niime 百科
Encyclopedia of niime
穏やかにクリエーションを燃やす
「編みチーム」
〈前半〉
The Gentle Flames of our Creative Ambitions the “Knit team”
〈part 1〉
「編みチーム」
〈前半〉
〈part 1〉
2020 . 06 . 15
tamaki niimeでは、旧式の力織機を先ずは玉木自らが操り、播州織の伝統に敬意を払いつつルーツ・ショールをはじめとする革新的な作品の数々を産み出して来たその一方で、早い時期から「ホールガーメント」という、作品を丸ごと編み上げる最先端の横編み機を導入し、播州織の枠組みに囚われないモノづくりにも挑戦して来た。
そんな「編み」の創作現場にスポットを当て、宮本ゆかり、中村早希、トゥー・ファン、山下匡直のスタッフ4人組に話を聞いた。コロナ対策のパーテーションを挟みながら、穏やかな空気のなかインタビューは進行した。
中村早希
― 中村さんは入社してどれくらいですか?
中村「いま3年目に入りました。」
― 入社のきっかけは?
中村「新卒で入ったんですけど、京都の芸大の先輩が先にtamaki niimeに入社していて、先生からここの話を聞いていて気になって。」
― なるほど。大学ではどんな勉強を?
中村「編みに限らずつくることが好きで、織りとか糸染めを学んでました。」
― じゃあ、その全てが揃っているこのtamaki niimeの環境は最適ですね。
中村「そうなんですよ。ここで働きたいと思った大きなきっかけというのが、私は大学で京都にいたので、色んな染色系の工場さんとかに見学に行く機会があったんですけど、織物業界って細かく分業化がされてるじゃないですか?でもここでは全部の工程を自社でやっていて、しかも販売されてお客様の手に渡るところまで観られるっていうのが、他には絶対ないな、と思って。自分の創ったモノがお客様の手に渡るまでの様子を実際に観られるのがすごいやりがいというか。嬉しい言葉も厳しい言葉も、直接聞けるっていうのがすごい良い環境だなって思います。」
― 「編みチーム」に入ったのは?
中村「私が入社した時にはすでに各チームがしっかりと分かれていたので、他の新卒スタッフはあちこち異動してたりするんですけど、私の場合は最初から「編み」です。tamaki niimeって「織り」のイメージがあるじゃないですか?面接の時に何やりたい?という感じで色々話している中で、趣味で手編みとかやってる話になって、その流れで「編み」に入ることになりました。」
― 「編みチーム」での担当は?
中村「ホールガーメントで編むウェアのデザインと生産管理を担当しています。生地を編む丸編み機も含め機械はチーム全員が触るんですけど、丸編み機の作品のデザインや機械のメンテナンスは山下さんが担当されています。」
― 生産管理の上で大変なところとか聞かせてください。
中村「他所と違うのは、全部一点モノというところと、色数がすごいじゃないですか?たぶん普通のアパレルだったら、決まった色の3色の展開とかを数作れば良いのではと思うんですけど、ウチの場合は作品の動きを観ながら、それに合わせて臨機応変に色合いだったりをコントロールしていく。タイムリーにいま創ったモノがすぐに売れてゆくような流れなので、早い時期から計画し時間をかけてつくり込むというやり方でないのはメリットもありますが、創った作品の動向をちゃんと観てなければいけないので、難しくもあります。」
― すぐに反応が返ってくる反面、臨機応変に素早く対応していかないと、という。
中村「そうですね。ちゃんとショップを観てたり販売のスタッフとこまめに話をしたりしないと売り逃してしまったり、販売する側とは全然違う考えで動いちゃったりするので。」
― そこはショップのスタッフとまめにコミュニケーションを取って色々と聞いたりしているわけですね。
中村「そうですね。今日売れたモノとか、こういう声があったよっていうのは、販売のスタッフがすごい話しに来てくれて、それを聞きながら創っています。」
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宮本ゆかり
― 宮本さんはけっこう社歴が長いですよね。「編みチーム」のリーダーになるんですかね?
