niime 百科
Encyclopedia of niime
6人の色で織り成す「織りチーム」
〈後半〉
"Weaving team" that weaves in six colours
〈part2〉
〈後半〉
〈part2〉
2020 . 06 . 01
唯一無二を志向するtamaki niimeならではのクリエイション。その要である「織りチーム」の6人のスタッフにじっくりと話を訊く連続インタビュー後半。今回は中尾沙衣、村上幾郎、そして藤本隆太の3人が、それぞれのモノづくりへの想いを語ります。
中尾沙衣
― 中尾さんは建築畑出身だとか?
中尾「もともとは学生時代に建築を学んで2年間施工の仕事をしていたんです。畑の違う創作の世界に行ってみたいなと思い、何か手を動かしてのモノづくりっていう、おっきな範囲で、陶芸とか民芸品などでも探してはいたんですけど、伝統的な地場産業として昔から栄えてきた播州織の中でtamaki niimeを見つけて、応募したんです。」
― 入社の決め手になったのは?
中尾「入社を決めたのは、“すぐ出来そう”だったこと。すぐにモノづくりをやらせてもらえそうだったというのと、生産から販売までの一貫したプロセスを見ながら働けるというところです。生産だけで販売は別の場所だと創っている実感、創ったモノがお客様に届いている実感が薄いんじゃないかと。」
― そこは事前にネットなどで色々と調べてみたりもしたんですか?
中尾「インターンでここへ来て1週間ほど体験して、そのことがわかったって感じです。Shopの隣にすぐLabがあって、という。」
― モノづくりという点では最初から「織り」を希望してたんでしょうか?
中尾「一番最初は「染め」希望で入ったんですけど、「染め」は今後拡張するからということで。良いモノづくりをする上では隣の部署が何をしてるかっていうのは知っておいた方が良いなと、いずれは「染め」に、という前提で最初は「織り」に配属ってことになったんですが、今はすっかり「織りチーム」に…」
― 「織り」にハマってしまったと(笑)。
中尾「定着してます。(笑)。」
― 愉しくやれてますか?
中尾「はい。ウチのモノづくりの一番中核の部分なので。織らなきゃ縫製も始まらないしっていう。」
― 自ら織ることが、tamaki niimeのモノづくりの原点でもありますし。中尾さんの仕事内容としては?
中尾「在庫の色管理というのは、例えば赤系の色の作品が売れていればそこが減ってくるので、どれだけ赤系の作品を創るかを管理していく。100点減ったら同じモノをまた100足せば良いという話ではないので、難しい部分でもあると思うんですけど、tamaki niimeのモノづくりでは、色も重要な要素になってくるので。」
― 赤といっても色んなヴァリエーションがあるわけですよね。
中尾「色糸の選択では今日はスポーティな赤とかシックな赤とか、印象を考え合わせながら選んではいます。」
― “糸並べ”と呼ばれる、「織り」で使う色糸の選択と並べ方は中尾さんと植田さんが担当されてるんですね。その辺は任されてる感じですか?
中尾「一応糸を並べた後に社長に確認はしていただいてます。似たような色が並ばないように配色のバランスっていうのを第三者でもある社長の目線で確認していただいて、ちょっと修正が入る場合は多々あります。」
― なるほど。
中尾「ただ、大まかなところで、いま赤系の作品が足りないから赤い色糸を並べるというのはもう自分の判断ですね。」
― 売れ行きも観ながら、お客様の年齢層や条件も加味して、色糸のヴァリエーションも考えながらやってると。
中尾「そうですね。」
― ちなみに、今入社してどれくらいですか?
中尾「去年の夏に入ったので8ヶ月くらいです。」
― 実際、すぐにモノづくりをやらせてもらってるということですね。
中尾「はい。ほんとに色んな仕事に関わらせてもらってます。人を育てるっていうよりは、もうどんどんやらせて(笑)。」
― 即実践、的な(笑)。
中尾「そういう環境ではありますね。」
― 糸の発注業務については?
中尾「その時々で必要になる色糸の追加などですね。「染めチーム」の方にこうゆう色が欲しいと伝えます。」
― 外注も含めてですか?
中尾「どっちもです。」
― その辺は在庫管理にもリンクしてくるところですね。
中尾「そうですね。色の管理のところで。」
― 織機の稼働を担当されているのは?
