niime 百科
Encyclopedia of niime
niimeゆく年くる年
〈ゆく年編〉
niime: The Years End and a New Beginning
〈a year end version〉
〈ゆく年編〉
〈a year end version〉
2020 . 12 . 16
玉木「今回のお題はなんだっけ?」
― 「niimeゆく年くる年」ということで。師走に入って、今年はコロナもあった中で、現在進行形の動きも含めつつ、今日はtamaki niimeの激動のこの1年を振り返っていただきたいんですけど。
玉木「わかりました。2020年はtamaki niimeにとっては…」
酒井「出張多かったな。…多かった印象がある。」
玉木「世の中がコロナ禍になる前までは引きこもってたんだけどね。」
酒井「うん。」
玉木「それは、確かに出歩く回数が増えたというのもあるけど…」
― マインド的なところも、ですか?
玉木「うん。外に向いて情報を取りに行った。」
― コロナの前までは引きこもってて、コロナ以降に意識が外向きになったと(笑)。
玉木「外向きになったとこあるな?」
酒井「あるある。」
― 全然、世間と逆じゃないですか。
玉木「過去10年くらいは中に引きこもってモノづくりを特化させようとしてきたわけだけど、tamaki niimeが今後どっちに向かうべきか、自分の中で考えるところがあって、去年1年間は動かずに、ネットの上で新しい情報を得ようとした年だったんですよ。」
― はい。
玉木「まずは、今の若い子たちがどうゆう感覚なのかを知りたいなと思って、ネット上で名前が出てる人たちを見てインプットしてみて。で、ネットの情報とリアルにどのくらいズレがあるのか知りたくて、今年実際に若い人たちに接して体験してすり合わせをして、tamaki niimeに落とし込んでいった、って感じかな。」
酒井「俺は相変わらず出てないけどな。」
玉木「さっきも話してたんだけど、昔私が西脇に来て播州織をやり始めたころ、何で自分で織るようになったかのひとつの大きな理由は、「無理!」って言われることが多かったから。外注先にお願いする時って、「そんなことやったことないから無理です。」って言われることがすごく多くて。いや無理かどうか、わたしの頭の中では出来るはずなんやけど、ってゆうことがけっこうあったんですよ。でも自分の織機じゃないから無理はお願い出来ないしというところで、じゃあやってみたい!と、自分でやってみたというのがスタートだから。この世の中、やってみたら以外と出来ることってまだまだ多いんじゃないかと思ってるんですよ。播州織の中で色々試してみてやれたことがあったから、それ以外でもやってみたら、もしかしたらもうちょっと面白くなるかもしれないという気持ちが出てきて。」
― はい。
玉木「それで飲食をやってみたり、畑をやってみたり、いろんなことに挑戦していく中で、巡り巡って、なんてゆうの…」
酒井「うん。」
玉木「固定観念に縛られている年配の人が多いから無理って言われるんだと思ってたんだけど、今の若い子と話をしてみても、…いっしょだったのよ!わかる?」
酒井「うん。わかる。」
玉木「そっちもか!ってなって、ちょっと焦った年だった。年配の方たちに、これまでのルールに従ってやってきたのを変えてくださいっていうのはなかなか難しいから自分たちでやろう、となったでしょ?でも自分たちの次の世代も育てなきゃいけないから、新しい人たちを入れていくんだけど、変わんないじゃん!?…と。そこが今の課題やな?どうやったら、モノづくりが愉しくて毎日ワクワクして新しい企画を生み出せる人間を増産できるのか?ってゆうのをすごい色々と試したよね?」
酒井「うん。」
― 2020年は試す年だったと。
玉木「試してた。ほんと色々やってみた。それはLINE WORKSってゆう、ビジネス用の、社内SNSのインフラで情報を共有して発信もして、ミーティングに出れなかったり距離が離れてるスタッフも同じモチベーションになるようにしたりだとか。一人一人としゃべらなくてもtamaki niimeについてみんなに知ってもらえるような仕組みを創った。」
酒井「うん。まずメインに全体の場所があってスタッフ全員が見れると。あとチームごとにフォルダみたいなものをつくって、その中で情報を共有する。」