宮本「今で入社して8年くらいです。山下さんが他にも色々と全体的なリーダー役をされてるのもあり、「編み」のリーダーが私というカタチです。」
― ダブル・リーダー体制みたいな。
宮本「山下さんとは入社数ヶ月違いでほぼ同期になります。私はもともと製造の工場で働いていて、そこを退職した後にここの求人広告を見て応募して入社しました。その当時は他のスタッフもそうですが色々な仕事をこなしていて、織りも縫製も納品も伝票管理などもしてました。」
― 入ってから色々と実践的にモノづくりを始めた感じで、当初は特にこれがやりたいという強い希望があったのではなかったわけですね。
宮本「そうですね。でも何か創れる部署には入りたいな、と考えてはいました。たぶんチーム分けがあった時に、どこ行きたい?と聞かれたのか、「編み」はもうちょっと人を増やそうかとなって入ったのか、その辺記憶は曖昧なんですけど。」
― 今の「編みチーム」での担当は?
宮本「ウチのホールガーメントは大きな機械と小さな機械があって、大きいのがウェア製作で小さいのが小物みたいな使い分けなんですけど、私はメーカーである島精機製作所の研修に行った時に小さい方の機械の講習を受けたんです。なので、ニットで創る小物系のデザインであったりとか。機械を動かして編む作業はスタッフ皆んなでやってるんですけど、小物のおおもとのデザインを考えて、生産管理的なこともしています。」
― 「編みチーム」の役割分担としてはどんな感じなんでしょうか?
宮本「中村さんはおっきい方のホールガーメントの講習に行かれたので、ウェア系のデザインを担当しています。山下さんは、両方ともの講習に行かれているので、どっちも使えるんですけど、どちらかというと大きい方メインでデザインとかデータをつくっておられます。パターンも引けるしカットソーとかのデザインや発注もされたり、丸編み機で編む生地の担当でもあります。」
― では、宮本さんの感じる楽しさや、やりがいを。
宮本「日々のモノづくりのやりがいは、色々な視点であると思うんですけど、一番贅沢やなと思うのは、決められたモノをつくってるわけじゃなくて、色の選び方とかも含めて考えて自分が創ったモノが、そのまま作品になって売られていくってゆうのって、他の会社やったら絶対ないな、と思うんです。それは本当にありがたいことですし、一点モノやからもう一個創るのも全部色を変えていかないとというのは、ある意味大変なんですけど、イイ感じの色の組み合わせで出来たらやった!って思うし、そうゆうところは楽しいですね。」
― 大変さとしてはどうですか?
宮本「在庫とか、実際創り過ぎても駄目だし、求められる時に必要なモノを揃えていくように兼ね合いを上手い具合に回していくことが難しいと言えば難しいですけども、それもやりがいのひとつかもしれないですね。他の会社では色んな仕事を観るというのではなくて、決まり切った作業を延々とやる感じだったので。そこが難しくもありやりがいでもあるってとこです。」
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トゥー・ファン
― トゥーさんはベトナムから来られたんですね。tamaki niimeに入ってどれくらいですか?
トゥー「いま一年半くらいになります。日本に来て日本語学校と服飾の専門学校に入りました。卒業してtamaki niimeが初めての仕事です。」
― 入社したきっかけは?
トゥー「専門学校時代に会社見学の機会があり、tamaki niimeに見学に行って、気に入って入りたかったんです。」
― どんなところが気に入りましたか?
トゥー「播州織の産地で、tamaki niimeで糸づくりから服まで創れる環境で、すごい面白いなと思いましたから。」
― インターンとかは?
トゥー「はい、インターンも入りました。」
― その時は色々と「織り」もやってみたりとか?
トゥー「はい。」
― 入社してから「編みチーム」に入ったのは?