中尾「レピア織機とジャカードです。」
― では、中尾さんの今後の目標を聞かせてください。
中尾「今後自分がやりたいことは、具体的にはデザインの部分にどんどん絡んで行って、自分のデザインしたものがカタチになるってゆうところまで体感したいな、ゆくゆくはそれが売り上げというところに繋がれば良いなと思ってます。」
― はい。
中尾「それをもう少しひろい範囲で言うと、ここの播州織産地の人との交流とか、人に繋げてもらってご飯でも食べながらお話が出来れば。産地の方々と一緒に他地域の工場見学のバスツアーにもtamaki niimeとしてスタッフ何人かで参加させていただきました。まだまだ社内のことで一杯一杯なのは否めませんけど、織物がどんなものであるかとか、アパレル業界だったり産地というのがどんなところなのか、社会勉強をもうすこし深めていきたいなと思っています。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
村上幾郎
― 村上さんは東京の美大出身で。
村上「展覧会の企画なども手掛ける先生のもとで現代美術を学んでました。あと建築とか木工の彫刻とか版画など色んな先生方がいました。単に美術を扱うのではない文化人類学的なアプローチがあったり、面白かったですね。絵も描いてましたね。ここでは柄とか創れるのでまた絵を描いてますけど。」
― 文様などにも以前から興味が?
村上「装飾とかの先生がいたのでそこから入っていったのが大きいですね。基本、美術オタクなんで、様々なジャンルにひと通り関心がありますが、文様とかは特に好きですね。東京でファッションブランドの主宰者が講師の一般人向けの学校にも通って、織物産地への目線は持ってました。」
― tamaki niimeに入社したきっかけをお願いします。
村上「繊維関係の仕事を探してる時期に、ウェブの求人サイト「日本仕事百貨」にここの求人募集が出てたのを見つけたんです。経歴とか経験者というのが条件にはなくて募集内容も一風変わっていて。で、こっちに来て、「織り」の現場で欠員が出るからと、その場で説明を受けていきなり入ったんですが、すぐに「織り」の仕事が出来るのなら、願ったり叶ったりで。あとはここの雰囲気ですね。機械がひと通りここには全部揃ってて。色々なことが出来そうな気がするじゃないですか?事前に一般的な織物工場の仕事内容を調べてたんですが、依頼されたモノをつくるんではなくて自分が織りたいモノを創れる環境ってけっこう限られてくるんです。」
― 主導権を持って自社でモノづくりが完結出来る環境を求めてたわけですね。
村上「そうです。経験もなかったので、織機については知らないからこそ来たっていうのはあるので。そこは採用してもらえるなら、入ってからやろうと。」
― 担当としては、生地の柄のデータ作成やサンプル生地づくりなどを主にされてるんですね。
村上「まず、生地の緯(ヨコ)糸の縞模様を創ってデータにしています。ショールや服の縞柄をグラデーションにしたりブロックにしたり、ランダムにしてみたり。使用する色糸の配色は中尾さんや植田さんが選ぶので、その前段階で版画の版を創るような感じでしょうかね。それと、ジャカード織の柄を創っています。元絵から描いてデザインソフトで画像データに仕上げて織物用のデータに変換して織るという流れです。」
― そのふたつがメインで。
村上「ジャカード機で織れる生地サンプルのデータを創ったり、外注先へのデータを準備したり…あとは皆んなと同じく織機の稼働ですね。」
― tamaki niimeならではのモノづくりについて。
村上「スピーディさということで言うと、同じ建物の中に織り上げたあとの縫製部門もShopもあるので、当然出来上がって店頭に並ぶまでが速いわけで。例えば「タマスク」を例に取れば、今の新型コロナ禍の状況でウチに限らずどこでも秋冬の生産計画が見直しになっていると思うんですけど、自分たちで織ってるからその計画とかも一気にガッと変えて、売るのも自社なので、どんどんマスクの生地に切り替えて、すごく変わりましたね。」