― 他のチームの人がよそのチームのを見れたりもすると。
酒井「そう。」
玉木「各チーム部屋を住み分けて。何か発言がしたければ、チーム内で相談することも出来るし、全体に上げることも出来る。個人的なメッセージも送れるから、何かわからないことがあったら私にも直接訊ける。」
― そういえば、「タマスク」が誕生したきっかけも、LINE WORKSでのやりとりでしたよね。
玉木「そのおかげだね、ある意味。宮崎さんが帰りに薬屋さんに買い物に行ったらマスクがないって言ってきて。」
― LINE WORKSでポンッて、投げたのが…
玉木「じゃあマスクつくりましょう!ってなった。」
― そこがすごいですね。
玉木「電話でだったらそうなってないかも知れないし。LINEでサラッと言えたから、やろうやろうって。」
― 皆んなで共有が出来たから一気に…
玉木「広がった。」
― いきなり導入した効果が出ましたね。
玉木「あったね。だから本当、1年前の今ごろと比べれば2020年はオンライン化が一気に進んだ。それはショッピングも含めて。」
酒井「アナログかデジタルかっていえば、デジタル化したよな。」
玉木「で、結果的に人間味が増したね。」
酒井「そうやな。“密”になったな。」
玉木「あのヒトが何考えてるのかもわかるようになったし。」
― ああ〜…。
玉木「やっぱり、リアルで声出せる人とそれが苦手な人っているじゃないですか?その辺は少し平等になったっていうか。“炎上”したりもするんですよ(笑)、日々“事件”は色々起こるんですけど、でもだからこそ発散も出来るし、それで解決したら、またやり甲斐にもなるし。」
― すごくフラットな場になったというか。
玉木「やっと繋がったって感じがするな?」
酒井「うん。」
玉木「これまではチームごとの分断がハッキリあったのが、当たり前なんだけど、隣りまでは見えてなかったのが、LINE WORKSを取り入れたことで隣りを見る癖がついたというか。なんなんだろうね?」
酒井「見る癖というか…見ざるを得なくなったよな。」
玉木「やっぱり入ってくる情報は見ちゃうから。入って来なければ、チーム内で勝手にしゃべってる内容って見えないから、無いのと一緒だけど。」
― まぁ、“密室”と同じですよね。
玉木「LINE上のやりとりを見ると、あ、あそこのチームではそういうことが行われてるんだなってわかるから、繋がりやすくなる。」
― それって同時進行してるわけですし。
玉木「ウチって各チームそれぞれに色んなコトやってるから、そこをどうやったら一体感が出るか、すごく悩んでた時期があったけど、やっぱり、人間として繋がれるかどうかなんだね、結局は。」
― なるほど。それってもう、単なる社内連絡とかじゃなくって、もっと人間臭い…
玉木「結局、人間臭い部分なんだってとこに行き着いたんやな?」
酒井「そうなん?」
玉木「色々やってみて。言ってたやん!」
酒井「何が?」
玉木「呑んでみたりして初めて…たわいもない話をしているその時間に意味がないって思ってたとこがあったけど、でも、スタッフと繋がるとか、なんかあった時にサッと話せるっていうのは、たわいもない会話をどんだけ積み重ねてるかで、信頼関係だったり、その子の人間味をしっかり見れるとか、色んなことが…ハイ仕事!ハイON・OFF!って割り切って、仕事上だけの付き合いで100%実力を出し切れるかといわれたら…やっぱりOFFもともに時間を過ごしてて、相手の性格だったり…」
― はい。
玉木「ねッ?好みだったりがわかっている同士の方が、阿吽の呼吸でうまく、その場その場の事態に対応していってくれるなというのがあって。」
― なるほどですね。
玉木「だから色々やってみて、巡り巡って、ああ結局そうゆうことって大事なんだなとわかった。」
― オンライン共有によって、スタッフ間の繋がりが“密”になったのと、モノづくりのスピーディーさも増して…「タマスク」なんかは良い例だと思うんですけど、隣りのチームの動きがわかったり交わったり、モノづくりに好影響を与えているのではと思うんですけど。
玉木「与えてると思うね…お昼ごはんの時間とかも、空気が良くなってきてるよね。」
酒井「特にここ最近な。」