トゥー「面接の時にウェアデザインの仕事を希望して「縫製チーム」でウェアのデザインをしたりしてました。1年くらい縫製の仕事をして。」
― そのあとに「編みチーム」に。
トゥー「はい。」
― 服飾の専門学校ではどんな勉強をしたんでしょうか?
トゥー「ウェアのデザインをしたりパターンをやってましたけど、編み物とかも興味があって。」
― 「編みチーム」に変わられたきっかけは?
山下「生産数を増やしたりして、人が足りなくなり3人で回せなくなったので、お願いしたんです。」
― 生産管理は他の3人がされてるわけですね。トゥーさんの担当としては?
トゥー「今は機械も触っていて、あと仕上げなどをやったり、カットソーのデザインとかをやってます。」
― 編みのデザインも?
山下「トゥーさんはまだCADの講習とか受けてないので。」
― そうか、CADが必要なんですね。
山下「そうなんですよ。あと、カットソーのデザインのほかにサンプルづくりもやってくれています。けど、「縫製チーム」が忙しくなったら「縫製」に行ったり。」
中村「そう、取られちゃう(笑)。」
一同「(笑)。」
― 今タマスク創ってたら、けっこう人手が…
山下「もう忙しい時はずっとそっちに…」
― 色々と出来るからですね。どうですか、「編みチーム」にいて。
トゥー「(皆と顔を見合わせて)…楽しいです。(笑)」
― どんなところに楽しさがありますか?
トゥー「機械を触っていて、一点モノということで、ひとつひとつ色が変わっていて、次のモノがどんな具合になるか、すごい楽しみにしていて。そこが面白いと思います。」
― すべてが一点モノで色も変っていくので、予想がつかない楽しさがあるところですかね。
トゥー「うん。そうです。」
― はい、ありがとうございました。後ほどまた皆さんに今後の抱負とかお聞きしますので、ちょっと待っていてくださいね。
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山下匡直
― 山下さんはもともとtamaki niimeに入る前から玉木さん・酒井さんをご存知だったんですよね?
山下「大阪で働いてた時に知りあったんです。」
― では、山下さんのtamaki niime入社に至る経緯をお願いします。
山下「就職して最初4年くらいはアパレル企業で真面目に勤めてたんですよ。カットソーの生産管理をやってました。ニットとかにも興味があって。」
― はい。
山下「ニットって、日本国内でつくられているものってほんの数パーセントなんですよ。で、日本製のニットを守っていくじゃないけど、技術を持った職人さんがいてるのに、それだけの割合しかつくられていないというのもショックやった。なんで自分が服を始めたかと言うと…」
― 聞かせてください。
山下「もともと英語が好きやったんですよ。真面目に学校に行ってた頃(笑)。でもやっぱり喋れるようにはならなくて、じゃあ他に何かって考えた時に、自分の好きな服というモノが、世界と繋がるひとつのコミュニケーションツールだと思ったし、言葉は喋れないけど色んな国の人と繋がれるなと、そう実際に感じるような体験もしたので。」
― それは学生時代ですか?