― まず判断が速いですよね。
村上「切り替えが速いんですよ。今ECが伸びてきていて、どんな作品にニーズがあるか、こういう生地が良いんじゃないかと反応がすぐに戻ってきて、なにもかも切り替わって次は何を創ろうって話をしてますからね。ショールはもともと速いんですけど、生産計画で普通のアパレルが半年かかるところを自分たちで創ってるから、3ヶ月どころかわずか1週間くらいでモノが出来上がってくる。創るのも速いし、軌道修正も速いですね。」
― なるほど。それでは、今後の展開などお願いします。
村上「繊維関係の仕事の経験なしにここに入って、運良くジャカードでサンプル生地の試織がすぐに出来る環境に置かせてもらっていて、織物の組織や密度に関しての自分の技術的なところを向上させようと、色々な実験を頑張ってやってきたんですけれども、このコロナ禍を受けて、今あるモノの細かなマイナーチェンジ的な話ではなくなって来ていて。それよりも従来とは全く違うような新しいモノ、ってゆうのを個別の企画で立ち上げていく方向に全体として舵を切っていて。ネットでの販売の比重が大きくなる中で、これまでの作品をどういった打ち出し方でお客様に紹介し届けていくのかも話しています。先のことがわからない状況で「織りチーム」としても、今のタイミングで求められるモノを察知し挑戦しながら創っていく。ガーゼづくりが見合わせにはなりましたが、その過程での様々なサンプルづくりから新たな作品が誕生する可能性も感じています。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
藤本隆太
― 藤本さんの入社のいきさつからお願いします。
藤本「パタンナーの勉強を3年間してファッションの世界に飛び込んだんです。最初に繊維商社に入社したのは、業界の「川中」みたいな全体を見れるポジションにいればそこをステップとして色んな選択肢が出来るのではという期待もありました。営業補佐や生産管理を任されていたんですが、アパレルという業界に対して明るい希望が持てずネガティヴな気持ちを引きずりながら仕事している人たちの姿を目にすることが多くて。その後モノづくりをやりたいな、そっちへシフトしたいなという想いがあって色んな繊維産地や伝統工芸を調べてたんですけど、たまたまネットでtamaki niimeの募集が載ってたんですね。その募集要項がすごく面白くて興味を持ったんです。」
― tamaki niimeに出会う以前から業界にいて色んな側面をご存知だったわけですね。
藤本「ちょうどその時に東京の上野の百貨店で催事をやっていたのを見に行って、1階の入り口の扉が開いたところにショールが並んでて、その光景がすごく輝いて見えたんですよね。ショールに触れてみて、なんだろう、これ?って。洋服にトキメキを感じていた10代の頃の感覚に似たワクワク感がすごくあって。そこで電話をかけて面接を受けにこっちに来て。その時にも光が射してるというか、すごくポジティブな空気を感じたんです。入社したのは3年前の3月のことでした。」
― 最初の担当は?
藤本「入った頃は主に「洗い」を担当して合間に「織り」に入る感じでした。その当時はまだShop&Labのスタッフも合わせて20人くらいで「織り」は2人でやってました。その後自分も含めて3人体制になり、現在は「織り」はほぼ他の皆んなに任せて広報など色んなことを担当しています。」
― “2足のワラジ”という感じですか?
藤本「足が4本くらいある感じです(笑)。」
― 全体を俯瞰して観れる、自ら仕事を創れる人という印象を藤本さんに対して持っているんですが。
藤本「そうなれたら良いなとは思いますね。その場その場で自分が何が出来るのか、この会社の良いところの一つは、やりたいっていう言葉を発したら比較的それを思うようにやらせてくれる。ただその尻拭いをするのも自分ですよ、っていうのもあるので、そこのバランスはもちろん取らなきゃいけないとは思ってます。」
― 「織りチーム」での動きに関しては谷口リーダーはじめ他のスタッフにかなり委ねているわけですか?