玉木「なんかほんと、私たちふたりがふだん日常的にごはんを食べながらしゃべってることは、ビジネスの話をしたりするじゃないですか?会議じゃなくて、tamaki niimeをこうして行きたいんだよね〜みたいな会話を、今はスタッフ皆んなが、同じチームの人とやってる時もあれば、チームまたいでちょっとこうゆうこと考えてんだけどどう思う?みたいな話をお昼の間にしゃべっている感じがあるから、良いなと思うね。」
― 素晴らしいですね。
玉木「…だから空気が良くなった、というか。それはもちろん「タマスク」創りの激動の日々があって(笑)…」
― そこで何というか、社内での皆さんのポジショニングが“シャッフル”された感があったのでは。
玉木「あると思う。」
― チームってゆうよりも、皆んながマスク創りにガーッって協力して…
玉木「意識してひとつになったってゆう、なんか目標に向かって皆んなで必死に走って…コロナが終わったわけじゃないけど、やっぱり、目標を達成したとか、やり切ったというような達成感が、次のこれからの時代をどうして行こう?みたいな会話へと結びついてる。」
― ポジティブな、ひとつの共同体みたいな…絆みたいなものが出来ているのではないかと。
玉木「うん。“育てよう”、という人が増えてるね。」
酒井「うん。」
玉木「新しいスタッフがどんどん増えてるんですよ、コロナ以降も。そこで一番上の先輩が教えるんじゃなくて、一番若い子が、次の新人を教えるって光景がすごく多くなってて。」
― それは良いですね。
玉木「その現場を観てて、わたしは教える側にも教えられてる側にも指導することがあるんですよ。教え方が良くない場合はそう伝えるし、教えられた人の動きが良くない場合はそっちが良くないかも、って話をしたりするんです。教える側も初めて教える、どう教えようか?と悩んでやってみて、良くなかったらじゃあこう変えていこうと学んでいってるなと。」
― 経験値を積んでいってると。
酒井「でもコロナになって、世の中が色んな意味で様変わりしたじゃないですか?」
― ええ。
酒井「例えばミーティングにしてもZOOMでやるとか、色んなことがオンライン化したけれども、ウチってそもそも、ドキュメンタリー性を重視しているというのが根底にあって。」
― そうですよね。
酒井「なんか、コロナになったことで、ウチのドキュメンタリー性がグンとこう…」
― こう、勢いを得たと。
酒井「そうそう!」
― それ感じましたね、4月のインタビューの時に。酒井さんの口から、やっと僕らの時代が来たなと。
酒井「そうそうそう!そうなんですよ。なんかすごい洗練されていったよな?もちろん皆んなの意識がグッとそこに集中したというのもあったんじゃない?」
玉木「そうだね、あったね。」
― 対応力だったりとか、日々刻々と変わってゆく状況にモノづくりで応えていくという…
酒井「そそ!そうなんですよ。」
― ある種の“醍醐味”というか。
玉木「…より動物的になるんだろうね、わたしらって。」
酒井「で、皆んなの役割がすごい顕在化したよな。」
玉木「仕組みが出来て。その人に合ってるポジションにストン、と入った。」
― なるほど、なるほど。
玉木「結局ね。僕って何?みたいな人が多かったけど、僕の役割はこれだ!みたいなのを、皆んなが持った!」
― そうゆう状況に置かれた時に露わになってくるという。
玉木「なってくる。こんな緊急時に無駄な時間使ってられないから、自ずと動きも効率的になってくるし、言葉をぶつけ合いつつ、うまく役割分担が出来ていった。」
― 収まるべきところに収まったというか。
玉木「で、それぞれがそれぞれに考えて、これ出来たよ、じゃああっちしてこっちしてと動けるようになって。」
― 緊急事態がチャンスになったみたいな。
玉木「そうなの。」
酒井「ほんと良かったよな。」
玉木「私たちにとっては良い勉強になったし、来るべくして来た、って感じはしたね。」
酒井「世の中の大多数が途方に暮れてた中、僕らはその逆で、そう、途方に暮れてる間もなく、むしろ皆んなで…」
玉木「もう大忙し。死ぬ気でやるしかないって状況になれたのは…」
酒井「やっと手をつなげたよな。」
玉木「そうそう。今までが平和過ぎたんだろうなって思った。」
― そこの準備を、玉木さん酒井さんはいわば予言者的にしてたわけじゃないですか?