山下「えーっとね。アパレルで働き始めた頃かな。創ってたモノはカジュアルウェアなんですけど、カジュアルだったら世界に通用するモノが創れると思ったんですよね。」
― それは自分的に。
山下「自分的に。他のテーラーとか、そういったモノは海外のデザイナーとか文化に対して日本の…まぁテクニックとかなら勝てるかもしれないけど、そこは張り合っても仕方ないと思って。」
― 海の向こうにはいわゆる“洋服”の文化、歴史があるのに対して…
山下「そうですそうです。で、カジュアルウェアならイケる!って思ったんです。」
― 深いですね。
山下「深いですか?」
― 深い気がします。
山下「もっと掘ってもらってもいいスよ(笑)。」
― もっと掘りたい感じなんですけど(笑)。
山下「で、ずーっとカジュアル。もともと就職する時に、服は好きやけど、それを仕事にしてしまうとまたそれは違うやろな、というのもあってすごく迷ったけど、その時に、もう絶対一生これで食べていこう、服の世界で食べていこうという覚悟を決めて入りました。」
― カッコイイ…。
山下「カッコイイっすか?」
― カッコイイっすね。
山下「じゃあやめときましょう。」
― いやまぁ、そう言わずに(笑)。
山下「だから、学校とかで一切学んでないんですよ。」
― あ、そうなんですか。
山下「はい、だからアパレルに最初は出荷係、倉庫整理っていうカタチで入ったんですよ。入りたかったブランドに。募集をしてたんで。で、生産管理をさせてもらうチャンスが来て。それでほんと工場の人に全部教えてもらったなと。」
― はぁ〜…。
山下「糸になる前の綿のことから縫製のことに至るまで。」
― じゃあもう座学っていうよりは現場で。
山下「現場で学びましたね、はい。運が良いことに、このアパレルの世界では“免許証”が要らないですよね。」
― そうですよね。
山下「パタンナーにしても縫製にしても。だから誰にでも平等にチャンスがあるなとも思って。」
― なるほど学歴なんかも関係のない、実力の世界ですよね。
山下「そうです。その後、そのアパレル会社で知り合った友だちとブランドを立ち上げて。12年くらいデザイン、パターン、営業…色々やってましたね。だんだんと方向性が変わって来て、そのブランドから抜けたんですよ。1年くらいひとりでやってたんですけど、なんか自分が思い描いていたものとは違ったし、で、玉木さん、酒井くんが面白いことやってるから、一緒にやりたいな、とは前から思っていて。」
― それで一緒にやろうと入社して。最初から「編み」担当というわけでもなかったんですか?
山下「いや、玉木さんたちがホールガーメントを買ったと聞いて、まだ使ってないと。で、自分も興味があったんです。だから入ってすぐに島精機に研修に行きました。ほんと1ヶ月間研修に行かせてもらって、戻って来て使い出したんですけどね。」
― 力織機のような旧式の機械とともにホールガーメントのような最新鋭の機械もtamaki niimeのモノづくりの早い時期からあったわけですね。
山下「あったんですよね。」
― そこは研修も受けたし、どんどんと山下さん中心にやって行ってる感じでしょうか?
山下「そうですね…「編み」に関してはそうでした。けどデザインの最終ジャッジとかは必ず確認とってたり、今でこそ確認することが減って来てますけど、最初の頃はやっぱり糸の組み合わせ方とか色の組み合わせ方とかは教えてもらったり、こうゆうニットを創りたいってゆうのを聞いてカタチにしていく感じでしたね。」
― そこはやはりtamaki niimeブランドとの擦り合わせといいますか。
山下「そうですね。それとホールガーメントという機械自体色んなところで導入されてて、他と違うニットをいかに創るか?ってゆうのを考えないと、ただ単にホールガーメントで編みましたでは売れるニットを創れないし、tamaki niimeならではのニットっていうのが創れないから、すごく考えましたね。全然玉木さんからOK出なかったから。夜中の2時3時まで毎日…。」
― ああ…。
tamaki niimeの「編み」の黎明期からを身をもって知る山下のモノづくり哲学と貴重で豊富な体験談に引き込まれるようにじっと耳を澄ます若いスタッフたち。皆それぞれの静かに熱い今後の抱負も盛り込んで、「編みチーム」の巻、後半に続きます。
書き人越川誠司
At “tamaki niime”, Tamaki used an old model, the power loom, for making her original shawl, while paying respect to the traditional Banshu-ori style. She continued to produce numerous innovative, unique items. As well, from the outset, they used “WHOLEGARMENT”, which was the newest technology in flat knitting machines, able to knit whole outfits without seams. This allowed them to push the creative limits of Banshu-ori.
I focused on “knitting” at the factory during the interview of Ms Yukari Miyamoto, Ms Saki Nakamura, Mr Tu Phan, and Mr Tadanao Yamashita. Utilizing a partition to help prevent Coronavirus spread, our conversations were held in a relaxed environment.