藤本「現場での動きに関しては、この1ヶ月くらいは自分が直に機を観るっていうことからは外れていて、他の部分でフォロー出来るところはしています。」
― フォロー役に回ってると。
藤本「ただ身体はいないけど頭は残しておいてということは言われてますし、自分がこれまでやってきて経験してきた中でまだ委ねられない部分とか、今後取り組んでいってもらうところとかも沢山あるので、そこは観ていかなくちゃいけないなとは思ってます。入社してから紆余曲折あって生産のことを観る立場にいましたけど、僕がチームを抜けたことがきっかけなのかはわかりませんけど、自分たちでしっかり考えることが出来つつあるのは良い傾向かなと。ただ力強く自信を持って判断を下せるかというと、もう少し時間が必要かなと思うので、そこをフォローする役割になれたら良いなと思います。」
― 歩引いて見守りながら。
藤本「僕が入社した頃は良いタイミングだったとも思うんですよ。自分も含めて3人しか「織り」の担当がいなくて、他の二人が何言ってんのかわからない、何だこれ?みたいなところからシロウトなりに「織り」に関して調べてみるところから入って、トライアングルみたいな関係で役割分担が出来たところがあったんですが、人数が多くなれば伝えるべきことも多くなっちゃうし、動きが鈍くなっちゃう時もあったりするわけですけど、今は今で人が多い分、情報としては学べるところも多いと思うので、そこがうまく機能すれば、もちろん人数が多い方がやれることは多いんで、もっと面白いことが出来ると思うんですけど。今はその過渡期というか、そこに至る準備段階みたいな期間なんじゃないかなと。」
― 今後の展開としてはどうなって行きそうですか?
藤本「今、僕が入った頃に比べて倍の人数がいる中で、それぞれに専門的なことに取り組める時間がけっこう多いはずなんですよ。それでも何かこう、時間が足りない状況になっているのであれば、何か新しく挑戦していることを抱えているのか、やり方が非効率なのかどっちかだと思っていて。新しい何かに挑戦出来ているのなら全然それで良いと思っています。それぞれが専門的な分野を深く掘って行ってるとは思うんですよ。ただ、それを上手く回転出来るだけの経験値や理解力がまだ追いついてないだけだと思うので、もうちょっと地固めが出来てゆくとは思うんですけど。この「織り」を通して、今までウチでは創ってなかったモノにチャレンジしていくことはもっともっと増えていくんじゃないかなとは思っています。成功・失敗に関わらず。」
― トライ&エラー、積極的なチャレンジがどんどん増えていくだろうと。
藤本「なので、そこの部分は広がってゆくとは思うんですよ。」
― 「織りチーム」の話から外れますけど、広報に関してはどうですか?
藤本「今、世界的に新型コロナ禍の状況で、逆に、会社的にすごいチャンスだと捉えています。モノづくりに対して近年ここまでフォーカスされたことっておそらくなかったんじゃないかなと。マスクが注目されて日本で量産が難しいとなって中国製が多いんだなと一般の人も認識して、じゃあ無いなら自分で創ってみようか、ということで、創り手に関心が集まっている。多くの産地の方々もマスクづくりを通してしっかりと発信をされている、今モノをつくること自体が面白いと捉えられている中でそれをどう伝えていくのかが、僕の会社における役割のひとつなわけですけど、マスクに留まらずに、tamaki niimeさらには播州織産地というように、繋がってゆくような発信を自分が出来たらなと。対コロナで終わる需要じゃなくて、その後もこっちに来てもらえて、この地域や播州織や、tamaki niimeの取り組みというところもひっくるめて全体を観てもらえる人がもっと増えれば良いなと思います。そういう意味で、広報という窓口の仕事をさせてもらえているのはある意味プレッシャーでもあり、今出来ることをしっかりとやっていけばチャンスでもあるだろうなと。そのチャンスを次に繋げることにいつも全力投球ですね。色々と考えちゃうところがずっとあって、夢にも出て来ますけど(笑)。」
― そこは藤本さんの中へのインプットも質量ともにすごいでしょうから、経験として蓄積されていくのでしょうね。
藤本「色んな経験をさせてもらっていて、ほんとに今、繋がりがどんどんと広がっていってるので、それを今後の会社の発信の中でしっかり役立てていくことが出来るように、チカラを付けて行きたいなと。」
― そこから今後芽吹いてゆくことも多いのではと思います。
藤本「なので、特に用はなくても繋がった人とは電話やメールで連絡をとってみるとか。その中で何か声をかけて頂くこともやっぱりあるので。そうやってコミュニケーションを切らさずにとっておけば、今後の話がしやすいというのもありますし。考え方次第ですけど、リスクはあるけど今動いた者の方がリターンもすごく多いと思うんですよ。とにかく動こうかなと。」
書き人越川誠司
Yearning for the One and Only – a creation only tamaki niime can bestow. In the second half of this episode of interviews we talked to each of 6 members of the “Weaving team”. This time Sae Nakao, Ikuo Murakami and Ryuta Fujimoto share their thoughts on creation.