玉木「感覚的にね。」
酒井「うん。」
― 色んなことを。例えば、農業や食の取り組みもそうだったでしょうし、「niime村」構想ってまさにそうだと思うんですよ。
玉木「コロナ前に自家発電くらいまでやっときゃ良かった(笑)。」
― でも…これから、さらに試される時代が来るのかなと。
玉木「そうだね…来ると思う。」
酒井「コロナがトリガーになったわけですけど、でもそうゆう時代は来るべくして来てるから、これからも変化の速度が弱まることもないだろうし。デジタル化が加速して、僕らはそこに載っかるというよりは、逆にデジタル化が進むにつれてもっともっとアナログな方向にシフトしていくと思うんですよね。実際そうして行ってるし。逆にアナログの方にもっとフォーカスを当てて、例えば動物を飼うとかもそうだし、「niime村」を創りたいもそうやし、そうゆう…」
玉木「百姓になりたい!もね。」
酒井「そうそう。」
― そうですね。見え方的に、tamaki niimeはオンラインにしてもデジタルなんだけど、中味見たらアナログ感がすごくあるみたいな(笑)。
玉木「いかにオンライン上でアナログ感を出すかみたいな。なってるなってる(笑)。」
酒井「そう。」
玉木「そこは一本筋が通ってて面白いよね。自分たちでやってても。」
― tamaki niime って、デジタル化が進めば進むほど、人間臭さが増してるみたいな。
酒井「そうそう、そうなんですよ。」
― そんな面白さを感じます。
玉木「…各チーム立ち上げてまだ2年めくらいなんですよ。1年前の時点じゃまだ全然カタチになってないし、バラバラで、ど〜すんのよ!あんたたち??って感じやってんね。でもやっぱりこの1年で、それぞれの個性が出て強みが出て、より良くするためにはどうするか?って自分たちで考えて、Online Shopっていうしっかりとしたものを創り上げて運営していって…というのが出来るようになったってことが私たちにとっては大きいよね。やっと繋がった!みたいな。」
酒井「なんか、ヨロシク!って投げやすくなったよな。」
玉木「ミーティングの質が変わったね。着地までを自分たちで出来るやん。」
酒井「ミーティングもそうやし…」
玉木「企画にしてもよ。事業プランでどうなるかわからないものがけっこうあったじゃない?」
酒井「うん。」
玉木「卸先さんに買ってもらわないと百貨店に行って観てみないとわからなかった部分があって、製造現場としてはハラハラドキドキの時間が長かったんですよ。でも24時間365日開いてるショップが出来たことで、反応が良いか悪いか、すぐに観れるし、実験はしやすくなったから、面白いの出来たからじゃあ売ってみようというところまでが、すごくタイムリーに出来るやん?」
― そうですよね。
玉木「だから、「タマスク」みたいにイイッて思われるモノは売れるんだからすぐ創ろうって出来るし、お客様とすごい繋がった状態でどんどん生産していけるっていうのは、創ってても自分たちでのやり甲斐になるし、あ、これカワイイから売れるわって思いながら創れるから。」
― それは単になにか、販売の回転を速くするということではなくて、お客様とダイレクトに繋がれるのが…
玉木「いい。」
― ということですよね。
玉木「クレームも含めて、全部丸ごと入って来てくれるから、全てを呑み込んで、じゃあ何やるか?ってことを、皆んなで会議出来るっていうのが。もう、クレームになったらどうしよう?じゃなくて、クレームが来たからこそ、私たちはもっと変われる・変えていけるってゆうのが。」
― 変化出来る機会と受け止めて。
玉木「それが間が入ると、クレームにしてもありがとうっていう感謝の言葉にしても、入ってこないから。」
酒井「すごくひとことで言うと、アウトプットとインプットの時間差がすごくなくなったんですよ。」
― なるほど。本当ですね。
玉木「パッ!て感じやな。」
酒井「そう。投げたら即返ってくるってゆう。だから、非常にやりやすくなったというか。」
― はい。
酒井「正確性が増したというか。」
玉木「私的には「ほらねっ!」
って思ったの。」
― ほらね?