Ms Saki Nakamura
—— How long have you been working here?
- Nakamura
- This is my third year.
—— What brought you to work here?
- Nakamura
- I started working after graduating. My senpai at Kyoto Art University was already working here, and my professor talked about it. So “tamaki niime “was on my mind.
—— I see. What did you study at university?
- Nakamura
- I like making things through knitting without usual constraints. I studied weaving and thread dyes in college.
—— Then, you must love it here because of this positive environment.
- Nakamura
- You are right. Allow me to explain my main motive for working here. When I was in Kyoto for university, I had opportunities to see many dye factories. The works at weaving factories are broken down into small specialized tasks. But here, this company handles all processes by themselves. I could even see customers buying the products I made, which I couldn’t observe at other places. It motivates me to see actual customers purchasing the products I made. It is an excellent opportunity for me to work where I could hear customers’ positive or negative comments directly.
—— Why did you join the “Knit team”?
- Nakamura
- Each team was already sorted when I came, so I was at “knitting” from the beginning. Other people who just arrived after graduating were placed in different sections, though. “tamaki niime” conjures this image of “weaving”, right? In my job interview, I was asked what I wanted to do, and I told them I enjoy hand knitting as a hobby. That’s how I was placed in the “Knit team”.
—— What are you in charge of on the “Knit team”?
- Nakamura
- I am in charge of the production management and outfit designs woven by WHOLEGARMENT. We all know how to use the machines, including the Circular Knitting Machine, but Mr Yamashita is in charge of the designs woven by the Circular Knitting Machine and its maintenance.
—— What is the most difficult thing about production management?
- Nakamura
- The big difference compared with other companies is all products are unique, and there are so many colour variations. Usually, other apparel companies make variations of 3 regular colour combinations. They mass-produce those, but our company flexibly controls to adjust the colours according to the market sales of products. We aim to sell the products right after the production, which has an advantage in that we neither have to plan out too early nor need to take time in production. But it is hard because we have to keep an eye on how sales are going.
—— So, you have to work quickly, but act as flexibly as possible, right?
- Nakamura
- Right. You miss selling products if you don’t keep an eye on the stores, or you don’t talk with shop clerks about details. That is caused by a misunderstanding about what shops really have.
—— To avoid that problem, you try to clearly communicate with the store staff, correct?
- Nakamura
- Correct. The store staff come to talk to us about customer wants or which products they sold today. Those help me to create.
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Ms Yukari Miyamoto
—— Ms Miyamoto, you have been working here for a long time. You are the leader of the “Knit team”, right?
- Miyamoto
- This is my eighth year. Mr Yamashita oversees a great many things. I am head of “knitting”.
—— It looks like a co-leader system?
- Miyamoto
- Mr Yamashita and I came to work here around the same time. I used to work in a manufacturing factory, and after retiring, I found this in the want ads and applied. That is how I started working here. At that time, everyone used to do many tasks, such as weaving, sewing, delivery and slip management.
—— You have started making things after you got this job, but first, you didn’t have a firm desire to do this, right?
- Miyamoto
- I probably didn’t, but I was hoping if I got in the creating section, I could make something. I don’t recall if they asked me which section I wanted to work in, or they needed more people at the “knitting” section.
—— What do you do in the “Knit team” now?
- Miyamoto
- We have large and small WHOLEGARMENT machines; large for making outfits and small for accessories. I was trained on how to use the smaller at Shima Seiki manufacturing company, which includes how to design small knitting accessories. The staff do use the machines to knit, and I make original designs. I also take care of its production management and create original designs of small accessories.
—— How do you divide up the roles of the knitting staff?
- Miyamoto
- Mr Nakamura was trained on how to use the large WHOLEGARMENT, so he is in charge of outfit designs. Mr Yamashita was trained on both machines, but he mainly makes more outfit designs and keeps track of data. He also knows how to make patterns, knit tops, designs and orders. He is also in charge of the materials for the Circular Knitting Machine.