Sae Nakao
—— Ms Nakao, you used to work in the architectural field?
- Nakao
- Originally, when I was a student, I studied architecture and worked for construction company for two years. I wanted to change up and try a creating in a different field, making something by hand with a wide range, I was looking for something like pottery and folk art, then I found tamaki niime and their style of Banshu-ori which has flourished as a traditional local industry for a long time and I applied.
—— What made you decide to join the company?
- Nakao
- The reason why I decided to join the company was that I could start working and “creating immediately”. While working I can see the consistent process from production to sales. When you are creating products and selling them in different places, you don’t realize the value of reaching our customers directly.
—— Did you try various online research in advance?
- Nakao
- I came here as an intern and experienced work here for about a week, during that time I learned a lot. Like that the shop was next door to the lab.
—— Did you want to “weave” from the beginning of your term at creation?
- Nakao
- When I first entered the company, I wanted to join the “Dye team”, but they Saed they were planning to expand in the future. I thought it was better to know what the next department was doing in order to create better things. So I decided to get assigned to “weaving” on the assumption that I would do “dyeing” eventually, however, I’m a part of the “Weave team” now.
—— You were addicted to “weaving”. (laugh)
- Nakao
- Totally. (laugh)
—— Are you enjoying yourself?
- Nakao
- Yes. It’s a core part of our creations. It means that we need to weave it before we sew.
—— Weaving by yourself is also the starting point of tamaki niime’s creations. What is the content of Ms Nakao’s work?
- Nakao
- With regard to color management of the stock, for example, if a red-colored works sold, it will decrease the stock we have, so we manage how much red-colored works should be created. I don’t think it’s a good idea to add 100 of the same things again if you lose 100, so I think it’s a difficult part, but color is an important factor in tamaki niime’s creations.
—— Even though it’s red, there are many variations.
- Nakao
- When choosing coloring, for example, we choose a sporty red today or chic red, depending on the impression.
—— Ms Nakao and Mr Ueda are in charge of selecting and arranging the colored threads used in “weaving” called “thread arrangement”. Do you feel that you’re entrusted with that?
- Nakao
- After the threads are lined up, the president confirms. The balance of the color scheme is checked from the perspective of the president who is also a third party so that similar colors do not line up. There are many cases where there are minor corrections.
—— I see.
- Nakao
- Well, it’s my decision to arrange red colored threads because there aren’t enough red works right now.
—— While checking sales, you consider the age group and conditions of the customer, and you also think about the variation of colored yarn.
- Nakao
- That’s right.
—— By the way, how long have you been with the company?
- Nakao
- It’s been about 8 months since this last summer.
—— In fact, it means that you have been creating since right after your arrival.
- Nakao
- Yes, I’m really involved in various jobs. Rather than nurturing people, they just have us do it, more and more. (laugh)
—— Like constant practice. (laugh)
- Nakao
- That kind of environment.
—— What about the yarn ordering business?
- Nakao
- It’s like adding colored threads that are needed for each occasion. I tell the “Dye team” that we want this kind of color.
—— Including outsourcing?
- Nakao
- Both.
—— Is it link to inventory management?
- Nakao
- That’s right. When it comes to color management.
—— Who is in charge of running the loom?
- Nakao
- I am in the Rapier loom and the Jacquard.
—— Now, please tell us about your future goals.
- Nakao
- What I want to do in the future is get more involved into design, watch it take form, and eventually I want to experience seeing it sell.
—— I see.
- Nakao
- Speaking more broadly, I would like to interact with people from the Banshu-ori production area, and talk with people while eating lunch. I also participated in some of the factory bus tours in other areas together with people from the production area. I can’t deny that I’m still tied up with my work, but I want to know more about the textile, the apparel industry and the production area. I want to learn more about society.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ikuo Murakami —— Mr Murakami, you went to a Tokyo art school.
- Murakami
- I was studying contemporary art under the guidance of a teacher who was also involved in the planning of exhibitions. There were also various teachers such as architecture and woodworking and prints. They were interesting because the cultural anthropology appealed to me in a way that did not simply deal with art. I also drew pictures. I can draw a pattern here so I am drawing again.