玉木「これイイから売れるよ、と言ってるんだけど、皆んなポカンとしてたりしてたのが。」
― ああ〜…。
玉木「これイイから早く創ろうって言うんだけど、実際売ってみないと反応がわからないのがすぐに、ほらぁ〜!って。実行に移しやすくなった。」
― オンラインですぐさま反応がダイレクトに返ってくると。なるほどですね。
玉木「スタッフもちっちゃな成功体験を積み重ねて行けるから。色糸を並べてる人にしても、デザインを考えてる人にしても、生産してる人にしても、販売してる人にとっても、やっぱり、ほんとそれが生きがいになるから、仕事が愉しくなると思うし…よい!」
― そもそもOnline Shopを開始したのは今年の2月1日でコロナ禍になる前のタイミングじゃないですか。
酒井「前です、前です。」
― 何かそこも予言的にやってるみたいなところが…
酒井「たまたまコロナとかぶったんですよ。」
― コロナを前提にしたものじゃなかったけど、結果的に時代に先駆けてたというか…
玉木「予言してたね。」
酒井「予言してたな。」
玉木「…最初っからそうしたかったの。理想は。」
酒井「うん。」
― 今お話をお聞きして、それがtamaki niimeとしての、お客様との接点をつくる上での、ひとつの理想形というか。その、お客様とダイレクトに繋がるというところを以前から目指していて、それがコロナの状況と相まってオンラインで一気に…
玉木「良い感じに。」
― そこはエポックメイキングとでもいいますか。
玉木「良かったな?」
酒井「うん。」
― そういう、時代を呼び込めるっていうか、時代に求められる存在だという気がしたんですよね。
玉木「そこは感謝ですよ。でもまだまだ。」
2020年、世界中がコロナ禍に見舞われた年に、tamaki niimeの、顧客と直に繋がろう・寄り添おうとする姿勢、一貫した試みが、逆境の中で花を開いた。困難さをも愉しむように糧にし、今日をよりよく生きる。2021年、予測できない次の時代に向けて、玉木と酒井は何を想い、何を語るのか?元旦にお届けする〈くる年編〉もどうぞお楽しみに!
今年も『niime百科』をご愛読いただき、どうもありがとうございました。それでは皆様、よいお年を!
書き人越川誠司
- Tamaki
- What’s the theme this time?
—— It is “niime: The Years End and a New Beginning”. As we started in December, at the end of the year, I want you to think back, on the Coronavirus, and how things are moving forward.
- Tamaki
- I see. In 2020 for ‘tamaki niime’, it was…
- Sakai
- I had many business trips…I feel it was a lot.
- Tamaki
- I was a shut-in until the Pandemic.
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- Actually we have been going out more now.
—— Do you mean to include your mental state, too?
- Tamaki
- Yeah, we looked outside and went out to get information.
—— Before the Pandemic happened, you stayed indoors, but your consciousness has turned outward after the Pandemic. ( laugh )
- Tamaki
- I think we became more outgoing.
- Sakai
- I think that’s true.
—— That is totally contrary to the world right now.
- Tamaki
- For the last 10 years, we stayed inside to focus on our creations, but last year we thought about which direction we should go forward, so we tried to gather new information online.
—— I see.
- Tamaki
- First of all, I was interested in young people’s favourite fashion and researched the famous people’s names on the web. I wanted to know the facts between the net and reality. So I accessed young people and gathered their ideas in ‘tamaki niime’ as an experiment.
- Sakai
- As usual, I didn’t go out.
- Tamaki
- We just talked about it, but that’s the reason I started weaving. When I began weaving in Nishiwaki, there were many times my orders were refused by subcontractors. Their reasoning was that they never did it before. In many cases, I didn’t think they were impossible to do due to my ideas. But I couldn’t ask them because they were not my machines. That’s why I tried to weave because I wanted to do it! I believe there are many things you could do if you actually just did them. In Banshu-ori, we could accomplish that after many trials. That’s why I became more interested in challenging other things.
—— I see.
- Tamaki
- That’s how we extended to do other things like the restaurant and farming. We have been challenging various things and found…
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- I thought many ideas were refused because of older people’s ideas, but I found that younger people have the same opinions as them. Do you get it?