—— Ms Miyamoto, what is your motivation, and do you enjoy this job?
- Miyamoto
- I have several viewpoints, as I feel a sense of worth in my daily work in creating jobs. The most luxury I have is I am not making given items. I could use my own ideas, including choosing colours and see my products sold, which is impossible in other companies. I really appreciate that. It is not easy because products have to be the Only One item, which means we have to change colours in making another, but I am so happy when I can make good colour combinations, which is fun.
—— What is the tricky part?
- Miyamoto
- We shouldn’t have too much stock. It is wasteful to make too many products. It is hard to make adjustments in keeping the right amount of products that we need, which may be giving us some motivation to try. In other companies, I used to do tasks which were given, and they didn’t give us many opportunities to work. That is challenging but rewarding.
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Mr Tu Phan
—— Mr Tu Phan, you came from Vietnam, right? How long have you been working here at tamaki niime?
- Tu
- It’s been a year and a half. I went to a Japanese language school and a fashion school in Japan. This is my first job after graduating from fashion school.
—— What brought you to work here?
- Tu
- I had a company tour while I was in a fashion school, and I had a chance to visit “tamaki niime”, and I liked a lot and wanted to work.
—— What interested you?
- Tu
- I found it interesting that it is in the Banshu-ori production area and tamaki niime has a wonderful environment to make products from their threads til clothes.
—— Did you start an internship here?
- Tu
- Yes. I did.
—— Did you try different things like weaving during that time?
- Tu
- Yes.
—— Why did you join the “Knit team” after you started working?
- Tu
- I requested to do outfit designs at the job interview and worked towards that on the “Sew team” for about a year.
—— After that, you joined the “Knit team”?
- Tu
- Yes.
—— What did you study in fashion school?
- Tu
- I studied outfit design and patterns. I was interested in knitting, too.
—— What made you transfer to the “Knit team”?
- Yamashita
- We have increased the production numbers and couldn’t handle it with just 3 people, so we asked her to join us.
—— The others have been managing production, so what is Mr Phan in charge of?
- Tu
- I know how to operate the machines now, and I do finishing touches and design knitting tops.
—— You also make designs for knitting?
- Yamashita
- Tu hasn’t taken CAD lectures yet.
—— I see. He needs to take them.
- Yamashita
- Yes, he does. Besides making knitting top designs, he is also making samples. He goes to the “Sew team” when they get busy.
- Nakamura
- Yeah. They take her. (laugh)
Everyone: (laugh)
—— Many hands are needed now for making tamasks.
- Yamashita
- Tu has to go help them for a long time when they are busy.
—— Because he is capable of doing many tasks. How do you like working for the “Knit team”?
- Tu
- (looking at everyone) … It’s fun. (laugh)
—— How do you find enjoyment there?
- Tu
- Working with machines, I watch each product changing colours because of having only one item. I am thrilled to look forward to watching how the next one makes different colours, that’s what I really enjoy.
—— Each one is the Only One item with different colours, which makes the experience unpredictable, right?
- Tu
- That is right.
—— All right. Thank you so much. I would ask everyone about your goals and desires later. Please hold on to that thought for a second. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Mr Tadanao Yamashita
—— Mr Yamashita, you have known Ms Tamaki and Mr Sakai even before you came here, to “tamaki niime”, right?
- Yamashita
- I met them in Osaka where I was working.
—— Would you tell me how you got your start here?
- Yamashita
- I was working hard at an apparel company for 4 years. I was taking care of knit tops production management because I was interested in knit products.
—— I see.
- Yamashita
- Only a small percentage of knit products are made in Japan. I was shocked to discover this fact because there are many skillful people at knitting in Japan, and I wanted to protect the Japanese knitting industry. The reason why I started working for apparel is…
—— Please explain.