—— Were you interested in patterns as well?
- Murakami
- There was a teacher who was teaching decoration, so it was a big jump from there. Basically, I’m an art geek, so I’m interested in various genres, but I especially like patterns. In Tokyo, a fashion brand owner taught a class for the general public, so I also attended it. I had an eye on the textile production area.
—— Please tell us why you joined tamaki niime.
- Murakami
- When I was looking for a textile-related job, I found that this job posted on the online job site “Japan Job Department”. There was no requirement for background or experience, and the content of the recruitment content was little weird. So, I came and applied for the opening on the “weaving” site, so I hopped in immediately after an explanation. I hoped I could do the “weaving” as soon as possible. Also the atmosphere here. All the machines are here. I think I can do various things, right? I researched the contents of work at a general textile factory in advance, but the environment in which I can create the things I want to weave rather than making the requested ones is quite limited.
—— So you were looking for a place where you can take the initiative and complete creation in-house?
- Murakami
- That’s right. I didn’t have any experience. I came because I know nothing about looms. So, if I could get hired, I’d like to do it after joining.
—— As the person in charge, you are mainly creating fabric pattern data and making fabric samples.
- Murakami
- First, I make striped pattern in warps of fabric and make data. I make gradations, blocks or random for striped design for shawls and clothing. Since Ms Nakao and Mr Ueda choose the colors, I make woodcuts prior to that. I also make patterns for Jacquard. I draw by hand, complete with design software, compile the weaving data and then have it woven.
—— Those are the two main jobs.
- Murakami
- Creating data for fabric samples that can be woven on a Jacquard loom, preparing data for subcontractors… the rest is the same operation for the loom.
—— What do you think about creations unique to tamaki niime?
- Murakami
- Speaking about speed, after weaving, there is also a sewing department and a shop in the same building, so it’s naturally to finish quick and line them up in the store. As an example “Tamask”, I think that the production plan for autumn and winter are being reviewed everywhere, not only in our house, due to the coronavirus situation. Since we are doing the weaving ourselves, we can also rapidly change plans. As we also handle sales in our company, we could quickly switch to fabrics for masks. We have changed a lot.
—— First of all, the decision was made quickly.
- Murakami
- It is easy to move forward. E-commerce is currently growing, so there was an immediate reaction as to the kind of work needed. What kind of fabrics were good, how everything changes so fast, and we could discuss as to what was next? Shawls can be made quickly, but we are making them ourselves, where as normal production takes half a year in production planning, so instead of three months, we can finish in a week. It makes correcting the trajectory of creation much quicker.
—— I see. Now, please tell us about future plans.
- Murakami
- I came here without any experience in textile work, and fortunately they put me in an environment where I could quickly test fabric samples with Jacquard. We’ve been trying a lot of experiments to improve, but after seeing the effect of this pandemic, it’s no longer a minor change for us. As a whole, we are turning to the launch of new things in individual projects while the weight of sales on the Internet is increasing. We are discussing how to sell our previous works with what kind of attitude? We are also talking about how to produce and deliver as the “Weave team” in situations where we do not know the future, while trying to detect and challenge what is required at the present. Making Gauze has been postponed, but I feel the possibility of creating new works by making various samples in the process.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ryuta Fujimoto —— Mr Fujimoto, please tell us how you joined the company.
- Fujimoto
- After studying patterns for three years, I jumped into the fashion world. The first time I joined a textile trading company, I thought if I was in a position where I could see the whole of the industry from the center, and I could take various steps in any direction. I was entrusted as sales assistant and production management, but I often see people working with negative feelings without a bright hope for the industry of apparel. I wanted to create something and shift to that kind of field, so I was looking into various textile production areas and traditional crafts. I happened to find the recruitment page of tamaki niime that was posted on the net. The recruitment guideline was very interesting.
—— You knew about various aspects of the industry before you met tamaki niime, right?
- Fujimoto
- I went to see an event held at a department store in Ueno, Tokyo at that time. There were shawls lined up at the entrance door on the first floor when it opened, and the scene looked so shiny. When I touched the shawl, I thought what was that? There was a lot of excitement similar to the feeling I had when I was a teenager when I was feeling thrilled with my clothes. I called the company and came here to have an interview. I felt a very positive atmosphere, as if it was a shining light. It was in March three years ago that I joined the company.