- Sakai
- Yeah, I do.
- Tamaki
- Wow! They have the same ideas as elderly people. I was so shocked by that. I knew it was difficult to ask older people to change their minds, so we have decided to do it in our way. However, the problem is raising the next generation, and it was not easy to change their minds when hiring new people. Our challenge was how to increase the number of staff who are excited about producing new schemes. We have been trying a lot, right?
- Sakai
- Yeah.
—— 2020 was such a trying year.
- Tamaki
- Yeah, we tried many things. For example, we sent messages to staff working at remote locations, or couldn’t attend LINE WORKS meetings. Our company SNS was used to keep them on the same page as the rest of us. We made a system to keep everyone informed without being directly connected to the team.
- Sakai
- Mainly, we created a way to view the whole thing, and created team folders to help share the information.
—— So others could view other team’s information.
- Sakai
- That’s right.
- Tamaki
- We separated each team. If one group wants to suggest something, they could discuss it within the team or share it with all teams. They can send me individual messages, so if they are unsure about something, they can ask me directly.
—— I remember the “Tamask” started from the interaction in LINE WORKS.
- Tamaki
- Yes. Ms Miyazaki sent me the message that she went to a pharmacy to buy a mask and found none there.
—— She threw the message on LINE WORKS.
- Tamaki
- And that brought us to the decision to make the masks.
—— That’s great.
- Tamaki
- If we discussed this on the phone, we might not have made the decision. It was easier to comment, like ‘let’s do it’, on LINE.
—— Because you could share your suggestions and opinions with everyone, the process went quick.
- Tamaki
- Yeah, it spread so fast.
—— There was a significant effect as soon as you introduced LINE WORKS.
- Tamaki
- Yes. Compared to our online functions a year ago, the system developed a lot in 2020, including shopping sites.
- Sakai
- If we are old-fashioned or digitalized, I think we got digitalized.
- Tamaki
- As a result, we became more humane.
- Sakai
- I think so. Our relationship became closer.
- Tamaki
- I became aware of what the others were thinking of.
—— Oh, I see.
- Tamaki
- I knew some people could quickly speak up, but others can’t. Considering that, we became equal. We sometimes turned into an outrage mob. ( laugh ). We have many incidents every day, but that’s how we can get our frustrations out. If we solve the problems after that, it helps us keep motivated in our work.
—— Your workplace became fairer.
- Tamaki
- I feel we finally connect together, don’t you think so?
- Sakai
- I agree.
- Tamaki
- We were clearly divided by each team before and couldn’t get to know the other groups. But, after we started using LINE WORKS, we made a habit of seeing others. What is this all about?
- Sakai
- It is not a matter of habit…we can’t help watching others.
- Tamaki
- Each team can read what comes in. If they can’t get that, they can’t share it and information that isn’t shared might as well not exist.
—— It is the same as being in a closed room.
- Tamaki
- Reading text message exchanges helps them know what other teams are doing, connecting them more easily.
—— They work at the same time.
- Tamaki
- In our company, each team does different things. We were concerned about how we could unite them. After all, I knew the core matter is how we could connect with each other as people.
—— I see. It is not a matter of connecting with business, but it is related to person-to-person connections…
- Tamaki
- You have concluded that the essential thing is humane relationships, right?
- Sakai
- Really?
- Tamaki
- We have tried many things, and you told me.
- Sakai
- Did I?
- Tamaki
- You told me that you thought it a waste of time having idle chitchat or having a drink, but you found that chatting helps by having conversations in critical situations. It makes it possible to connect with staff, build up trust, and see the real human nature in a person. I wonder if you could see the whole of a person’s ability only by their work relationship…you could get to know more of their personality by spending time with them outside of work.
—— I see.
- Tamaki
- See? The staff members who understand each other’s personalities can better handle each other’s situations.
—— I see.
- Tamaki
- After many tries, I ended up understanding how vital such relationships can be.
—— Sharing information online helped staff relationships become closer and increase production speed. I think “Tamask” is an excellent example of such success. Because they were sharing information, they understood each other and were able to work well together. I think this brings a good result to the creative process.
