- Nishizaka
- No, I don’t think so. It would be nice if that knowledge was useful. I hope it can be utilized in the future.”
—— Then, please tell me about your future prospects.
- Nishizaka
- I just want to do what I can do. I have some experience with shuttle looms, so I would like to contribute more for the company in the future. If there is a situation where my experience can be utilized, I would definitely like to contribute. There is a towel weaving machine, a name weaving machine, and a warping machine that are not in operation yet, so if the work comes around, I can help.
—— Have you got used to life here?
- Nishizaka
- The town in Nishiwaki is compact and there are various things that can be cycled around, so that’s what helps.
・・・・・・・・・
—— Mr Ueda, you also appeared on the YouTube channel “tamaki niime’s daily life.”
- Ueda
- I joined the company in March 2018. It’s been two years. I am mainly in charge of the design of “weaving” and print shawl patterns. When I joined the company, I was cutting in the “Sew team.” From there, I went to “dyeing” through “washing”, and I reached the present.
—— You covered almost all departments?
- Ueda
- Yes, except for “knitting”. I haven’t been in the “Wa team”, either.
—— What is the content of your work in the “Weave team”?
- Ueda
- In addition to the operation of the loom, I arrange the colour combination of threads called “Ito narabe” for the weft threads used for the fabric. Mr Murakami and others create the pattern, so I arrange the threads while thinking about how to combine the colors and what kind of fabric or shawl to make. For warp threads, weft colors are frequently changed to create variations. For print shawls, Mr Motooka of the “Wa team” and I used to share the work 80%/20%, but nowadays I do the most.
—— You’re designing print patterns for shawls.
- Ueda
- That’s right. I also created design and color development.
—— Then, would you tell me the reason for joining the company?
- Ueda
- I’ve always liked drawing since I was little, and I used to draw artistic hand-drawn illustrations from high school to vocational school. I wanted to find a job where I can make the most of my design and illustration skills. I was searching for one but it was hard to find, and I came up with a search for words such as “creative”, “individuality” and “textile design” at Hello Work. There were also very fun words in the introduction. It says the “only one” and “one and only” that I was looking for. I had a feeling that was here! So I called and had an interview, and I had found the type of job I was looking for.
—— You didn’t even see the actual work, did you?
- Ueda
- I saw it on Youtube videos, but I didn’t see it directly. The moment I opened the door and saw various works lined up in the shop, it was amazing. I was really in love and I definitely wanted to be here, so I had an interview, and on that day, the president and Mr Sakai had the final interview, and I fell in love with their personality. I was also attracted to their way of thinking and the dream they have for the company, so I made a portfolio of my work and made a big appeal before joining the company.
—— You said you have never seen this type of interesting adults.
- Ueda
- I think school teachers talk about something realistic.
—— Like, you shouldn’t chase after all your dreams.
- Ueda
- Yes, I feel that there is such a trend even in other design companies. It seems that designers can finally do so after many years. But the president and Mr Sakai say that gender doesn’t matter depending on their ability. It doesn’t matter if you’re old or not, it’s ok if you have ability. There are such interesting adults here.
—— Since you joined the company, you have experienced various departments and are now in “weaving”.
- Ueda
- Each department is completely different, but when we look at them in total, it seems that we are doing is a consistent process. I’m in “weaving” now, I can see what happens when you wove the yarn dyed in-house. Sometimes I can see the part and I also cut denim etc., but since it can be cut like this, it seems that when the pattern here is finished, it’s probably around here. But I can see the point.
—— Yes.
- Ueda
- So it’s easy for me. It seems that you can understand it because you have experienced it rather than getting into weaving without knowing anything. And it is more interesting.
—— You read the next thing, and you can try “weaving” after understanding.
- Ueda
- I didn’t understand at all, so I asked a lot of different questions. (laugh) Like, why is this happening?
—— That’s good. Did you ask every department?
- Ueda
- That’s right. I think “washing” is a simple task, but even a little thing… what is it? What will this finally look like? What? When I want to know, I want to know more. (laugh)
—— You want to know more.
- Ueda
- If you are a creator, I think you can see various things. I think it’s bothersome. (laugh)
—— So, finally, I would like you to talk about your goals and future outlook.
- Ueda
- Now my goal is to be in the top 3 designers in the company. There are many ways to say design, not just the pattern of the print shawl, but also the colour scheme of the “weave”. …I want to be in the top 3 in the “design sense”. Overall, including trust and technology, which seems fine to leave it all to me. I have to brush up the parts I’m not good at, but I want to compete with art-oriented designs that I am good at. “
—— Your characteristics are important.
- Ueda
- I want to make everyone happy via creation. I want to make better things as a person who can creates more designs and works with woven fabrics. I want everyone in the world to understand and be pleased. That’s what I want to do through creation.
—— The works are actually exported into the world, right?
- Ueda
- It’s really amazing, it’s unusual. I never expected that I could be like this. I used to think that I wanted to be a designer, but at such an young age to reach my dream is a surprise. I really can’t believe it myself.
—— You have an environment like this, and you will be able to create right away.
- Ueda
- I’m really lucky to have been here… I want everyone to know more about tamaki niime.
—— Your eyes are watering. You want to share more about tamaki niime.
- Ueda
- There must be more people who are looking for this place, whether it is the creator or the customer. I want people to know more about such a good company.
(continued)
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.