—— What was your first responsibility?
- Fujimoto
- When I joined, I was mainly in “washing” and sometimes helped “weaving”. At that time, there were only 20 people including the Shop & Lab staff, and weaving was done by two people. After that, it became a three-person system, including myself. Now I am in charge of various things such as public relations, leaving the “weaving” to other staff.
—— Do you feel you are stuck wearing two pairs of shoes? (laugh)
- Fujimoto
- I feel like I have four feet. (laugh)
—— I have an impression of Mr Fujimoto that you can create your own work by looking at the entire thing.
- Fujimoto
- It would be nice to be able to do that. One of the good things about this company is you can follow your instincts. When you say you want to do something, they let you do it within reason. However, there is also the fact that you are responsible for your own, so I think that balances it out.
—— Do you leave much of the movement of the “Weave team” to Taniguchi and other staff?
- Fujimoto
- When it comes to on-site movements, it’s been out of my hands for the past month or so, but I’ve been helping here and there.
—— You are in the role of a helper.
- Fujimoto
- I was told that even if I’m not physically on the team, leave my mind. Also there is a lot of things that I’ve been going through that I haven’t entrusted with the other staff, and I’d like them to work on in the future. I think that I have to keep an eye on it. I’ve been full of turns and twists since I joined the company and was in a position to watch production. I don’t know if it is because I left the team, however, I think that it is good that they are able to think firmly on their own. It’ll take more time for them to make decisions confidently, so I’ll take a role to help them. I think it would be nice.
—— You back off but you’ll support them.
- Fujimoto
- I think it was good timing when I joined the company. Only three people, including myself, were weaving, and I don’t know what the other two were saying. I thought what was that? I looked up about “weaving” like an amateur. But we were able to divide the roles like a triangle. As the number of staff increased, there was more to tell, and we couldn’t move quickly. But now that there are many people, I think that there are more chances to learn and get information. So if that works well, and of course there are many people who can do it I think we can do more interesting things. I think it’s a transitional period right now, or a period like a preparatory stage to get there.
—— What will happen in the future?
- Fujimoto
- Now that there are twice as many people as when I joined, I think there should be a lot of time to work on each specialized task. Still, we are in a situation where we don’t have enough time. Even so, I think that we are having something new to challenge, or maybe the method is inefficient. If we are trying something new, I think that’s fine. I think that each of us is digging into a specialized field, yet we don’t have enough experience and understanding, but I think we can improve on that. I think that through “weaving” we will be able to increase the number of challenges that we have never created before. Regardless of success or failure.
—— I think you’ll have more trials and errors and more aggressive challenges.
- Fujimoto
- Yes. I think that part will expand.
—— Now I’m not talking about the “Weave team,” but what about public relations?
- Fujimoto
- In the current coronavirus situation, globally, I see it as a great opportunity for the company. I think there was probably no such focus on creating in recent years. The general public also recognizes that masks have attracted attention and mass production is difficult in Japan, and there are many made in China, so if not, make them ourselves. People are more interested in the creators. In many production areas creators are firmly communicating through mask making. One of my roles in the company is how to convey the fact that making things is considered to be interesting in itself. I wish I could create a connection, not only masks but also in tamaki niime and Banshu-ori production areas. Even after the demand because of the situation, I would like people to come to our area, take a look at the place and Banshu-ori, and tamaki niime’s efforts. I mean the whole thing. In a sense, it’s also pressure that I can work with as part of a public relations window. But I think if I do what I can do now, great opportunities will come. It’s always our best to connect that opportunity to the next. Since I always think about various things, it appears in a dream. (laugh)
—— The input to Mr Fujimoto will be great both in terms of mass and as experience.
- Fujimoto
- I’ve been getting a lot of experience and the connections are expanding rapidly, so I’d like to improve so that I can make good use of it in delivering messages from the company from thin point forward.
—— I think that there are many things that will sprout from there in the future.
- Fujimoto
- So, even if you don’t have a particular need to do so, you might try to reach out to people you’ve been connected with by phone or email. In that case, you’ll be asked to say something. If you say that, it’s easy to talk about the future. Depending on your thinking, there are risks, but I think that those who have moved forward have greater returns.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.