- Tamaki
- Yes, it is. Even I feel a different atmosphere during lunchtime.
- Sakai
- Yeah, especially recently.
- Tamaki
- We talk about business, our hopes, the direction of the company in our conversations around lunch, not at the meetings. Nowadays, staff carry out business conversations with their team or ask another group for their opinions during lunch. I feel this is a good trend.
—— That’s wonderful.
- Tamaki
- I think that the atmosphere has gotten better due to the efforts to create the ‘Tamask’. ( laugh )
—— At the time, a lot of the positions were being shuffled.
- Tamaki
- I think so.
—— They didn’t care for the teams, but all cooperated for making masks.
- Tamaki
- They focused on being united in one purpose. They worked hard towards one goal. Even with the Pandemic still going on, there was a sense of accomplishment in their pursuit that motivated them to take care of the next generation.
—— Their ties deepened as they formed a very positive group.
- Tamaki
- Yeah, many of them want to help others ‘succeed’.
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- We are bringing in new staff, even after the Pandemic started. The youngest, not the oldest, are teaching the new staff.
—— That’s a good thing.
- Tamaki
- As I watch, I have advised both sides, the seniors and the juniors. If they are given incorrect instruction, I correct it, and to those learning, I help make sure they do it right. I think that those teaching for the first time are learning, and tried to find other ways if it doesn’t work as well.
—— They have been learning through experience.
- Sakai
- But the world has changed since COVID.
—— Yes.
- Sakai
- For example, people started having meetings on Zoom or online, but we basically have been weighing doing documentaries.
—— I see.
- Sakai
- Because of COVID’s influence, we are more encouraged to do documentaries.
—— It’s gaining momentum.
- Sakai
- That’s correct.
—— I thought as much at the interview in April. Mr Sakai told me that the time for tamaki niime had come.
- Sakai
- Yes, yes, yes! We were very refined, right? Of course, that’s because the staff is focused on working on that.
- Tamaki
- Yeah, that’s right.
—— You strengthened your resolve in how you deal with the daily changes.
- Sakai
- Yeah, exactly.
—— That’s the highlight for us.
- Tamaki
- We get a bit wild working towards it.
- Sakai
- Everyone’s roles grew.
- Tamaki
- The systems were created, and staff were matched to their positions.
—— I see, I see.
- Tamaki
- Many didn’t know what was best for themselves, but they’ve worked out what they work best at.
—— Everyone understood what they were best at, in a crucial moment.
- Tamaki
- Yes, they did. You have no time to waste in an emergency. Naturally, they began to work effectively. Even through arguments, they gradually handled role assignments well.
—— They fit into the right places that served them.
- Tamaki
- Everyone thought of what they could work on best, and it worked out well.
—— Emergencies provided opportunities.
- Tamaki
- That’s right.
- Sakai
- It was perfect for us.
- Tamaki
- It was a good learning opportunity. We felt we got what we needed.
- Sakai
- Many people in the world were at a loss, but we were at the other end. We didn’t have time to be at a loss, and everyone stood up…
- Tamaki
- We were swamped. Why we choose, the only option available was that hard work was…
- Sakai
- Because finally, we all came together.
- Tamaki
- Yeah, we were living without any issues before.
—— You two, predicted such a crisis and were preparing.
- Tamaki
- We have been feeling it.
- Sakai
- Yeah.
—— You made a lot of preparations, such as farming or meal efforts. The ‘niime village’ plan is one of those.
- Tamaki
- We should have had our private power generator before the Pandemic. ( laugh )
—— We may have more challenging times in the future.
- Tamaki
- I am afraid so.
- Sakai
- Coronavirus is just one of the triggers which we will have in the future. I don’t think we could slow down the speed of such changes. As the digitalized world speeds up, we seem to live with it, but we actually go backward to prefer more old-fashioned ways and focus on making such choices. Keeping animals or creating ‘niime village’ are such examples.
- Tamaki
- Another example is wishing to be a farmer.
- Sakai
- That’s right.
—— I see. ‘tamaki niime’ having an online store looks futuristic, but you really are old fashioned at heart. ( laugh )
- Tamaki
- We try to give the impressions of those nice old days online. We are indeed trying that. ( laugh )
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- It’s interesting to see how much we try to focus on that principle.