- Yamashita
- Originally, I liked to study English when I was seriously going to school. (laugh) But I was not able to speak it, so what I thought I would do instead, was come up with a way to use the clothes to communicate to be like a tool to help connect the world. Even though I cannot speak the language, I could connect with people worldwide. I have actually experienced that.
—— Did you experience it when you were a student?
- Yamashita
- Let’s see. That was when I just started working at the apparel company where I was making casualwear, believing that could be the global item.
—— That’s what you believed?
- Yamashita
- Yes, I did. The Japanese companies with skills and technology may be able to win overseas designers and tailors, which have their own cultures, but I thought there’s no use of competing with them.
—— In overseas apparel companies, they have their own outfit cultures and histories but……..
- Yamashita
- That’s right. But, for casual wear, we may be able to compete.
—— That’s deep.
- Yamashita
- Do you think so?
—— That sounds right.
- Yamashita
- I want you to expound on that. (laugh)
—— I wish I could expound on it. (laugh)
- Yamashita
- So, I have worked with casual wear. Basically, I liked clothes, but I considered a lot for my job because I didn’t want to make it my living. At that point, when I made my decision, I firmly decided to work on clothes to make that my career for life.
—— Cool!
- Yamashita
- Is it cool?
—— It is cool.
- Yamashita
- I’d better not say that then.
—— Don’t say that. (laugh)
- Yamashita
- That’s why I haven’t studied in school.
—— Is that so?
- Yamashita
- Yes. First, I worked to be a shipping and inventory worker at one of the brand apparel companies I wished to join, which I applied for after finding their want ads. Then, there came a chance to work on production management. I was so lucky to be able to be taught everything by the factory workers.
—— Oh…
- Yamashita
- They taught me all about cotton, which is the original materials in thread, and everything all the way up to sewing.
—— So, you practically learned at the factory, not in the classroom.
- Yamashita
- You are correct. I learned at the factory. Luckily, we don’t need certificates in this industry.
—— No, you don’t need them.
—
- Yamashita
- Neither pattern makers nor dressmakers are required to have certificates. That means everyone can have an equal chance.
—— I see. Regardless of one’s educational background, the only thing you are asked for is your ability.
- Yamashita
- That’s right. After that, a friend of mine I met at the apparel company and I started up to form a brand and ran the company, making designs, patterns and all for 12 years. But our goals went in different directions, and he left. So I was doing it by myself for a year, but I felt what I was doing was different from my original desires. I knew Ms Tamaki and Mr Sakai were doing exciting things and wished to work together.
—— Then you began to work together. You were not in charge of knitting from the beginning?
- Yamashita
- I heard Ms Tamaki bought the WHOLEGARMENT but hadn’t used it, yet. I was interested in that machine, and I went to the training at Shima Seiki company. After a month of training, I started using the machines.
—— With the tradition power looms, “tamaki niime” also had the newest model of WHOLEGARMENT from the beginning.
- Yamashita
- Yes, they did.
—— To use the machines, you had training, and it works well being led by you, Mr Yamashita?
- Yamashita
- Well, it worked well in knitting. For final designs, we used to confirm with each other more often, which we haven’t done much recently. Still, in the earlier stage, we learned how to make thread combinations and made the products by listening to each other’s opinions on favourite knit styles.
—— That is the essential difference in creating tamaki niime original products.
- Yamashita
- That’s right. The machine, WHOLEGARMENT, has been used by many companies. The main issue we have is how we could create unique products, which is different from other companies. We cannot make the popular knit products if they are just woven by WHOLEGARMENT. We suffered a lot in that we couldn’t make tamaki niime’s unique products. We didn’t get approval from Ms Tamaki and worked until 2 or 3 am everyday…..
—— Wow…..
The young staff were excited to listen to Yamashita’s creation philosophy and his rich experiences from the early stages of knitting at tamaki niime. Everyone quietly burns with passions and ambitions for the future. We will continue to the last half of the “Knit team”.
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.