—— ‘tamaki niime’ increases the human factor as technology marches on.
- Sakai
- Yeah, yeah, you are correct.
—— It’s fascinating.
- Tamaki
- It’s been only 2 years since we created the teams. They weren’t organized very well at the one-year mark, and I was worried about how we could manage them. After a year, each individual’s character strengthened the teams and created the online store. After thinking through how they could improve them, they brought tremendous results. I think that’s what brought us together.
- Sakai
- We’ve come to more easily depend on them.
- Tamaki
- The quality of our meetings changed. They can manage all the way through now.
- Sakai
- Not only meetings…
- Tamaki
- But also planning. Don’t you remember that we had uncertain plans?
- Sakai
- Yeah.
- Tamaki
- We had products we were unsure could make decent sales, without wholesale stores to buy them, or department stores to sell to gauge the sales. Worried about production, we had a long time to fret about the sales results. However, with online stores, which are open seven days a week 365 days a year, we got the results back quickly. This allowed us the opportunity to experiment. Now, we can move forward with sales based on the reviews of the favoured products.
—— I see.
- Tamaki
- Therefore, products with good reviews, like the ‘Tamask’ could go into production right away. We were encouraged to make the products that the customers connected with. Good sales gave us confidence, as they are cute, and the customers favoured those.
—— The best thing to do is not merely to make sales go faster, but the essential part is we have to make direct connections to the customer.
- Tamaki
- Yeah.
—— I see.
- Tamaki
- We accept all the reviews, including complaints, which we are happy to have because we can discuss them in the meeting. We are not afraid of poor evaluations because we believe it’s our chance to better change the products.
—— You see them as opportunities.
- Tamaki
- If too much time passes after the customers receive our product, we won’t get their responses, either appreciation or complaints.
- Sakai
- The bottom line is, we have a faster response between output and input.
—— I see. That’s true.
- Tamaki
- It happens instantly.
- Sakai
- Yeah, they just come back to you right after you throw them. That’s why it makes it easier for us.
—— I see.
- Sakai
- You increased your accuracy.
- Tamaki
- That was precisely what I said!
—— What did you tell them?
- Tamaki
- I told everyone that a product would be a big hit, but no one believed me.
—— I see.
- Tamaki
- I suggested that we have to start making products really soon because I was sure they would be a hit, but we didn’t know how it would actually happen. However, now, we know the results almost immediately. It is easier for us to put into action.
—— You get the responses quickly. That makes sense.
- Tamaki
- The staff can have small successes often, encouraging those who arrange thread colours, work on production, or sell products. I think such experiences really encourage them to enjoy their jobs. That’s great!
—— You started online shopping on the first of February last year before COVID was an issue.
- Sakai
- Yes, before that.
—— Did you plan it because you predicted what would happen?
- Sakai
- No, it was a coincidence that our shop started as the Pandemic happened.
—— You didn’t start because of the Pandemic, you just happened to arrive just ahead of it.
- Tamaki
- I think you predicted it.
- Sakai
- I guess I did.
- Tamaki
- In our dream, we wanted to start this from the beginning.
- Sakai
- Yeah.
—— Listening to your comments, the online shop seems ideal for ‘tamaki niime’ to connect with customers. You have been looking for ways to communicate with customers directly, and the influence of the Pandemic gave it an extra push.
- Tamaki
- It went pretty smooth.
—— It’s epoch-making, right?
- Tamaki
- We got lucky?
- Sakai
- Yeah.
—— I think you heard the call of the times, or, you heard the call to respond to the people’s wishes.
- Tamaki
- We are so blessed for that. But still not enough.
In 2020, everyone worldwide was surrounded by the Pandemic. During such a difficult time, ‘tamaki niime’ was a success by connecting with customers directly, feeling closer to them, and working hard. They try to enjoy even difficulties to use as their chances to grow and live better today. For 2021, Ms Tamaki and Mr Sakai wonder and discuss for what’s next this unpredictable new age. Please look forward to the following discussion of ‘a new beginning’.
Thank you so much for reading ‘niime Encyclopedia’ this year. Everyone, have a great year!
Original Japanese text by Seiji Koshikawa.
English translation by Adam & Michiko Whipple.